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『深夜二時』 ~店外~そして~接客~

□コンビニ店外


 このコンビニはとある交差点の角にある。 平屋建てで、広い駐車場有。

 辺りは真っ暗で、コンビニのどぎつい照明が目立つ。

 敷地は有刺鉄線つきの頑丈なフェンスに囲まれていた。

 遠くには美しい高層ビル群が見え、夜空を照らしている。


 しかしコンビニの周りは、荒廃した街並みだ。明かりがついているところも少なく、古ぼけたビルや家屋が目立つ。

 中には窓ガラスの割れた廃屋などもちらちらあった。

 コンビニ前はひび割れた二車線道路。

 そこを武骨な大型武装トラックが一台通過していく中――。


 近くの廃屋にて、闇夜に不気味に光る眼がいくつもあった。

 皆、背が低く、茶色いボロマントに身を包み、ガスマスクを被っている。

 銃器や鉄パイプを持っている者もいる。


 廃墟を徘徊するミュータントたちだ。

 人々は彼らをルインズウォーカーと呼ぶ。


 ライフルを担いだ、リーダー格のルインズリーダーが皆を押しのけて現れた。


 ルインズリーダーはコンビニや通り過ぎていくトラックをじっと見つめていた。




□コンビニ店内


 床がピカピカになっていた。

 菊地君はレジでボーっとしている。

 リーンはレジ横のフライドフードのホッターケースの拭き掃除をしている。

 自動ドアが開き、チャイムが鳴った。

 車椅子くらいの大きさの、ロボットカーが半人型に変形しながら数体入店してきた。


「いらっしゃいませー」

 自動ドアわきの買い物かごを持って、店内に入っていくロボットカーにきちんと挨拶するリーン。

 しかし、菊地はチラッとロボットカーを見ただけで視線を元に戻すだけ。

 それを見てリーンは、振り返ってジッと菊地君を見つめた。


「……なんすか?」

「ロボットのカメラを通して店員の態度をチェックしてるお客様もいるんですよ。ロボット相手でも挨拶はちゃんとしないと」

「ハイハイ」

 心底めんどくさそうな菊地君であった。

 

 ロボットカーは商品陳列ゴンドラから、目当ての商品のバーコードをスキャンし、買い物かごに入れている。

 

 一体のロボットカーがレジにやってきた。

 カウンターに買い物かごが置かれる。

 菊地君、無言で買い物かごから商品を取り出し、バーコードリーダーでスキャン。

 次に商品の袋詰めをしていく。


 ロボットカーのカメラアイがジッと菊地君を見つめている。


「ケッ・・・・」


 精算はすべてオートだ。

 オートレジスターの読み取り装置にロボットカーが照合して取引は完了。

 ロボットカーは店外へ出ていった。

「ありがとうございましたー」

「ありやとございぁっしたー」


 自動ドアが閉まるよりも早く、四輪駆動モードに変形して、ロボットカーは遠ざかっていく。



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