表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

シーン1


 私が小さな二本足を使って立っているのは、黒く塗りつぶされたアスファルトの上だ。小さな石が一様に固まってできたその地面は、トラックが通る度に変形していく。トラックのトレッドに合わせてくぼんだ其処には、前日の雨の跡が残っている。

 かといって、それが本当に其処にあるかは分からない。私たちの頭が其処のことを「窪んでいる」と認識しているだけなのだ。なら触れてみればどうか。

 ざらざらとした窪みにはきっとたくさんの雑菌が存在しているのだろう。確かに私の触覚からもここが窪んでいるのは感じ取ることができる。でもあくまでそれは「感じている」だけ。本当にそうなのかは、はっきりしない。


 ある人はこういった

 「我思う故に我有り」

 まさしくそうだ。いつも思っていたアンタのこともきっと幻のはず。



 俺が路上に現れたとき、彼女はもうすでに路上に存在していた。思わずクスッと笑ってしまうほど仁王立ちの彼女。その彼女が見つめるのは軽四なら簡単にはまってしまいそうなほど深い道の窪みだ。

 彼女はこういった。

 「お前にはこの窪みが見えるか。それとも、見えていないか」

 訳の分からない、そんな質問。でも俺は笑って返す。

 「もちろん、見えるとも」

 「触ってみたか。感じるか」

 もちろん、感じる。これに引っ張られている。窪みに体が持って行かれている。

 「よかった。私も惹かれてるような感じがしたから。でも、本当にそんなのか分からなくって」

 

 誰かが自分と同じ感情を持っていようとも、それは俺たちの単なる妄想かもしれない。しかしながら、それが妄想だという証明も何もない。答えもない。ただただぶらぶら吊されているだけ。だけど、

 「この暖かみを『暖かい』って感じられている自分が幸せ」

 笑って言う彼女に一睡の喜びと不安を感じている自分は確かだ。



 横を通る車はその轍にはまるようにして、また私たちに水をかけまいと慎重に通り過ぎていった。


 これ「777文字」なんです。

うれしいかな、微妙です(笑´∀`)

ちょっとずつ>^_^<

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ