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時雨の剣  作者: 根拠の無い自信
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対戦、そして入門

「ミレアって言います!」


時雨たちに助けられた少女は元気に自己紹介した。


「ミレアちゃん、何で囲まれてたの?」

「えっと、ここから東にあるアイルの街に行こうとしたんです。で、その途中にあいつ等が

寝てたのを起こしちゃったみたいで。もうカンカンで手がつけられませんでした。」

「お前、剣持ってるじゃねえか。戦わないのか?」

「いや~、パニックになっちゃって。」

「東に用があるのか?」

「いえ、ただ単に旅しているだけです。ああやって囲まれるのもしょっちゅうですね。」


時雨は呆れた。


「バカかお前。それでも剣士か。」


ミレアの腰の剣を指差して言った。


「はい。腕には自信がありますよ!」

「はあ?囲まれて、パニック起こしてる奴が何言ってんだよ。」

「む、信じてませんね。やりますか?」

「百年早えよ。ま、暇つぶしにでもするか。」

「もう怒りましたよ!ケチョンケチョンですからね!」

「いいから早くこい。」


時雨は構える。こんな奴でも、一応真面目に仕合する。


「じゃ、行きますよ~。」


ミレアは走り始めた。 


時雨の予想を遥かに上回るスピードで。


「っ!」

「ビックリするのは、早いですよ!」


剣を振るスピードも、尋常じゃない。時雨も防御で手一杯だった。


(へえ、あの子速いわね。)

「アリーナもそう思うの?」

(ええ、人間のたどり着ける領域じゃないわ。魔族ともいい勝負できそうね。)


だんだん時雨が押されてきた。

(このままじゃ埒が開かねえ。)


「ほら!私、強いでしょ!」

「ああ、そうだな。だが」


パワーは無いから防御は簡単だった。神経を集中させ、ミレアの動きを予測する。


「経験が足りん!」

「ええ!」


ミレアの剣を一発で弾いた。ミレアは心底驚いた。弾かれた、という事は自分の動きが

完全に読まれたという事だ。


「もう一度来い。」

「言われなくても!」


自慢のスピードで時雨に突っ込む。目にも止まらぬ速さで剣を振る。


「燕返し!」

「っ!」


また、時雨に弾かれた。タイミングはバッチリだったから、その衝撃で一瞬ミレアの動きが止まる。


「終わりだ。」


その隙に首に剣を当てる。ミレアは完全に負けたと思った。


「参りました。強いですね、師匠。」

「ああ、お前よりはな。って、師匠ってなんだ!」

「え?いや、弟子入りしようと思ったから、弟子なら師匠って呼ばないと。」

「誰が、何時、OKした!」

「よろしくお願いします!師匠!」

「だから、ええわけないやろ!却下や、却下!」


ミレアはポカーンとした。時雨の喋り方が変わったからだ。


「師匠、その喋り方に強さの秘密が有るんですか?」

「ちゃう!これは関係ない!ともかく弟子入りは無しや!」

「いいじゃないですか。何でダメなんですか?」

「何でって・・・なんとなくや。」

「じゃあOKですね。」

「アカン!」

「訳わかんないですよ。」


木芽が会話に割って入った。


「時雨、いいじゃん。仲間に入れようよ。アリーナもこの子は速いって言ってるし。」

(そうよ。戦力になるわ。)

「秋風さん、いいじゃないですか。」

「でも、そうなるとコイツが俺の弟子に」

「良いんですか!やったあ!遂に師匠の弟子になれた!」

「いや、まだ良いとは」

「良かったね。ミレアちゃん。」

「よろしくお願いします。ミレアさん。」

(ちゃんと戦うのよ。)

「はい、お願いします!ところで今喋ったの誰ですか?」

「ああ、それはね、もう一人の私のアリーナって言うの。ちなみに私は雪消木芽。」

「私、リリーって言います。」


もうすっかり馴染んでいる。最早弟子入りを断れる雰囲気ではない。


「ミレア!」

「何ですか?師匠。」

「俺たちも今、東に向かっているんだ。パニック起こすんじゃねえぞ。」

「はい!一生着いて行きます!」


仲間が一人増えた。4人で破壊神討伐を目指す。

読んでいただきありがとうございます。

新しい仲間はできました。正直リリー以外加えるかどうか迷ったのですが、

ミレアのキャラが思いつくと出さずにはいられなくなったので。

次話もおたのしみに。

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