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時雨の剣  作者: 根拠の無い自信
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プロローグ

「一本!よって勝者、秋風時雨(あきかぜしぐれ)!」

「ふぅ。よかった。」


高2の秋風時雨(あきかぜしぐれ)は剣道一筋で生きてきた。幼い頃からやっていたから、

今では全国大会優勝候補として、注目されていた。


試合に勝ち、上機嫌の時雨の前に1人の少女が現れた。


「よかったね~、時雨。おめでとう!試合すごかったよ!」

「おう、ありがとな。木芽。」


彼女の名は雪消木芽(ゆきけしこのめ)。時雨の幼馴染だ。よく時雨の試合を見に来ている。


「この調子だと、優勝出来るんじゃない?」

「出来るんじゃない?じゃなくて、するんだよ。」

「でた!時雨の根拠の無い自信。」

「うるせーよ。ま、いいや。帰るぞ。」

「は~い。」


2人は他愛も無い会話をしながら、帰って行った。

その途中、工事現場を通りかかった。そこでは、いつものように工事をしていた。


「でさー、社会の松井がいきなりキレてさー、大変だったんだよね。もう、ひどい目にあったよ。」

「まぁ、あの先生はキレやすくて有名だからな。仕方ねえよ。」

「いやいや!私何にもしてないんだよ。おかしいじゃん。」

「そうだな。」


そんな会話をしていたからか、自分達の危機に気づいていなかった。


工事現場のおっさんがいきなり、

「うあああああ、クレーンが倒れるぞぉぉ。逃げろ!」

と叫んだ。


『は?』


2人は後ろを振り返ると、クレーンがこちらに倒れてきていた。


「うわぁぁぁぁぁ。逃げるぞ!木芽!」

「うん!」


2人は賢明に走った。が、クレーンの方が早く倒れてしまった。

2人は下敷きになった。


(ああ、もうだめだ。俺死ぬのか。嫌だな。まだ試合が残ってるのに。)


時雨は最後にそう思い、意識を失った。






















ふと意識が戻った。

(生きてる?何で?どこだ、ここ。)

辺りを見回すと、


「木芽!」


時雨は急いで駆け寄った。呼びかけてみると、


「お母~さん。ハン~バ~グがいいよ。」

「バカかこいつ。はぁ、でも良かった。無事・・・なのか?」


見たことも無い光景が広がっているこの場所が何処なのか分からない限り、無事とは言えない。

(ここって天国なのか?でも、ホントにあんのか?そんなとこ。)


「あるんです。そんなとこ。」

「な!誰だ!」


急に声がして振り返ると、そこには綺麗な女の人がいた。


「神様ですよ。神様。」

「・・・こっちにもバカがいる。」

「失礼ですね!ちゃんとあなた方を助けてあげたんですから。」

「はぁ?」

「見てください。」


そう言うと、いきなり画面が現れ、自分と木芽が映された。病院にいた。


「何だよこれ!俺たちじゃねえか!てことは・・・」

「はい。あなた達は事故で死にました。」

「やっぱりか。でも、この空間は何なんだ?」

「簡単に言えば死後の世界です。でも、病院のあなた達は一応生きてます。」

「じゃあ、何でここに?早く戻してくれよ!」

「だめです。あなた達にはやってもらいたい事があります。」


ようやく、木芽が起きた。


「おはよ~、って何処?だれ?なんの話?ハンバーグは?」

「ちょっと黙ってろ。で、俺らにやってもらいたいことって?」

「異世界を救ってほしいのです。」


神様は真面目に言ったのだが、生憎時雨はファンタジーは信じていない。異世界と言われても笑うだけだった。だが、


「へぇー!異世界かぁ。行ってみたいな。どんなとこなの?」

「恐らく木芽、あなたが思い描いているような世界ですよ。」

「魔法とか、ドラゴンとか居るの?」

「はい。いますよ。」

「行く!決めた。絶対行く!」


木芽は昔から童話が大好きだった。だから、ファンタジーな異世界には興味津津だった。


「おい!それでいいのかよ。世界を救わなきゃいけないんだぞ!」

「いいじゃん。魔王。強そうで。」

「いやいやいや。強いとかそんな話じゃないって。」

「いいじゃんか~。」


時雨はもう限界だ、と思いキレた。


「お前な、自分でなに言うとんか分かっとるんか!世界救う?無理に決まっとるやろうが!」

「ええやんか!だって行きたいモンは行きたいんやから!ドラゴンみたいやん!」

「だから、ドラゴンどころじゃないんやって。魔王を倒さなアカンのやろ?なぁ、神様。」

「えっ、あ、はい。そうですけど。」


神様は急に関西弁になった2人に驚いていた。もともと2人は関西人なのだ。


「聞いたか?いまの。魔王やぞ、魔王。勝てるわけないやん!それでも行く言うんか!」

「行くよ!だって、ドラゴンも見たいけど、魔法も使いたいけど、それ以前の問題やんか!」

「それ以前?どういう意味や?」

「その世界で苦しんどる人が居るんやろ?助けたりたいやん。」

「なっ。いや、でもな、俺たちじゃ無理やって。」

「いいや。出来る。」

「何なんや!その根拠の無い自信!」

「根拠ならあるもん。だって、神様がうちら選んだ理由があるはずやもん。」


時雨はハッとした。

(そうや、何で俺らなんや?)

時雨も冷静になってきた。


「おい!神様。何で俺達なんだ?教えてくれ。」

「分かりました。説明致しましょう。」


時雨たちの冒険の始まりだった。

読んでいただきありがとうございます。

剣とか、旅立つとか書いといて、どっちも次になりそうです。

お楽しみに。

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