時の流れのように
靴擦れはまだ治ってなかった
爪はまだ長かった
髪はまだ切ってなかった
見上げた空はいつだって青かった
骨は数千年したらダイヤになる
火葬で焼かれた紫色の猫がそう言っていた
耳から耳へ流れる音楽は
シティ・ポップまたは古典的なクラッシック
猫の発情期の声だって聞こえる
わたしがわたしと思う限りわたしなら
きっとあなたはわたしの中のあなたしか知らない
それは良いことなの悪いことなの
こんなことを考えること自体無粋
時が経つたび 人が万華鏡のように思う
色んな色が重なり合った近大絵画のように
六月の雨が降るから傘を忘れた
キュルキュル音がする電車に乗る
泣いちゃう
ポッケが付いているから
寒空でもその手は暖められないというの
体感温度は涼しくても湿度がわたしを痛めつける
海無し県にいるのに海の細波が聞こえた
靴擦れはまだ治ってなかった
爪はまだ長かった
髪はまだ切ってなかった
見上げた空はまだらに雲が散っていた
眠った子どもたちの前に現れるサンタクロースをいつまでも待っている
寄ってきた鮫の皮を撫でた
撫でた拍子にホロホロ その身体が崩れた
そして鮫はいなくなってしまった
わたしもまた 同じように
熱く 溶解炉のような手を待っている




