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数日休息をとった後に、新公都づくりを再開。


まず、一区に公営住宅を、各丁目50棟で250戸分、それを4丁目分で、総計200棟1000戸分作った。もちろん、街道沿いには空き地を設けてある。そして、なるべく中心部に寄せて建てたけど、丁目と丁目の間が、隙間だらけになったよ……ま、仕方がない。そのうち、何かで埋まるだろう。これなら、市街地を東西に広げる必要も無いね。そうしなくても、空き地があるから。


公営住宅は、イメージが詳細にバッチリ決まっていたから、いっぺんに建築可能だった。井戸掘りと各棟への給水も、だんだん一度で行えるようになって、思ったよりも早く、数日で一区が完成。


そうそう、焼き印魔法も大活躍。各棟の建物には区と丁目と棟番号が、各戸の玄関には部屋番号が自動で焼き印。とってもとっても便利~


そして二区目に取り掛かった時には、すでにルーチン作業がスキルアップしちゃってさ、二区は一日で出来ちゃったよ。


一応少し休息日を挟んで、三区目。


三区目の建設の時にね、その様子を皆が見たいって事になってね、仕方がないので大公家一族を筆頭に、職人だの、何だの、いろいろ人が集まっていて、お祭り?みたいな感じの人出になっちゃった。ギャザー多めの色のついたワンピースを着ている人も、ちらほら居るね。


それにしても、平民も普通に服を着ているもんね、色は落ち着いた緑色とかそんなのだけど、それでも色付きのズボンとシャツを平民も着れるようになったんだなあ……


それは置いといてさ、今日はお祭りじゃなくて、ただの建築作業だもん。面白くもおかしくもないと思うんだけどね……


見物客が全員、声も上げずに静かに見ているだけなんだよ? そういえば、なんか泣いている人もいたけどさ、工事現場だし、きっと砂埃でも目に入ったんだろうね。現場になんて、来なきゃいいのに……


僕、結構疲れたよ。


そういえば、こういう時に真っ先にやって来そうなトム爺たちオール(じい)ズのね、姿が見えないの。心配になって聞いてみたら、セルフィンに行っているんだって。ああ、大親方だしね、自由よね。元気でなにより。お祖父さま達と楽しく頑張って欲しい。


これで、三区分、合計3000戸の公営住宅が完成。もちろん公共施設は既に完成済。


そうしたらね、残りの第四区は、職人たちが自分たちで建ててみたいっていうの。もちろん大歓迎だけど、平民の住居、間に合うの?って聞いたらさ、現状の3000戸で当面間に合うってさ。


エデンの王国に人頭税で何百人か行っているし、北部工業団地の北村にも何百人も人が住んでるし、セルフィンに長期出張に行っている人もいるし、大丈夫なんだって。


それじゃあ、後は平民の職人たちで頑張ってもらおう。現物の見本は既に建っているしね、見ながら作れば、失敗もないでしょ。そんな複雑な建物でもないし。とりあえず、井戸だけは掘っておくことにしたよ。


ということで、新公都が、完成です!


後は、旧公都から全員引っ越しをして、街が空になったら、知らせてもらう事にした。


旧公都は更地にしないといけないからね。南北街道を敷きなおさないといけないから。


僕はしばらく休日。


という事で~




***




「ふんふんふ~ん」


「あら、ミチイル、ご機嫌ね」


「うん、今日は久しぶりに料理をしようかと思って~」


「あら、それならジョーンも呼びましょうよ。レストランにいるんじゃないかと思うし。ねえ、そこのあなた、悪いけどレストランに行ってジョーンに、良かったらうちで料理しましょう、と伝えてもらえる? お願いね」


「そうだよね~ しばらくバタバタしててジョーンともご無沙汰だもんね。母上は、何か食べたいものとかあるの?」


「わたしは……ナポリタンと言うものが食べてみたいの」


「あれ? ナポリタンの話、母上にしたことあったかな……」


「わたしはよくわからないのだけれど……なぜかどうしてもナポリタンが食べたいの!」




***




「ふあ~ さすがに根を詰めて読むと、ラノベとはいえ疲れるわ~ そう言えば、お姉様の星に来て、どのくらい経ったのかしら……ま、きっと全然時間は過ぎてないわね! 昼寝よりはずっとずっと短いはずよ! ねえ、お姉様~ あたしナポリタンが食べたいの~」


「あらあら、相変わらずあなたはダラダラしてるのねえ。ナポリタンが食べたいって言っても、誰かが供えてくれないと、ないのよ。知っているでしょう?」


「いやいやいや~ ナポリタンが食べた~い! ナ・ポ・リ・タ・ン! 粉チーズ山盛りで!」


「あらあら、しようがない子ねえ。じゃ、ナポリタンが捧げられたら教えてあげるから、それまでお待ちなさいな」


「やった~ ありがとう、お姉様~ 大好き!」


「ふふ、甘えん坊さんね」




***




「じゃ、わたし着替えてくるわね! ナポリタンをお願いよ!」


「……うん」


……


「ねえ、アイちゃん」


『はい、救い主様』


「前から薄々ちょっと変だなって思ってたんだけど、母上、なんで変な言葉とか知っているのかな。この世界じゃ、僕が言わないと新しい言葉の概念は構築されなかったよね? 明らかに僕は言っていない言葉とか、母上が知っているのは、おかしいと思うんだ」


『……はい。おっしゃる通りでございます』


「何か理由があるの?」


『はい。大宇宙には幾星の星がございますが、それらの星では人間どもの祈りによって、星を造った神に星神力が貯まっていくことは、救い主様もご存じの通りにございます。そして現在、この星では、マリアにも信仰が集まっております……』


「ああ! 母上に星神力が貯まっているということ?」


『いえ……厳密に正確に言うならば、マリアに貯まっている訳ではございません。が、マリアに紐づいた星神力が存在する事は事実なのです。マリアには星神力が使えませんので、マリアに紐づいた星神力は、親の位置づけである、あの女神(くそ)にリアルタイムで移管されております』


「ああ、僕は星神力が使えるから、僕の分は自由に使って後清算だけど、母上は星神力が使えないから、いくら貯まっても結局親のものになるのか。子供の頃に貰ったお年玉は、本来子供のものだけど、知らないうちにいつの間にか親の口座に移されていた、みたいな」


『その認識で正しいと存じます。リアルタイムで星神力が女神(くそ)に転送されているため、マリアは言わば、あの女神(くそ)とリンクがつながっている状態なのです。ですから、お互いにお互いを意識せずとも、あの女神(くそ)が強い思いを抱いた場合、それがマリアにも染み出してきている可能性がございます』


「ということは、女神様の強い思いが、母上に伝わっているかも知れないってこと? でも母上も女神様も無意識?」


『確証がある訳ではございません。あくまで私めの推測でございます』


「うん、でも、他に説明もつかない感じもするしね……ま、女神様なんだから、母上に悪い影響なんてある訳ないよね、神なんだもん。逆に、女神様の御加護が母上にあると思うと、とてもありがたい話……女神様に感謝しなきゃ」


『……救い主様は、感謝の必要は一切ございません』


「ハハ アイちゃんは相変わらずだねえ。じゃ、女神様がナポリタンをご所望かも知れないから、ナポリタンを作ろう」


『救い主様の、御心のままに』




***




「ミチイル、お待たせ~」


「あれ、母上、割烹着来てるの?」


「ええ。この服が料理の時には汚れを気にしなくていいから、都合がいいのよ」


「うん、まあ元々そんな服だしね」


「それで、ナポリタンの準備はどうかしら?」


「いや、まだだけど……すぐにできるよ」


「ミチイル様、マリア様、お招きありがとうございます!」


「あ、ジョーン、見かけはするけど、こうやって一緒に料理をするのは久しぶりな気がするね」


「はい! もっともっと新しいレシピを教えてもらえると、うれしいのですが……」


「うん、そうだね。公都の移転が終わったら、もう少し本腰入れてレシピ開発しよう」


「はい! よろしくお願いします!」


「ミチイル~ まだ~?」


「はいはい、では今日は、ナポリタンを作りたいと思いまーす」


「パチパチパチ」


「まず、ナポリタンに必要なのは、スパゲティです。パスタとも言いますが、小麦粉で作った麺のことです」


「はい! ミチイル様!」


「どうぞ、ジョーン」


「はい、以前から少し話が出ていたと思うのですが、麺とは、いったいどんなものなのでしょうか」


「はい、当然の質問です。麺とは、小麦粉で作った細いダンゴのようなものです」


「ダンゴ! それはすばらしいです!」


「ふふ、ジョーンはダンゴが好きだものね」


「はい! あんなに美味しいものはありません!」


「ハハ ジョーンが好きなダンゴは、イモダンゴとかカボチャダンゴでしょ? 小麦粉の麺はダンゴのようであっても、ダンゴではなくてね、食事なの。甘いものじゃなくて、料理なんだよ。それに、イモダンゴみたいにモニョモニョはしてないかな」


「そうなんですか……」


「でも、ご飯やパンにはない、美味しさがあるの。小麦粉の麵にはね、種類がいくつかあって、細長い麺としては、うどんとラーメンとスパゲティがあるんだよ。本当は素麺とか冷や麦とかもあるんだけど、それは難しいから、作るのは無理かな」


「そうめんと言えばミチイル、あの流しそうめん、のそうめんなのかしら?」


「うん、母上。流しそうめんってのはね、そうめんを流して、掬いながら食べる料理なの。でも、そうめんは本当に作れないと思うから、あきらめて」


「わかったわ。わたしはナポリタンだけあれば、とりあえずいいと思うの。よくわからないのだけれど」


「ハハ わかったよ。あ、お手伝いさん、今日はもういいよ。ありがとう」


「では、お言葉に甘えて失礼します」




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