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1-81 年齢

セルフィン公国に進出?することにした。


アルビノ人には外交権は無いって話だけど、よくよく聞いてみたら、外交権っていうのは、エデンの三王国と北部三公国の間の事なの。エデンの王国の王族貴族たちが、勝手に北部の公国に無理難題を言わない、言わせないようにエデン三王国が、それぞれを相互監視をする目的の設定なんだね。エデンの一つの王国や王族貴族から色々命令されても、北部公国には外交権はありませんので、お返事できません、後の事はエデン会議で他の王国と話し合って決めてください、私たちでは決められませんので、的な感じ。


ある意味、北部公国を守るためでもあるんだね。


なので、アルビノ人同士の外交には何の制限もないと思う。ま、あったとしても、お互いが黙っていればバレないし、エデン人は森林地帯より北には入れないからね、たとえバレたとしても、エデン人には確認する術がないの。アルビノ人の誰かがエデンにチクったら、面倒なことになるかも知れないけど、そうだとしてもエデンは自分の目で確認はできない。


仮に、言いがかりみたいなのをつけられてね、もうマッツァを供給しない、なんて言われても、アタシーノ公国は一切困らない。今はマッツァ、ほとんど食べてないからね、家畜のエサだもん。だけど、セルフィンはまだこれから。なので、出来るだけ、エデンにはバレない様にしないとならないのは、変わりない。


関係各所への手配や指示は伯父上たちに任せた。今、荷車を増やしたり、コーチを増やしたり、要らなくなった服とか集めたり、種を集めたり、人を算段したりしていると思う。家畜も増やさないとね。ま、セルフィンにはまだ飼料も無いし、後でいいんだけど、準備は必要だと思う。


僕はとりあえず、作物全種類の種を十分な数、アイテムボックスに貯蔵して、旅行に備えて料理なんかも作り溜めてアイテムボックスに入れている最中。


そして、セルフィンまでの間に、一泊することを考えて、バンガローを作った。


だいたい十畳くらいの大きさのデカい石の板を厚めに作って、その上にデカい茶箱を設置、そして給食センター魔法のイメージで、窓と玄関を設置。とここまで作ってさ、僕、気づいたよ。


僕、無詠唱だし、魔法の制限無いし、別に既存の魔法や呪文にとらわれず、どんなものでも、何であってもイメージでものが作れる。


魔法の呪文は、もしかしたら一般人のためにあるのかも知れないね。それと、僕のイメージのため、かな。いつもロイド氏が助けてくれて、魔法が使えるようになるけど、本当は、僕、明確に細部までイメージさえできれば、魔法で何でもできそうなの。


ま、この世界にある材料ってのが制限事項なんだからね、何でも作れるってのは大げさかも知れない。たとえば、電子レンジとかは、どうやって作ったらいいか、全然わからないから、作れない。でも、少なくとも建物なら、そして材料があるなら、作れちゃう。


ふう、何だか、日に日に人外に寄って行ってる気がするよ……


僕、自重はしないって決めたけどさ、このまま行ったら人間止めちゃわないかな?


『はい、救い主様』


「ああ、アイちゃん。僕、人間?」


『人間でいらっしゃいますが、特別な力をお持ちの救い主様です』


「ああ、そうだったね。救い主は、全人類を救える位の力があるんだもんね。僕の場合は、それが全部、食文化スキルになってるんだっけ」


『はい、左様でございます』


「じゃ、人間ではあるけど、完全に人間であるとも、言い切れないっていうか、そんな感じ?」


『救い主様は、救い主様でいらっしゃいます。他の何物でもいらっしゃいません』


「そっか。この力は僕の力っていうよりも、救い主の力なんだもんね。僕が世界を救うため? いや、女神様は救わなくてもいいって言ってたな。食文化を広めるために使うなら、何も問題ないのか……」


『救い主様は、力を使う事に関しても、この世界での生き方についても、あの女神(くそ)についても、何の考慮も一切必要ありません』


「ハハ アイちゃんのそれ、久しぶり~ ま、いつもいつも、何か状況が変化すると、迷いが出ちゃうね、僕。アイちゃん、ありがと」


『救い主様の御心のままに』





***




ということで、バンガローを一瞬で作成に成功。


呪文? そんなのないよ!


建物は石の土台床と木材の壁屋根造りの十畳サイズで、木製玄関設置。延床面積のうち居室スペースは半分かな。一畳はトイレ。これは他の排水ともども地中に浸透させるタイプ。どうせきれいに分解されるからね。そして、玄関口にミニキッチン。と言っても、小さなシンクに水道管、一口の魔石コンロに、上部は食器棚で下部は冷蔵庫ね。さらに、小さいお風呂もつけたよ。当然でしょ。旅に使うんだもん、体も汚れるしね~ お風呂はね、省スペースにするため、バランス釜じゃなくて、別室ボイラー式にしてみた。魔石コンロを下に設置した大きな銅製の水タンクでお湯を沸かして、水道管に魔力を流せばお湯が供給される感じ。井戸は別に掘らないといけないけどね、それはキッチンも同じだから、井戸と接続すれば、ボイラータンクにも水が減った分、勝手に供給されるよ。各所にはきちんと電球と扉付窓も設置して、照明換気対策済み。そして、居室には羽毛布団付き二段ベッドが二つに大きいクローゼット。くつろぐ部分はゼロだけど、寝るためのバンガローだから、いいよね。


で、この四人用バンガローを10棟作ってアイテムボックスに入れた。いくつ必要かわからないけど。


これで、旅程の宿泊もばっちり!


さて、母上のアトリエに行こう。




***




「母上、伯母上、魔法の練習は進んだ?」


「ええ、それなりに進んでいるわよ」


「はい、ミチイル様。ようやくタコ糸魔法で綿やリネンから糸が作れるようになりましてございます」


「ああ、それは良かった。後は晒ふきん魔法で布を作って、それから割烹着魔法とかコックコート魔法を使えるようになれば、服が作れるね」


「そうね、努力すればすぐよ。わたしも結構すぐに使えるようになったもの、お姉様もすぐだと思うわ」


「後、生活魔法とかはどんなかんじ?」


「そうね、フランベ魔法とおしぼり業者魔法と干物魔法、電気ポット魔法と、水道管に魔力を注ぐ、くらいかしら、お姉様」


「はい、マリアの言う魔法は使えるようになりました。ありがとう、マリア」


「じゃ、取り急ぎはそんなもんかな。アタシーノ公国から派遣される人とかに、後の魔法は色々教えてもらってくれればいいと思う」


「精進致します」


「じゃ、今日はね、密閉シーラー魔法で、裁縫をしたいと思います」


「ミチイル、その魔法はビニールを密閉する魔法じゃなかったかしら」


「うん、それがね、他のものでもくっつけられるの。だから、布地をくっつけたら、縫わなくても服ができるね」


「ええー? そうなのね! それは便利な気がするわ!」


「うん。母上、いま縫っているスカートとか、ある?」


「ええ、これよ。カンナが好む形のスカートだけれど、お姉様に作ろうと思って」


「じゃ、これを密閉シーラーで縫ってみよう」


ピカッ


「んまあ! 縫い目もなく、布がスカートになったわ!」


「うん、これでさ、チマチマ針と糸で縫わなくても、サクサク服ができるでしょ?」


「ええ! すごいわ! これはカンナにも教えないとね!」


「うん。服飾部にも伝わるように、お願い、母上」


「任せておいてちょうだい!」


「それと、今日は、ワンピースも紹介するね」


「ワンピース? わかるようなわからないような……」


「ハハ 母上は色々勘がするどいからね~ ワンピースっていうのはね、服の上下が一つになった服なの。今は、ブラウスとスカートとかでしょ? そのブラウスとスカートがつながった感じなの」


「以前の作務衣みたいな感じなのかしら?」


「うん、まあ、そうっちゃそうなんだけどね、それよりも、もっとおしゃれっていうか」


「あら、あらあら? その言葉は聞き逃せないわ! ちょっと作ってみてくれないかしら」


「うん。スカート、何でもいいからシンプルなスカートくれる?」


「こんなのでいいかしら」


「うん、ヒダもないし、すっきりしてるね。じゃあね、このスカートに上を付けよう。このスカートのウエストにぴったりサイズの『コックコート』 」


ピカッ


「まあ! とてもステキ! お胸部分も立体的だし、ブラウスの前の部分に、すこしギャザーが入っているのね」


「うん、これはギャザーっていうより、タックとかプリーツかな。ギャザーはね、不均一なヒダで、タックとかプリーツってのはね、このブラウスみたいに、ヒダの間隔が一定で、きっちりぴったりした感じなの」


「じゃあ、この袖と肩のつなぎ目あたりに寄っているのはギャザーね」


「うん、パフスリーブとかちょうちん袖とかいうんだけどね、この形はボリュームが出るし、何か柔らかい雰囲気でしょ。それにね、これは長袖じゃなくて半袖だから、腕が見えるじゃない? その腕の肉がタルタルした感じの人でもね、このちょうちん袖のボリュームに多少誤魔化されて、目立たないの」


「なんですって! あ、これは大変な失礼を致しました、ミチイル様」


「ハハ 伯母上はスマートだけど、二の腕が気になるお年頃なんだね~」


「はい、お恥ずかしい限りにございます」


「まあ! そうなるとすれば、喜ぶ女性が増えそうね……」


「ま、この世界じゃ、食糧事情の所為かポッチャリした女の人は、男の人もだけど、全く居ないもんね。ま、とにかく、上下をくっつけてみよう」


ピカッ


「あら、本当に上下がつながって一つになったわ!」


「うん。このパフスリーブのプリーツブラウスはね、前ボタンだけど、これを後ろに持っていくこともできるの。そうすると、一人では着たり脱いだりできなくなっちゃうでしょ? だから、常に使用人がいるような高貴な女性のドレス、って感じになるね」


「んまあ! 高貴な女性のドレス! 前にミチイルが言っていたのはこれね!」


「うん。ま、いま作ったワンピースは前から自分で普通に着れるけどね」


「でもミチイル、なんかダボダボしている感じもするわ。だらしないっていうか」


「うん、だからね、服を着た後に、ウエスト部分にベルトって言うのを巻いて締めるんだよ。ちょっとまって」


ピカピカッ


「こんな風に、布を何枚も重ねて幅広の長い布を作ってね、布端を解れないように縫い留めて、これをさっきのワンピースを着た上から、ウエストに巻いて端を結ぶの。あ、革でも同じようなベルトを作ると良い雰囲気になったりするね。ま、とにかくベルトを服の上から巻くと、ウエストとスカートに自然なギャザーが寄って、エレガントな雰囲気にな」


「んまあ!んまあ!んまあ! わたし、ちょっと着てみるわ」


「あーあ、行っちゃった……伯母上はどう? 何とかなりそう?」


「はい、ミチイル様。何とでも致します」


「ハハ 施政者は大変だ。特に伯母上は、ケルビーン家に居た時も、嫁いでからも、家を取り仕切っているもんね。今だって、こうして長旅までして……来るときは、野宿とかするの?」


「はい、途中で二日ほど、夜を明かしました」


「水も大変だって聞いたし、本当に本当に、お疲れ様です……でも、帰りは不自由なく一泊だけでセルフィンに着くよ。そして、これからもずっと。もっと気軽にこの国に来れて、セルフィンにも行けるようにするからね」


「本当に、ありがとう存じます、ミチイル様」


「お~ま~た~せ! どうかしら? 鏡でみたら、とってもとってもステキだったのだけれど!」


「うん、清楚な感じで、貴婦人っぽいよ」


「マリア、あなた本当に美しいままなのね……わたくしと4歳しか違わないのに……」


「……(え? うっそ? カンナの少し下くらいかと思ったよ)……伯母上も、食糧事情が良くなって、毎日お風呂に入って、色々ケアすれば、美しさを取り戻すと思う」


「ええ、そうよお姉様。カンナだって、美魔女って言われているのよ。歳をとるどころか、若返ってるわ!」


「ありがとう存じます」


「じゃあ母上、僕、お菓子でも作ってるから、後でサロンでお茶でもしようね、伯母上も」




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