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1-58 中央工業団地

中央工業団地の用地に来た。


先日は、運輸部と服飾工場を作ったけど、今日は、服飾工場の東に交流センターを作ろうと思う。


交流センターって名前にしたけど、中身は保育所。今は、各家庭とかご近所で子供の面倒を見ているらしいけど、女性たちが服飾工場で勤務するようになったら、子供の面倒を見てくれる人がいないと困るからね。


ここで子供を一手にあずかる施設として用意。でも保育所っていうと、他に使い回しもできないしね、近所の年寄りとかが子供の面倒を見てくれていたりするって話だったから、なら、子供とお年寄りを一緒に集めて、一か所で過ごしてもらおうと思ったの。そうすれば、隣や近くで働いている女性たちも、何かあれば子供の様子を見に来れるしね、子供に異変があっても、隣近所の母親に知らせやすいし。


うまく機能するかどうかはわからないけど、とりあえず作ってみよう。


といっても、服飾工場で作った、福利厚生施設に交流ルームを何部屋か足すだけなんだけどね。なので、キッチン、広い食堂、洗濯室、トイレ、燃料庫、風呂場を10室に、交流ルームとして、オープンな教室タイプの部屋を10部屋接続。奥行きが長い長方形の建物になった。これで300人くらいは同時に過ごせると思う。風呂やトイレが足りなくなるなら、その時に増築すればいいしね。


そして、その東隣には、調味料工場を作る。服飾工場に次いで働く人が多くなりそうだから、交流センターの隣にしよう。


ここで、各種調味料、砂糖、塩、酢、ワイン酢、ケチャップ、ドレッシング、練乳、脱脂粉乳、粉ミルク、生クリーム、バター、菜種油、行燈油、綿実油、グレープシードオイル、椿油、片栗粉、乾燥昆布、乾燥ワカメ、そしてこれから増えていく調味料類は全部、ここで製造。


建物は、給食センターを5つくらい繋げた建物にした。食堂部分を作業場にして、保管倉庫や梱包場、入出荷センターもつくる。ここにももちろん福利厚生施設を併設した。


そして、その東隣に、穀物工場。ここで、各種穀物の製粉業務を全部。そして、将来は製麺所も併設予定。さらに、番茶、緑茶、紅茶の製造もここでおこなう。この建物は、給食センターに作業場いくつかと保管場、そして巨大倉庫、入出荷センター、福利厚生施設を併設。


そして、その東隣には、パン工場予定地。ここは製菓工場も兼ねる予定。


そして、その東隣は、発酵工場。ラム酒、ワイン、味噌、醤油、味醂、チーズ、酵母菌、麹菌、など、酢以外の発酵関係はここ。酢は、他の発酵菌と相性が最悪だからね、ここでは作らないで、調味料工場で作る。建物は給食センター、作業場、保管場、倉庫、酒蔵、酵母培養施設、麹菌培養施設、チーズ蔵に、倉庫、入出荷センターと小規模な福利厚生施設。


そして、その東隣は、レストラン。給食センターを発展させて、レストランにしようと思う。思うけど、建物は給食センターと同じ。給食センターを三つくらい並べて、食堂は5つくらい繋げて、客用のトイレと、ミニ福利厚生施設を併設。


ここのレストランでは、調味料とか他の業務はせずに、純粋に食事だけ提供、同時に100人くらいが席に着ける施設にする。そうは言っても、メニューはやっぱり日替わり一種類だけになるとは思うけどね。選べるメニューにする余裕はないと思うし。


そして、最後の区画は、男爵家の敷地以外の部分で、日用雑貨工場。ここで、石鹸などを作る。っていうか、今のところ、石鹸しかないけどね。将来はわからないから、一応作っておくよ。と言っても、給食センターの建物に作業所と保管庫とミニ福利厚生施設を併設するだけだけどね。


さ、これで、中央工業団地の南側、南北街道に接する面は、すべてラインナップ完了。


逆からも説明すると、一番東から、大公家別邸~ジェームズ邸&日用雑貨工場~レストラン~発酵工場~パン工場予定地~穀物工場~調味料工場~交流センター~服飾工場~運輸部本部の合計10種の工業団地となった。一つの敷地が1ヘクタールだから、工業団地の東から西まで1km。公国の女性でも10分もかからず歩ける距離。僕でも15分くらいだからね。


西端の運輸部本部と服飾工場以外の北側30ヘクタールほどは、全て空き地。当面は使わないだろう。現状でも、かなり将来を見越したオーバースペックな工業団地だからね。


しかし、今日はもう何もできないくらい疲れた。


給食センターと福利厚生施設に関しては、イメージがパターン化できているから、一度で全部建てられるんだけどね、後の微調整とかは、その都度やらないといけないし。


ま、チートなんだから、文句をいうこともできないけどね。こんなの現代の地球でさえ同時進行でやっても1年くらいかかるでしょ。それが僕独りで一日だもん。ファンタジー世界じゃないと、ありえないよね……


とりあえず、別邸に帰ろう。




***



別邸に戻ってから、ご飯も食べずに次の日の朝まで寝ちゃったよ。


母上にしこたま怒られちゃった。大きくなったとはいえ、まだまだ子供なんだから無理はするな、何日も何週間もかけて建てればいいじゃない、ってさ。


全く持って正論だから、謝るしかなかったよ。


後は、各工場の説明を母上にして、人の采配は、貴女会でしてもらうことにした。


僕は抜け殻状態だったからね……


でも、小麦粉とパン、麺、オーブン、まだまだやる事があるよ。


そして、次回からメニュー開発は、日用雑貨工場で行う事になった。現状、ほとんど使わないしね。


中央工業団地で、砂糖やらワインやらなんやらも作ることには一応したけど、現在、現地で行っている各種の製造は、基本的に現地でも継続する。今まで現地で保管していたものは、仕込み次第すぐに中央工業団地へ移動し、そこで保管、製品化。製造が現地で収まらなくなったら、原料を中央工業団地へ運んで、製造を開始することに。ま、当面は現地生産で足りると思う。


なので、中央工業団地の食品関係の機能としては、主に製品化、包装、保管、流通などが主になると思う。


でも、燻製関係は、煙も出るしね、中央に移動させる予定はない。畜産関係も、市街地に近すぎるとどうかと思うから、今のまま。


ま、これで当面は進めていって、もし、不都合が生じたら、その時々に考えよう。




***




そんなこんなで時は過ぎ、皆がバタバタしながらも、新製造体制は形になってきたらしい。


公国内の流通は一元化され、効率が良くなった半面、常に荷車が南北街道を行き交っている。でも、北部と中央、南の畑と中央、みたいな感じで、中央工業団地が物流センター化しているから、製品の物流量の割には、無駄が減って全体の移動距離は短くなったみたい。牛も御者も余裕が残っているらしいから、使い終わった容器なんかを全部中央に集めてリユースする体制も整えることに。


そして、公国では週休一日を全体で導入した。中央工業団地の従業員は週に一日、一斉に休み。他の農業部や運輸部や職人たちなんかは、シフトを組んで交代で休みを取ってもらう。完全には徹底されないかも知れないけどね、始めることも大事。


ま、休みがあっても娯楽がないから、することも無いんだけどね……中央工業団地が一斉休業してても、福利厚生施設は開放してるから、休日に風呂でも入ってゆっくりして欲しい。


中央工業団地以外では……畑も順調だし家畜関係も順調。金属も取り放題、木材と燃料は使いたい放題、ブドウ畑も、茶の木畑も、テンサイ畑も、さらに広くなった。山椒は使用量が少ないのでそのまま。南の畑や北部工業団地には行ってないけど、好きにやってるんじゃないかな。


そして、ワインには火入れをすることになった。ワイン酢にするぶんは非加熱だけど、今は酢をつくるようになったからね、ワインが片っ端からワイン酢になったら困るから。ワインの火入れは、もちろん圧力鍋魔法。これは魔力を流し続けないといけないから難しいの。北部で出来ない場合は、中央の醸造工場で行う事にしたよ。


あ、そうそう、桐の森とブドウ畑の間のアタシーノ川に、橋がかかったよ。


予定通り、橋げたとなる大きな漬物石の上に、保護のための油を塗って表面に溝を掘った竹材を渡して、荷車がすれ違える橋になった。欄干とかはないけど、ま、落ちても死にはしないと思う。急流じゃないからね。


そして、公都の中にも幅は狭いけど同じような橋が数本かかった。せっかく橋がかかったのに人もまばらで、公都は、以前よりもさらに閑散とした雰囲気になっちゃったよ。そりゃ、何百人も中央工業団地で働いているしね、子供や年寄りは交流センターで屯っているし……


でも、一番良かったことがあるの。


それは、お風呂に入れる平民が増えた事。


大規模な浴槽と給湯設備を作れないからね、公衆浴場は無理なんだけど、中央工業団地の各工場に、福利厚生施設を併設してあるから、少し大きめ石浴槽の風呂場が各工場合計で50室以上あるのね。手間暇はかかるけど、そこを公衆浴場代わりにして、平民が自由にお風呂に入れるようになった。


もともと病気はない世界だけど、清潔にする方がいいに決まっているしね、トイレも、さすがに自宅からは来ないけど、中央工業団地に滞在中は建物のトイレを使うようになって、みんな家の近くにもトイレが欲しくなったらしい。


うーん、公都にトイレをチマチマ作ってもね、収拾がつかなくなっちゃうから、良く考えないと。衛生問題で疫病が蔓延している訳ではないしね……


考えがまとまらない……ちょっと僕、疲れがたまっている気がするから、しばらくゆっくりしようと思う。




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