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1-37 8歳になった

そんなこんなで8歳になった。


家畜農場も至って順調。飼料も不足していないし、北にも飼料畑も作ったし。


そして、平民にも肉と卵が行きわたってきている。


平民の場合、家に冷蔵庫がないから、肉は燻製や腸詰など加工肉がメインで、卵をスープに入れたりしているが、大公屋敷では、塩とレモンバームでステーキなども食べ始めた。


もう少し、ハーブなどを増やしてもいいかも知れない。


胡椒が欲しいな……今は無理かな。


そういえば、ネギを品種改良したときに、ニンニクとかになりそうな感じのものも、有ったような気がするが、とりあえず置いておこう。


家畜の皮を利用した製品も増えてきた。


牛一頭まるまる使った敷物や、刃物などをしまうための鞘などの他、なんと、靴も作り始めた。まだ、サンダルとかスリッパみたいなものだけど。


今まで、リネンの布を足に巻いて縛って靴代わりにしてたからね、それよりは全然いいよね。


針も作れるようになったから、皮製品用に大きい針もでき、皮も縫えるようになったのだ。


皮製品は、北の家畜農場で男たちが作っている。


なんか、家畜繋がり?で相性がいいみたいよ、土木部と。部署名と乖離が激しくなってきたから、細分化の必要があるかも知れない。


そして、鶏の羽も使い始めた。


大きい布の四辺を縫って、中に羽毛を詰め、そう、なんと羽毛布団だ! ま、羽毛よりも羽の方が多く入っているんだけど……でも、牛の毛皮を敷いて羽毛布団を被って寝られるなんて、夢みたい!


服飾部も、魔法を使える人が結構増えたらしいからね。公国では、多くの人がもう作務衣を着ているもん。


文明が着実に進んできたのを感じる毎日。


で、平民も料理というものに慣れてきたし、ここらで食の革命をば!


食堂をつくろう!


ドンドンパフパフ




***




大公屋敷前の教会にやってきた。


この隣に食堂を作ろうと思う。


食堂って言っても、商売をする訳じゃない。貨幣経済が無いし共産社会だからね、食堂を作っても、営業はするけど、公国民がタダで食べられるようにすると思う。


でも、同じ人が毎日来たら、みんなが食べられないからね、当面は月に一回とか、そんな感じで食堂利用権を設定しよう。


僕じゃ全然わからないから、その管理はカンナに任せようかな……服飾部は、多くの主婦が所属しているからね!


隣組みたいに、ご近所とか把握しているはず。


ま、ともかく、食堂だ!




***




「ミチイル様、ここに何ができるのでしょうか?」


「うん、食堂を作ろうと思ってるんだ、ジョーン。この食堂はね、ジョーンに管理者をやってもらおうと思っているの」


「食堂、とは……食事を提供するところ?と思い浮かんだのですが、実際、見たことも聞いたこともありません……」


「うん、世界初になると思うよ。ここでね、食事を作って、民に食べてもらうの。公国も食べ物がとても増えたでしょ? でも料理の仕方はみんな良くわからないしね、ここで料理を広めるの。ジョーンも部下を使ってね、ここで料理を教えたり、新しい料理を作ったり、みんなに食べてもらったりして欲しいんだ」


「そのような大役、私にできるかどうか……」


「大丈夫だと思う。ジョーンは料理が好きだしね、それに、料理の時に使う魔法も上手でしょ? なにせジョーンは最初期から無意識に魔法を使っていたからね! エデン人への恨みを乾燥マッツァにぶつけてたの、僕、びっくりしたもんね!」


「お恥ずかしいです……ですが、ミチイル様のご指示にしたがって、微力を尽くしたいと思います」


「うん、大公家の食事も食堂で作ればいいしね。屋敷は目の前だから、すぐに運べるでしょ? そうすれば、屋敷の仕事はしなくてもいいと思うし。掃除とかは平民の使用人で足りるだろうからね。食堂の管理者は、信頼できる人じゃないと困るんだ……悪いけど、お願いね~ じゃ、少しここで待ってて~ 」




***




食堂に必要なのは、まず……食料の保管が必要だよね。大きい冷蔵庫、冷蔵ルームを設置しよう。


後は、流し台。水道を引いて、排水だね。水道はそうめん水道管だし、排水は、川に流すわけにはいかないから、地面を掘って、少し南に浸透桝でも設置しよう。少し行けば水無川になるくらいのエリアなんだから、問題ないはず。流し台も、何気に世界初かもね。


それに、調理台でしょ、たくさん調理すると思うし、大人数で作業もすると思うし、新しい料理の開発とか、料理教室とかね、いずれにしても、かなり大型の調理台を複数設置しよう。


そして、かまど、だよねぇ。


電気もガスも無いしね、どうしよ。ま、どうするもこうするも、火を燃やすんだけどさ、七輪を並べるだけじゃ能力が不足するよねぇ。やっぱり、薪を燃やす大きいかまどを複数作ろう。ご飯を炊く用とスープ用に大鍋が使えるようにしよう。


後、フライパンで肉を焼いたり炒めたりするのに、地球のガスコンロ代わりに、これは七輪をいくつも並べよう。燃料庫も必要だね。


燃料は、籾殻炭がメインに、葉物野菜の茎コンポスト燃料、かな。オガ炭は生産量が少ないからね、新たに使えない。燃料が足りなくなったら、ぶっちゃけ、燃料用に葉物野菜畑を増やしてもらおう。育てるのは手間もいらないし簡単だしね。


建物の窓とか玄関入口には、板戸をつけよう。桐も少しは使えるしね。誰も居ない間に出入り自由だと不測の事態が生じるかも知れないから。


でも、板戸とか鎧戸とか扉とかさ、どうやって作ったらいいんだろう……蝶番とかさ、僕、わかんない。ま、作ってから考えよ。


あ、窓とか塞いだら、排煙設備がいるな。中で火を燃やすんだもんね。


後、食べるところは石の台に石のベンチでも作ればいいでしょ。


そうそう、カトラリーとかって、大公家では使い始めたけど、民はどうしてるのかな……とりあえずわかんないから、フォークとスプーンとナイフと食器も、銅で全部作ればいいかな……


「ふぅ。イメージはだいたい完成したけどさ、かなり大きな建物になるよね。厨房だけでも教会くらいの大きさが必要かな。うん。これじゃ食堂というよりも、給食センターだよね」




***




――給食センタースキルが使えるようになりました。防犯対策済み給食センターを設置できます




***




「ぼうはんたいさくずみ……なにそれ……でもなんか、都合が良い響きだし、考えない様にしよう」


「じゃ、そろそろ行こうか! 『給食センタースキルで、世界初の最先端レストラン!』  ドカーンとどうぞ! 」




***




――ピッカリンコ ドドドドン




***




「ほえー、何ということでしょう! ご都合主義バンザイ!」


「ミ、ミチイル様……このような大きな建物が……」


「うん、中へ入ってみよう、って! 両開きの桐玄関扉がついてて錠前まで完備なんだけど!」


「ミチイル様、このような扉は初めて見ました。きっと、エデンの王宮でもありませんよ……」


「ハハ だろうねぇ。あ、ここにぶら下がっているのが錠前のカギ、だね。ジョーン、この金属の棒みたいなのをね、この錠前の穴に入れて押してみて」


「は、はい。……」


シャコン


「お、鍵が開いたね。これから食堂を使い終わったらね、この鍵で扉を閉めてね。そうすると、勝手に人が入れなくなるからね」


「こ、これはものすごいものですね……お屋敷にも必要かも知れません」


「ハハ そうかもね。でも、盗むものもないでしょ。あ、そうだ、ドン爺たちに見せて、同じものが作れるように研究してもらおう。もしドン爺とかが来たら、鍵も渡して見せてあげて、ジョーン」


「かしこまりました」


「じゃあ、扉についている金属の輪っかを引いて、扉を開けてくれる?」


「少々お待ちください。あ、板を持ち上げて取り外してもいないのに、ススーっとズレました」


「うん、これが扉ね。じゃ、中にはいろうか」




***




「ここは、みんなが食事するところ。石だけど大きなテーブルとベンチがあるよ」


「あ、窓にも両開きの桐扉があるね。これは内側につっかえ棒をかませて閉めるタイプね」


「さあ! いよいよキッチンだ!」




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