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3-11 家具革命

さて、今日は懸念事項の、離宮の家具を一新しよう。


まず、母上用だけど、白い家具で猫足タイプがいいよね、サンルームのも喜んでいたし。えっと、ベッドでしょ、ベッドはヘッドボードに宮と電球もつけちゃおう。電球にはガラスでカバーでもつけようかな。えっと、ユリの花みたいな感じの白色ガラスカバーを作って、縁に向かってグラデーションでピンク色にしよう。桃の花で食紅魔法で行けるし。うん、とってもエレガントでおしゃれにできた! 完全にお姫様のベッドだね……僕が18歳だから、母上は……36歳くらいだけど……


後は、大きなクローゼットでしょ、これも白に猫足、そして小さいテーブルも椅子も白の猫足、あ、ドレッサーなんかも作ってあげようかな。クローゼットの隣に姿見は良いとしてもさ、ドレッサーとか喜ぶだろうし。ドレッサーも同じ白色猫足シリーズで、下は収納、上は鏡で、その上には小さい電球をつけてあげようっと。これで、明るく顔が見えるよね。


そう言えば……型押し魔法で模様とかつけられるんじゃないかな。ベッドのランプをユリにしたから、ユリの花のモチーフを型押しして、家具に模様もつけてあげよう。あ、ソファというか、カウチソファを作ろうかな。なかなか姫っぽくていいじゃん! 座面と背面は、牛革を白色にしたらステキでしょ。えっと、晒ふきん魔法で布が作れるんだから革もいけるよね、型抜き魔法に食紅魔法でしょ、いや、職人は再現できないかも知れないけど、僕なら細かい魔法を考えなくても作れるんだよね……でも、一応手順も考えよう。座面とかの革は、密閉シーラー魔法で接着するとして、座面とかのクッションの中身は、堅い綿に、フェルト、かな。フェルトはオーベルジュスキルで作れたんだから、あるんだよね。えっと、牛の毛の柔らかい部分を用意して……不織布なんだから、キッチンペーパー魔法でいけるんじゃないかな。紙じゃ無いけどさ、作り方は同じような不織布みたいなもんじゃない?


『はい、救い主様』


「ああ、アイちゃん、キッチンペーパー魔法で不織布も行けるよね~」


『はい、繊維を集めて接着するのですから、原理は同じであると愚考致します』


「でしょ~ 僕もそうじゃないかと思ったんだ~ ま、僕は無詠唱でイメージで何でも作れることが多いけどさ、できれば職人にも作って欲しいもんね!」


『救い主様の、御心のままに』


「さてさて、カウチソファだね。白い木製猫足カウチに、座面と背面はフェルトと固綿を詰めて、白色牛革を張っちゃいます! 出でよ、カウチ!」


ピカッ ドスン


「アハハ できたできた~ これで、母上の部屋の家具は、白色猫足リリーシリーズ姫家具に統一ね! さて、応接室は、同じ感じで模様は無くして、シックにダークブラウンで統一した、応接セットを作ろう。サロンは……母上が使うからなあ……ま、姫家具にしておこうか。ミニシャンデリアもついているしね、姫家具でティーテーブルセットをいくつかと、ソファも置いておこう。そして僕の部屋は……ま、何でもいいや。シンプルに色も付けない普通の竹の家具にして置こう。今までのを使ってもいいけどさ、どうせなら全部、新調しちゃうさ、僕が作るんだもんね。あ、そうそう、マーちゃんとかクーちゃんとかは家具は必要?」


「ぼくはもちろん、ひつようありません! クーちゃんもおなじだとおもいまーす」


「そっか、まあ、そうだよね。んじゃ、客室は普通のダークブラウンの家具にしておいて、あ、ダイニングもダークブラウンの大きなダイニングセットにしよう。落ち着いた色がいいしね、白だと汚れも目立つしさ。さて、これで離宮の家具は全部揃った! 交換しようっと」




***




「母上~ 家具ができたから、取り換えるよ~」


「あらあら、結構早かったのね!」


「うん。もう今までの家具は仕舞ってもいい? クローゼットくらいかな、中身があるのは」


「ええそうね。それと寝具かしら」


「うん。一緒に仕舞っちゃって、後で出そう。じゃ行くよ! はいクローゼット! カウチソファ! テーブルセット! ドレッサーにベッド! そんで寝具とクローゼットの中身を入れて、はい、完成!」


「んまあ! んまあ! これはなに! とってもステキじゃない! 全部白いし、何かのお花かしら、お花の模様が! それにこのベッド! ベッドにも棚とガラスのお花が咲いているわ! なんてエレガントなのかしら!」


「うん、ベッドの花はね、電球だよ。ぼちっとな」


「きゃーー! なんて、なんて、なんてステキ! 桃の花色……じゃなかったわ、ピンクね! 薄いピンク色の明かりが!」


「うん、いい感じでしょ」


「それに、この鏡付きのテーブル!」


「うん。これはドレッサーと言ってね、ここに座って化粧水をつけたり髪を梳かしたり、電気もつくからね、明るいよ」


「ああ! わたし、もう女神様の元へ旅立ちそうよ!」


「いや、せっかくの姫家具を使ってからにしてよ。あ、姿見も出さなくちゃ。はい!」


「まあ! 本当にステキね……こんなステキな家具、夢にも見たことが無いわ! ミチイル、ありがとう!」


「まあ、喜んでくれて良かったよ。サロンの家具も、同じ感じにしておいたからね」


「それは! 貴女会で大変な事になりそうね!」


「うん。なにせ、この世界初の姫家具だからね」


「ミチイル、その姫家具とは何かしら」


「うん、僕が勝手に言っているだけだけどね。王女様とか姫様が好きそうな家具。母上は、元は姫様だから、ぴったりでしょ」


「んもう! でも、こんなにステキな家具に囲まれて暮らせるなら、いいわ!」


「んじゃ、これで離宮は当面完成かな。後は、暮らして行って何かが足りなくなったら、その都度、考えよう」


「そうね、今で充分だけれど、先の事は分からないわね」


「うん」


「それでミチイル、この家具は職人達にも作らせるのかしら」


「うん、研究とかして欲しいしね、一応見本を渡して、魔法も教えるよ。でもさ、貴族家くらいの需要しか無いだろうからね、かなり作るのも大変なんじゃないかって気がするからさ、少量でいいかなと思う。でも、色はダークブラウンとか木の色そのままとか、そういうのにしてもらうかも。ちょっと白色はさ、あまりにもエレガント過ぎるからね、母上専用にしてもいいよ」


「まあ! わたしのミチイルってば、とっても親孝行ね!」


「ハハ ところでさ、アトリエとかはどうするの? 今はテーブルとかだけでしょ?」


「そうね、大きなテーブルと椅子と、そうね、壁に棚があると、便利だと思うのだけれど」


「じゃ、アトリエも改修しようかな。アトリエ行こ!」


「ええ」


「えっと、随分と布が……ん? 何か絹?化繊?綿じゃない布があるけど」


「ええ、クーちゃんに貰ったのよ。クーちゃん達、布も作れるし、糸も作れるし、ドレスも作れるのですって!」


「ああ、そう言えば、そんな事も言っていたような……」


「とってもステキな布なの! 薄くてキラキラ光っていてね、しなやかで肌触りもよくて、すべすべしているのよ。これでドレスを作ったら、どんなにステキかしら!」


「だろうね。そもそも貴婦人のドレスは、そういう布で作るもんだし」


「そうだったの! カナンに来なかったら、ずっと知らないままだったわね。この布は、クーちゃんしか作れないんですもの」


「ああ、クーちゃんの糸……かな。でも確か、虫の糸もあるって言ってた気がするけど」


「ええ、眷属が着ている黒いドレスは、虫の糸からできているのですって」


「でも、この世界は虫とかも居なかったのに……ま、カナンなら分からなかったもんね、大陸には居ない生き物が居ても不思議ではない……ああ! まだ北の方は確認して無かったんだった! 湖とか植物とか! 確認しなくちゃ!」


「何か新しい物でもあるのかしらね。そういえば、クーちゃんは何か、木の実をたくさん用意してくれていたのでは無かったかしら」


「そうなの?」


「ええ。救い主が来るからと言って、とてもたくさんの木の実を用意したって言っていたわよ」


「えっと……そうなんだ。人間が食べられるものなのかな」


「わからないわ。後で訊いてみたらどうかしら」


「うん、そうしよう。じゃあ、大きなテーブルと、椅子を何脚かと、そうだ、こっち側の壁は全部、収納棚にしよう。棚に扉は必要? あるとすっきりするけど、いちいち開け閉めが面倒なのと、在庫の確認がしにくいんだけど」


「それなら、扉は無くてもいいわ」


「んじゃ、タークブラウンで全部作るね。色が明るいと目が疲れるからね」


「わかったわ!」


「では、ピカピカピカッ! はい、完成」


「まあ! 壁が一面、床から天井までの棚じゃない! たっぷり物が入れられるし、こうやって棚があるのも、なんだかステキね」


「そうだね、図書室とかを思い出すけど、この世界は本が無いからね……作ろうと思えば作れるけどさ、カタカナだけの本を作っても、読みにくいしね」


「良くわからないけれど、ミチイルの好きにすればいいわ」


「うん。で、今日の晩御飯はどうする?」


「唐突ねえ……まあ、それならミチイルに任せるわ!」


「ハハ んじゃ、適当に作っておくね」


「お願いね! うふふ、わたしはお部屋に行って姫家具を眺めましょうっと!」




***




さて、今日の晩御飯は……どうしようかな……まだ作って無いものにしよう。えっと、まずは牛肉を大きめに切って、フランベ魔法で表面に焼目をつける。そして、ニンジンとタマネギも皮むき器魔法してから、スライサー魔法で大きめに切る。切った野菜を銅鍋でバター炒めして、そこに、焼目をつけた牛肉も入れるでしょ、そんでコンソメとトマトペーストと、ワインにウスターソースにリンゴペーストも入れて、圧力鍋魔法でたっぷり時間で加熱。別の鍋に砂糖と水を少し入れて濃い目のカラメルをつくって湯で薄めて、そこにバターと薄力粉を入れて、弱火で炒めてブラウン色のルーを作ったら、さっきの具材の鍋に、適量の水と共に投入、ダマにならないように混ぜながら、ゆっくり煮込めば、ビーフシチューの、完成です!


後は、ナスを食べやすい大きさにスライサー魔法で乱切り、これに菜種油をまぶしてから、圧力鍋魔法でさっと加熱。ナスが柔らかくなったら、急いで冷蔵庫スキルでキンキンに冷やす。急いで冷やさないと、ナスの色が悪くなるからね。ナスがキレイな紫色のまま冷えたら、そこに乱切りトマトと、輪切りのキュウリも入れて、甘酢を回しかけてスライスオニオンを混ぜたら、夏野菜のサラダの、完成です! ま、季節も無いから、夏野菜も何もないんだけどね。


後は、パンでもいいけど、僕はやっぱりご飯かな。お米を研いだら、水加減をして、塩を少々にバターも適当に入れて、炊飯器魔法。春菊を干物魔法でカラカラに乾燥させてから、スライサー魔法でみじん切りにして、炊きあがったご飯に少し振りかけたら、バターライスの、完成です!




***



「ミチイル~ とってもいい匂いが漂っているのだけれど」


「あ、母上、もういいの?」


「ええ、それはいいのだけれど、美味しそうな匂いなのよ!」


「まあね。そう言えば、レンジフードも付けたけど、あまり効果が無いのかな」


「私の部屋の窓から、いい匂いが入ってくるのですもの!」


「あ、キッチンから外に排気してるもんね、母上の部屋は隣だし、そりゃ匂いも行くか~ ガラス窓になったんだから、窓を閉めておけばいいんじゃない?」


「だって、せっかくの森の中なんですもの、窓を開けて外の空気をお部屋に入れたいでしょう?」


「ま、そうか。じゃ、諦めてよ。キッチンは料理するための空間だからさ」


「それもそうね! それより、いい匂いなの!」


「はいはい、今日はビーフシチューね。世界初だよ!」


「まあ、楽しみね!」




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