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異世界と12の召喚獣  作者: ドンサン
魔王になった

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実演実食②

無理矢理連れてきたフローレの領主と別れ、会場の確認をする。

機材は一通り揃っているおり、作業スペースは2つあるが材料はどこにもない。

やはり自分でなんとかする必要があるようだ。


先日の即席でやった、魔族領のバーガーでもいいが、今回は人族に合わせたいと思っている。

熊の獣人、エルメスに連絡して必要なものを配達してもらうことにした。


配達に時間はかからなかった。

時間はかからなかったが、少し街を騒がしてしまった。

エルメスの荷物を配達するのは龍族。引き取りは街の外で行ったが、魔族領と違って、人族領では龍が当たり前に飛んでいるわけではない。

街の中で警報が鳴り、避難のアナウンスがかかっているのを無視して、会場となる厨房へ戻る。


2つある作業スペースのうちの1つが使用中のままだが人はいない。

空いているもう1つでおれは作業にはいる。


普通のハンバーガーを作るつもりだったが、この街には柔らかいパンがあるらしいので、あえて歯応えのあるものを作る。


粉、砂糖、塩、イースト、水と白ごま油を全部一気に混ぜる。

生地がまとまったら少し待つ間に肉を仕込む。人族領で一般的に食されている鳥肉を使う。

パン生地の準備が整ったら、ドーナツ型にして茹でる。

パンが茹で上がったら準備は完了。

後は時間になるのを待つだけ。


日が沈み、領主が入ってきた。


「おまえ…ここでなにしてるんだ?」


フローレ領主が意味不明なことを言った。

夕飯に備えて、ここでハンバーガーを作れと言われたから、後は肉やいて挟むだけ、の状態で待機しているのだ。

言われたことをやって、次の指示待ちだというのに、むしろ領主は何しに来たか疑問だ。


「避難のアナウンス聞いてなかったのか?数時間前に現れたドラゴンに備えて、地下の街へみんな避難してるぞ。」


「パーティーは?」


おれの質問にフローレ領主は目を丸くした。


「あるわけないだろ。貴族は地下街の下にある深層街にいる。非戦闘員は地下街、戦闘員のみ地上に残るんだよ。戦えないやつは地下へ行け」


おれは1つバーガーを完成させて、領主に渡した。

領主は受け取ったがすぐには食べなかった。


「おまえと勝負するはずだったシェフも避難してるんだ。戦いは後日にしてやるから避難しろ」


一向に食べる気配はないので、誰でも食べれるように書き置きを残して会場を出る。


しかし、ドラゴンが絶対に攻めてこないのを知っているおれは地下街に行かない。

スーリの分身に伝言を伝えてもらうためにアーゴンへ送って、街を出た。



長かったが、北上して本命を目指す。

人族領へ強制的に送り込んだダイダロに会うため、ミツモリを目指す。

午前中に領主と行ったレースを思い出しながら、シュバルを走らせる。


ミツモリの象徴と言われる大きく白い山が見えてきた。

象徴と言われる大きな山は、雪で白くなっているが活火山らしく、噴火も珍しいことではないらしい。


山が見えて最初の街に泊まることにする。

食事処で聞いた話だと、ダイダロは火山のどこかに隠れ家があるという噂があるらしい。どこの街にも現れるらしく、この街にも先月来てたらしい。



翌日、太牙君とバインフーを連れて、一直線に火山へ向かう。

宿泊した街を出てすぐに地震が起きた。

あまりにも大きな揺れだったので、次に見えた村で止まった。


「坊っちゃん旅の途中かい?服着ねぇと死んじまうぞ。」


屋台で買い物中、店主が心配そうに声をかけてくれた。

少し世間話をすると話題は先ほどの地震のことになった。


「あまり山に近づかない方がいいぞ。さっきの揺れから、次の噴火が近いと村で話題になってる。この村も安全とは言えんからな。しっかり備えておけよ」


買い物を済ませたおれは、おじさんの気遣いに感謝しながら山を目指した。


無事山の麓にある街に着いたが、ここは城壁がしっかりしており、天井も覆われたドーム状になっている。


「おい子ども。親はいるか?」


「いない」


「身分証になるものは」


「ない」


「何しに来た」


「お腹空いた」


門番達は明らかに怪しい裸の子どもを、街に入れるか迷っていた。

すると、奥の部屋から大柄な男が来た。


「おれが対応しよう」


男はおれを奥の部屋へ連れていく。


「これ食え。」


男は部屋でおれを座らせると、ラーメンを出してきた。


「ミツモリではこの『ラーメン』というものが名物なんだ。種類もたくさんあって、各地で楽しめるぞ」


おれは遠慮なくラーメンをご馳走になった。

そのお返しにこの前提供予定だったハンバーガーの一部を、本に入れていたのでそれを渡す。


見たことないものなのだろう。男の視線はハンバーガーとおれを交互する。


「照り焼きチキンバーガー。パンだよ」


さらに驚く男は、バーガーを一口頬張った。


「うまっ」


一言漏らした後は無言になり、ハンバーガーを一心不乱に食した。


「街に入ることを許可しよう。宿はうちに泊まるといい。ちょうど同じくらいの子どももいるんだ。相手してやってくれ。そっちの連れもみんな一緒で大丈夫だからよ」


おれの後ろにいたバインフーや太牙くんとクテクも一緒に門番の男の家に泊まらせてもらうことになった。

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