決意
パトラが消えた後、残されたジュモの元へジェミニが近づいた。
ジェミニがジュモに両手を重ねると、2人は光って1匹のトンボとなった。
その後スーリがおれに話しかけくる。
「つかさ様、サージュの所へ行っていただけないですか?まずい状況でして‥」
おれは慌てて召喚しようとしたが失敗してしまう。
元々サージュは召喚しても応えてくれないことが多々あったが、スーリ曰くお店にいるらしいので急いで向かってみた。
「サージュ!」
お店に着くと燃える建物の側で横たわるサージュの姿があった。
「なんとか外には出せたんじゃけど、わしらじゃ傷の回復をしてやれんくての。」
ビテスはおれに頭を下げた。
だが、おれもどうすればいいか分からないから、ラパンを召喚する。
ラパンが言うには鬼の回復液とおれの魔力で元に戻るらしい。
おれは回復液をサージュにかけ、魔力を流すと、傷がみるみる消えていった。
「つかさ様、すみません。お店を…」
サージュは苦しそうに、泣きながらおれに謝ってきた。
「あんなのどうしようもできないっスよ」
スーリがサージュに近づいて慰める。
「私もみんなみたいに進化できていれば…」
サージュが再び気を失ったのを見て怒りがこみ上げてくる。
「おまえにおちどなんて、なんにもねぇよ。 人族ぶっ殺す」
パトラの遺言で止められてたが、我慢なんかできるわけがなかった。
ブレストに他の魔族がいるらしいから、サージュをラパンに任せて、合流するように指示を出した。
そしておれは、シュバルに乗って人族領へ向かった。
祠へ着いて、バッコを通りすぎようとすると、一言声をかけられた。
「別に止めはしないけど、選択に後悔しないようにしなよ。」
全く意味が分からなかったが、カロンの舟に乗って人族領に向かう。
舟が着いてセイロンがこちらを睨んでいるが無視して走り抜けようとしたところを、尻尾で攻撃された。
「今のおまえを通すわけがなかろう」
おれ的にはセイロンを倒す必要は無く、人族領に入れたら勝ちだから、魔神の神器でバフをかけて突破する。
不意をついて走りだし、一応の保険で風魔法をおいかぜに使って人族領に入った。
そう思っていたが、着いた先は真っ白な空間だった。
「お久しぶりです、碧様。今はつかさ様でしょうか。」
声が聞こえて振り返ると、メリーさんが立っていた。
「神器の収集ご苦労様です。想像以上に早く入手しましたね。まだ使いこなせてはいませんが、一応残り1つとなりましたので私からも送らせていただきます」
メリーさんはおれの指輪に触れて、その手をどかすと、指輪の形が変わっていた。
「これは7つ目の神器でございます。一応神王という立場を任されていますが、現状の6つもまだ十分に使えてないご様子ですので、今あるものを神器に変えさせていただきました」
状況についていけないまま、話が進んでいく。
「これで神器は7つ揃いました。碧くん、最初の約束を覚えているかな?世界を平和にしてください。頼みますよ」
人族領に戻ったっぽいが、見たことない土地だ。
メリーさんに会ったが、一言も話すこと無く神器だけが与えられて戻ってきた。
元に戻ってからも呆気にとられていると、シュバルから電気魔法を食らった。
「旦那なにしてるんすか。行きますぜ」
パトラを殺した張本人と、シャティロンを街ごと火事にした奴らを殺すために情報を集めることにする。
シュバルに乗ろうとすると、いつもより安定感を感じる。
シュバルをちゃんと見ると姿が変わっていた。
「シュバル、こんな姿あったっけ?」
心当たりのない姿に驚きながら直接聞いてみた。
「これっすか?進化したんすよ。たぶん旦那の進化に付随したものだと思いやす。早くパトラさんの仇を討ちに行きやしょう!」
おれの進化?
言ってることがよく分からないが、後回しにしてシュバルを走らせた。
すぐ近くの少し上空に、道のようなものを見つけてそこを走るようにシュバルに伝えた。
上からの方が情報を得やすいからだ。
広くきれいに舗装された道だが、おれら以外に通っている人はいないようだ。
しばらくシュバルを走らせていると、目の前に1台の車を発見した。
今まで人族領でも見たこと無かったが、こんな道があると車ぐらいいても不思議ではなかった。
(シュバルあれを止めて情報を聞くぞ)
念話で指示を出し、加速して車の前に回り込んだ。
車は急ブレーキをかけて停車して、2人の青年が降りてきた。
「おい!誰の許可を得てこの道を走ってるんだよ!」
「こっちは魔王討伐報酬でもらったこの車で、ストレスを発散してるとこだったんだぞ」
見つけた。
おれは刀を抜いて、斬撃を飛ばし、車を破壊した。
車に攻撃が当たる前に、1人の女が車から降りてきた。
「おまえ、なにするんだよ!ダイダロさんが作ってくれたのに」
こいつらが誰で車をくれたとかどうでもいい。サージュをあんな気持ちにさせやがって。 絶対に許さない。




