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異世界と12の召喚獣  作者: ドンサン
獣人の国
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4つ目の大陸

準備が整ったおれは、太牙くんに乗って出発した。

片方の肩にスーリ、反対の肩にはヤゴのジェミニがしがみついていて、腹部にはクテクがベルトの様に巻き付いてる。


こういう移動の度に転移の魔法が欲しくなる。

最初は道中も楽しいが、何度も往復すると飽きてくる。物の移動はできても、生き物が瞬間移動するのは神から与えられるスキルや神器のみらしい。

残念な事におれの数ある神器の中に、便利な移動スキルはない。

整理してみるとこうだ。



魔人神器 : パンツ。衣装を自由に変えれるが、他人からは見えず裸のままに見える。魔力を流すことで任意の機能を付与することができる。


鬼神神器 : 刃こぼれしない刀。6通りの姿に形を変えることができる。魔力を流して武器強化もできるが、今は練習中。


人神神器 : ヘアピン。一時的に召喚獣達とスキルの共有ができる。


龍神神器 : 首飾り。自分の影があれば影分身が使えるらしい。未だにちゃんと使ったことはないため、詳細は不明。


精霊宝具 : ピアス。精霊と契約できるようになるらしい。ヤゴのジェミニと契約中。



今から会いに行く獣神からは、移動系がもらえるとうれしいのだが、本来もらえるだけで嬉しいもの。欲を出してはいけないとは分かってはいつつ、つい欲してしまう。

移動系が一番欲しい…



太牙くんに乗って2日程で祠に到着した。

おれと太牙くんは祠に触れて中に入った。


「またおまえか。今日はどこに行くんだい?」


「じゅうじんのくに」


「それでそこの黒いのを連れてるのか。それならバインフーだったか。おまえのとこのも連れてっておくといい。カロン連れてってやんな」


おれと太牙くんは、バッコの後ろの池で待っているカロンと頼りない小舟に乗って出発した。



小舟が止まった広間には大きな岩がある。

そして岩がゆっくり回ると、岩から生えた顔と目があった。

驚いたおれは軽く会釈しておいたが、何も反応がない。


何も見なかった事にして、ゆっくり岩の横を通り抜けた。


「我が名はガンブー。」


この場を去るつもりでいたおれ達は、急な音に驚いて振り返った。


「おれはつかさ、こっちはたいがくん。このむこうにいってもいいかな?」


簡単に自己紹介をして、おれは先に進む許可を尋ねた。


「小さき者よ。 良き旅にならんことを」


許可が下りたと判断しておれ達は広間を後にした。



出た先は森の中。

周りの木々には木の実が宿り、豊かな自然で鳥達の鳴き声が聞こえる。


「サモン。スーリ、バインフー、クテク」


白い虎に股がって、肩にヤゴとネズミ、腰にはヘビを巻いて、黒い虎と森を散策した。

しかししばらく歩いても、人が住んでる集落を見つけられない。


これ以上召喚獣を出して、ぞろぞろ森を歩くのも変な気がして、もう少しこのまま散策を続けた。


日が落ち始めて、野宿できる場所を探していると茂みから物音が聞こえた。

ふと振り替えると、武器を構えた犬の獣人達だった。


「ハンス?」


つい見覚えのある顔だったので名前を口にしたら、犬の獣人達は武器を下ろしてくれた。


「ハンスを知っているのか?」


武器を下ろしたが、警戒を解いたわけではない。

おれは慎重に話す。


「ハンスとは、すこしのあいだ いっしょにいたことがある。ついおもいだして、なまえがでてしまっただけなんだ」


「ハンスはまだ元気にしてるのか?」


1人の犬人が聞いてきた。

おれが会ったのはかなり前だけど、その仲間は前回の人魔大戦で元気にしていたし、元気だろう。

とりあえず肯定しておいた。


犬人は安心したようにホッと一息ついて、胸を撫で下ろした。

その横にいた他の犬獣人が口を開く。


「おまえにはいくつか聞きたいことがあるからついてこい」


こっちも情報収集のため、素直についていく。

すこし歩いた場所に、犬の獣人達の簡易キャンプ場があって、そこの入り口で待たされることになった。

キャンプ場内を見回すと犬の他にも、鳥や熊の獣人達がいた。

すごい見られるけど、部外者だからそれは仕方ない。

だがおれがと言うよりは、太牙くんやバインフーが見られている気がする。


「ついてこい」


1人の犬人が来て、一番奥のテントに案内された。

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