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異世界と12の召喚獣  作者: ドンサン
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帰り道

シュザックとバッコに報告して魔族領に戻ってきた。

おれは荒野にシュバル、バインフー、スーリを召喚して、パトラは黒馬を召喚する。

スーリが手早く分身して3人の肩に乗り、おれ達は出発した。


3人で走っていると少し大きな岩にトカゲがいた。

この荒野で初めて生物を見たおれは、思わず二度見した。


違和感を感じながらも、精霊契約をして見えるようになったのだと思いそのまま進んだ。


「シュバル、バインフー。地面に足をつけるな。それとなにがあっても止まるな。分かったな」


パトラが唐突に指示を出した。

その理由はすぐに分かることになる。


なにも無かったはずの目の前の地面が、急に渦を巻き始めた。

パトラは渦の手前で止まり、シュバルとバインフーは指示通り魔法で宙を走っていたため、おれとアモーラはそのまま砂の渦を超える。

渦の中心に何かいたように見えたが、一瞬すぎて動くものとしか判断できなかった。


おれ達はパトラに言われた通り止まること無く進み続けたが、アモーラはパトラに向かって「魔王様~」と叫んでいた。


(すぐに戻ってきて合流するだろ)


内心そう思っているおれは、ただ前を向いて進んだ。

しばらく走って森に入った所で休憩をとることにした。

アモーラはまだ心配そうにしているのが、おれにはその気持ちが理解できない。


パトラを待っている間に暗くなってきたので、リックの土魔法で簡易的な家を作ってもらい、一眠りすることにした。



ドーーンという大きな音で目が覚めた。

外は暗いが激しく魔法を打つ音が聞こえる。

夜営中はラパン指揮のもと、従魔達に警護をお願いしていた。

その警備をしていたマチカとビテスが敵と応戦中だが、暗くて相手の姿を視認することが難しい。


おれは中から魔神の神器を使って、気配察知能力を高め、相手の人数を確認した。

この戦闘中でも気配を消しているのか、はっきり感じとることができなかった。


おれは外に出て、サージュ以外の従魔を全員召喚した。

すると、一瞬足が止まる音が聞こえて、後退しているのが分かった。

マチカが追おうとしたのを止めた。


「おうひつようはないから、2ひき1くみで、みまもりをおねがい。パトラがきてもおしえてね」


おれはラパンと建物の中に入って、説明をしてもらった。


「マチカの警備中に先程の者達が現れまして、応戦するためにビテスを召喚しました。戦闘を見た感じから、忍と呼ばれる者達でしょう。人族がこの魔族領にいる目的は不明ですが、数日は警戒しておく必要があると思います」


確かに人魔対戦以外で人族を見たのは始めてだ。

おれは再び眠りについた。


朝になったが、パトラはまだ来てないようだ。

仕方がないので、急いでシャティロンまで向かい、メリアスに相談することにした。


アモーラと一緒にシャティロンに戻ってきたおれは、真っ先にメリアスを探した。

シュバルからマチカに乗り換えて、メリアスの所に案内をしてもらう。


「メリアス!パトラがもどらないんだ」


メリアスに状況を説明した。

荒野でパトラと離れたこと、忍らしき者達から夜襲を受けたこと。


「夜襲の方は気になるね。すぐには何もないと思うけど、他のみんなにも伝えておくよ。パトラが相手にしてるのはたぶん守護霊だね。人と契約せずに、決まった場所を守る精霊のことだから、魔王が魔族領で守護霊にやられることはないよ」


やはり心配はいらないようだった。

おれはサージュのいるお店に行き、帰ったことを知らせた。


龍族の配達と、従魔達が交代で店番をしていてくれたらしく、何事もなかったどころか、むしろ大賑わいだったようだ。


「みんな、ありがとう」


おれはたぎつや、従魔達にお礼を伝え旅の疲れを癒すため、城の部屋に帰った。

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