表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界と12の召喚獣  作者: ドンサン
人族の領に立ち入ってみた
19/71

ただいま

何事も無く魔族領に帰ってきた。


「先に城に戻るから、ゆっくり帰っていいぞ。」


パトラは召喚したドラゴンに乗って、足早に去っていった。

状況が理解できないまま、おれは1人取り残された。

頭の整理が済んだ時大変な事に気づく。


「シャティロンってどっち」


とりあえずドラゴンが向かった方向に進むことにする。

もちろんシュバルのバイクモードで、服はツナギ。アクセルをしっかり回して荒野を一気に駆け抜ける。


どれだけ走っただろうか。

数百キロはすすんだが、やっと森が見えてきた。

森の中は、道が整備されてないから馬モードで進む。他のみんなも召喚した。サージュ以外のみんなと森の中を進んでいく。なぜだか、サージュは断ることが多い気がする。


ねずみのスーリは牛のアステリオに乗って、ヘビのクテクはおれの首に巻き付いている。魚のビテスはおれの背中。シュバルはおれを乗せて、進む。先頭を虎のバインフーに乗ったうさぎのラパンと、鳥のモンシューが歩いている。

だいぶ仲間も増えて大所帯になってきた。


ゆっくり森を進んでいると、大きなイノシシが現れた。

もう昔のように、逃げる必要はない。

バインフーとモンシューが手際よく対応してくれたので、昼休憩をとることにした。


「ラパン、シャティロンまでどれぐらいかな」


おれはミルクを飲みながらラパンに聞いた。

さっきのイノシシは、仲良くみんなで食べてもらってる。


「このペースだと、3時間程で帰れると思います。」


以外とまだかかるみたいだから、みんなに提案をしてみた。


「みんな、このもりでつよくなろう」


モンスターを狩りながら、戦闘経験を積んで帰ろうと考えた。

グループを分けて自由に向かうことにした。

召喚獣とおれはお互いの位置を把握できるから、最終的におれの所に帰ってくるように。


「おそくなりすぎないようにね。それじゃレッツゴー!」


おれの合図でみんな好き好きに移動した。

一応3体で1組だから、仲良くやってくれれば問題はないと思う。

グループ1

おれ クテク ビテス

グループ2

バインフー モンシュー ラパン

グループ3

スーリ アステリオ シュバル


足が無くなるのは不便だが、まだ新メンバーの2人はベテランと一緒の方が、お互いが安心できる。


おれはクテクを首に巻いて、ビテスを背負って森を進む。一応動きやすいように着替えておく。見た目はジャージ、スキルは敏捷、頑丈、自動回避、体力増加、これだけあれば十分でしょう。

喉が渇けばミルクを飲んみながら、木の実が落ちていれば本に収めながら先に進んでいく。


「まものとあえなくて、すこしたいくつだなぁ」


なぜか森を散策し始めて、一度も魔物と遭遇していない。

他のメンバーに取られているにしても、さすがに0はおかしい。

そんなことを考えているとようやく見えた。かなり遠いけど正面、角が生えた鹿だ。


おれは鹿に向かって全力で走った。

木々を抜けて、刀を構えて、一刀両断!

終わった。


「これだけ?」


一太刀で終わってしまった。

鹿は逃げも、戦いもせず、首を切られその場に倒れた。

訳がわからないまま、鹿を本に収納しておれ達は先に進む。


しばらく歩いてまた正面に魔物が現れた。今度は大型の熊。

鹿の時と同様、猛ダッシュで距離を詰めた。さっきと違うのは刀を抜いてない事だ。

熊に近づくと異変に気づく。

熊の周りをうろついたり、触ってみたりするのだが、熊が動く様子はない。

おれが熊を見ながら考えていると、首にいたクテクが熊に噛みついた。

クテクが得意そうにこちらを見てくる。

その理由はすぐに分かった。

大きな熊が動かずそのまま倒れたのだ。


「クテク、おまえのどくか!すごいな」


「クーーン」


クテクはおよだを滴しながら、高い声で返事をした。


「たべていいよ」


クテクはうれしそうに片腕の一部を歯で噛みちぎって、丸飲みした。

片腕の残った部分をビテスの水槽に入れると、こっちも旨そうに食べているので、少し休憩をとることにした。


この熊、倒れたのはきっと毒だろう。だけどその前に固まっていたのはなんだったのか。


その時!

上から物音がした。見上げると規格外にでかい虫の足が見えた。

クテクとおれで見ていると、虫が飛びかかってきた。

いや、降ってきた。

さっきまでは動いていたのに、鹿と熊同様、今は全く動く気配がない。

この大きなカブトムシを本に収納して、おれ達の休憩は終わった。


クテクが上機嫌なのが伝わってくる。

もしかすると、魔物の動きが止まるのはクテクの能力かもしれない。

ラパンと合流したら確認をしてみよう。


順調に進んでいると、森の終わりが見えてきた。

他のメンバーはまだ出てきてないので、日没まで待つことにする。


少し待つとスーリ、アステリオ、シュバルのグループがでてきた。


「おつかれさま。まものいた?」


おれらの遭遇率が低かったから、シュバルに聞いてみた。


「モー。しっかりやってきやしたぜ。スーリは隠密向きでして、アステリオは気張ってやした。」


問題なかったみたいでなによりです。

日が沈みかけてきた頃、残りが帰ってきた。


「おそかったな」


「すみません。運搬に苦労しまして」


よく見るとバインフーがロープを咥えて荷車を引っ張っていた。

荷車には複数の大型魔物が無造作に乗せられている。


「バインフーとモンシューが持って帰ると聞かなかったので… すみません。」


「キュルキュル」


「グルルゥ」


2匹は得意気に胸を張っている。

今気がついたが、真っ白だったバインフーは、黒い模様が増えて二回り程大きくなっている。

おれはラパン達が持ってきた魔物を本に収納して、シャティロンへ向かう。


こうして無事につかさ一行は、城にたどり着くことができた。

長旅の疲れからだろう、つかさは魔王の寝室で気絶するように就寝した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ