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日向隊員がふと見上げると、3階建てビルの屋上にほのかな光が。

「ビルの屋上に誰かいる?」

 日向隊員はビルへ小走りで向かいました。


 ビルの屋上。ペントハウスのドアは開けっ放しになってます。そこから日向隊員が出てきました。

 日向隊員ははっとしました。屋上の真ん中に天体望遠鏡がセットされていて、近くに1つの人影があります。暗闇にまばゆく光る巨大な1つの眼。明らかに女神隊員です。

「女神さん?」

 その声にはっとし、女神隊員は日向隊員を見ました。

「ん、日向さん、どうしたの?」

 日向隊員は女神隊員の方に歩きながら、

「どうも眠れなくって・・・」

 女神隊員はここで、

「寝ないといけないんじゃないの? 明日から学校でしょ」

 と言おうとしましたが、やめておきました。日向隊員はクラスメイトをイジメて自殺に追い込んだことがあります。日向隊員が学校に行くのはそれ以来。思うことがたくさんあって眠れないのは当然。女神隊員はここは黙っておくことにしました。

 女神隊員の側に来た日向隊員は、女神隊員に質問しました。

「天体観測ですか?」

「ふふ、昔1度だけ海老名さんとここで天体観測したことがあるんだ」

「へ~」

「ときどきこうやって天体望遠鏡を引っ張り出してきて、星を眺めてんの」

 日向隊員の首から下は海老名隊員の身体。このエピソードに日向隊員は大きく反応しました。で、女神隊員にまた質問。

「女神さんにとって海老名さんは、子どものような存在だったんですか?」

「あは、まさかあ。同僚よ、同僚」

 その回答に日向隊員の脳裏に更なる疑問が生まれ、またもや質問。

「女神さんは子どもがいたんですか?」

「いたわよ」

 ええ~?・・・ 日向隊員はこんな質問をしておきながら、女神隊員には子どもはいないと思ってました。だからこの応答は意外でした。女神隊員の応答が続きます。

「子どもが2人いたんだけど、母星に残してきたんだ。

 私の星では凶悪な宇宙人が攻めて来るという予言があって、たくさんの脱出用の宇宙船が造られたんだ。私はそのうちの1隻の船長キャプテンに任命されたんだ。けど、2人の子どもは母星に残してきたんだ」

 これはウソ。女神隊員は船長権限で自分の2人の子どもを脱出用宇宙船に乗せました。けど、その宇宙船はテレストリアルガード宇宙支部に撃墜されてしまい、女神隊員以外全滅してしまいました。つまり、2人の子どもは今この世には存在してないのです。

 以前この事実を隊長に教えたことがありましたが、それで気まずくなってしまい、その直後海老名隊員に同じ質問をされたときは、先ほど日向隊員に言ったウソと同じウソを教えてました。

 日向隊員は興味津々。

「へ~ どんな子どもだったんですか?」

「私と同じ1つ眼」

「あは、それは・・・」

 日向隊員は苦笑しました。で、また質問。

「子どもさんは女神さんみたいに巨大化するんですか?」

 女神隊員はちょこっと苦笑して、

「あはは、ムリムリ。私の星では数百万人に1人の割合で超常的な力を発揮する子どもが生まれるの。そのような人は、男性は神、女性は女神と言われるの」

「へ~ じゃ女神て名前は称号なんだ」

「私は生まれたときから不思議な力を発揮してたから、名前をもらう前から女神て呼ばれていたのよ。いつの間にかそれが本名になっちゃったの」

 女神隊員は視線をずらし、

「神や女神の子だからって、必ず神や女神になるとは限らないわ。一般の人より神や女神になる確率は高くなるけど、それでも数千人に1人って感じかな?」

「じゃ、女神さんの子どもは?」

「2人ともふつーの子」

「あは、そっか・・・」

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