仲間とは、尊敬の上に築かれる関係のこと。――2
放課後。約束した時間の一〇分前。
待ち合わせ場所である公園に到着すると、そこにはすでに天原さんがいた。鎧と大盾にレイピア――装備もきちんと調えられている。一目でやる気満々とわかる状態だ。
「待たせてごめん、天原さん」
「いえ。わたしが早く来すぎただけです。お気になさらず」
謝る俺に、天原さんは首を横に振った。
許してくれたとはいえ、甘えるわけにはいかない。すぐに俺はストレージを開き、カードの整頓をはじめる。
ちなみに、協力関係を結んだ際、うまく連携が取れるように互いのステータスを確認し合ったのだが、天原さんのステータスは圧巻の一言だった。
・天原白姫
【ステータス】
HP:1880/1880
MP:624/624
攻撃力:170
防御力:238
魔法力:121
魔法耐性:205
敏捷性:118
精密性:142
【スキル】
治癒魔法:治癒魔法を扱える。
タウント:クリーチャーのターゲットになる。
リフレクト:攻撃を防御したとき、受けるはずだったダメージの、1/10を相手に返す。
守護神の加護:あらゆるダメージを受けない状態になる。発動中はMPを消費し続ける。
【装備品】
雷精のレイピア 攻撃力+140 スタン効果(小)付加
智天使の大盾 防御力+110 魔法耐性+78 MP吸収(防御成功時)
霊銀の鎧 防御力+76 魔法耐性+34
霊銀のガントレット 防御力+33 魔法耐性+20
霊銀のブーツ 防御力+24 魔法耐性+15
ほとんどの能力値が、最大までパワーアップされた、英雄願望のトナカイのそれを上回っており、二つあれば上等とされているスキルを、四つも保有している。
それらのスキルも優秀。
治癒術師にとって必須であり、盾役にとっても高評価な治癒魔法。
盾役の必須スキルといえるタウント。
防御しながらダメージを与えられるリフレクト。
一定時間、無敵化できる守護神の加護。
どのスキルも盾役にぴったりだ。
まさに盾役の理想型。こんなに完成された盾役を、俺は見たことがない。
加えて装備品も一級。ひとつ手に入れるだけでも相当な労力がいることだろう。
こんなにも素晴らしい盾役とダンジョンに挑めるなんて……人生、なにが起きるかわからないなあ。
しみじみと思っていると、天原さんがガシャリと鎧を鳴らしながら頭を下げた。
「ドラゴンエンペラーから助けてくださっただけでなく、依頼の達成にも協力していただき、心から感謝します」
「いいって。俺がやりたくてやってることだから」
「勝地くんは優しいですね」
顔を上げ、天原さんが微笑む。
「だからこそ」と続け、天原さんが表情を引き締めた。
「わたしは勝地くんを守ります。盾役の誇りに懸けて、モンスターには指一本触れさせません」
天原さんの周りの空気がチリチリと焼け焦げていく。そんな錯覚を得るほどの気迫。
Sランク探索者の凄みに、俺はゴクリと喉を鳴らした。
頼もしいなんてレベルじゃない。一緒にダンジョン探索できることに感謝しないとね。
畏れ半分喜び半分な気持ちで身震いして、俺は頬を緩める。
「うん。頼りにしてるよ」




