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調査8-4 伝説のお宝!

「なんか思ってたより長かったなぁ..ん? これって..」


 地下へと続く階段を下り終えると、大きな扉の横に体育マットくらいの大きなモニターが壁に張り付いていた。それを見たリサが。


「へぇ! これなんK? すっげえでけぇテレビじゃん!」

「ていうかこれをどうやって作ったんだ? おそらく入り口の看板からして、俺たちと同じ世界から来たやつが作った施設だとは思うけど」


 そう言って、みんなでモニターを物色していると、突然モニターの画面がつきだした。


「え? まだつくのこれ、しかもなんか文字が出てきたぞ」


 そのモニターに映っていた文章は。


『よくぞここまで来れたな、褒めて仕ろう(つかまつろう)。いや..仕ろうはちょっと昔っぽいかな..褒めてしんぜよう..しかし本当の試練はここからだ。お前たちにはこれからある問題を出題する。その問題を無事解答する事が出来たら、横にある扉が開く。せいぜい頑張ってくれたまえ』


 なんだろう。この施設を作った人が妙に憎めない。しかし問題ってなんだ? 数学だったら絶対解けねえぞ? マックスはモニターに向かって何か叫んでいる。


「我々は逃げも隠れもしない! どんな問題でもかかってくるがいい!!」

「マックスさぁ、いちいち叫ばないで? 耳がキーンてなるから、あとちょっとびっくりするしどうしても声出したくなったら言って?」


 そしてモニターから一問目が出題された。その問題とは。


『ラブコメのツンデレ妹キャラになれ』

「なんだよこの問題! 知るかよ!」


 俺はモニターにキレるリサの肩をトンと叩き。


「どうやらこいつは俺の腕の見せ所のようだぜ、相棒よ」

「は? んだよ急に! 触んなよ!」


 なんかよく分からんけど、この問題作ったやつナイス! これまでに俺が何作のラブコメを見たと思ってやがる!


「ストレガ、ちょっと来て」

「は..はい!」

「今から俺が言った事をあのモニターの前でやってくれ..ヒソヒソ..」

「ひゃっ..! ケンタさんの息が耳に..♡」


 俺はストレガに指示を出しモニターの前に立たせた。すると、ストレガはモニターに向かって上目遣いになり、恥ずかしがりながら。


「い..いつまでも妹扱いすんな..バカ兄貴..」


 どうだ見たかよ! ストレガはこのパーティで最年少であり割と童顔、そこにプラスされる恥じらいの表情と上目遣いが完璧なツンデレ妹キャラを演出! そして再びモニターに文字が表示された。


『正解..では次の問題に移ろう』


 ふっ。俺にかかればこんなもんだろう。


「すげえじゃんケンタ!」

「さっぱり意味は分からんが感服だぞ!!」

「ケンタさん..! もう一度私に指示を..!」


 そうだもっと俺を崇め讃えろ。さあ次の問題はなんだ?


『次の問題だ。ラブコメの負けヒロイン確定の幼なじみキャラになれ』

「また訳分かんねえ問題だぞ?」


 どうやら出題者は相当なラブコメ好きと見た。なかなかいいセンスしてやがるじゃねえか! だがそう簡単に俺を倒せると思ったら大間違いだぜ?


「マックス、ちょっと」

「どうした!!」

「いいか? 俺が言った事を忠実に再現するんだぞ? ヒソヒソ..」

「まかせ..! 任せておけ..」


 お次はマックスを呼び止め耳元で指示を出した。するとマックスはもじもじしながら少し斜め下を見つめモニターに。


「私じゃ..ダメ..?」


 完璧だマックス! 物語中盤でこのセリフを言うヒロインは確実に負けると相場は決まってんだ! そしてモニターに再び表示される。


「正解..では最終問だ..」


 この手の問題なら余裕のよっちゃんだってんだ! なんでも来やがれ!


「すげえじゃんケンタ! 今日は冴えてんな!!」

「だがあれの何が正解なのかさっぱり分からんな!」

「ケンタさん私に指示を..!!」


 そしていよいよ最終問題がモニターに表示された。


『和積の公式 sinαcosβ=?』

「またそんな簡単な問題....え?」


 なんだよこいつ! 最終問だけしっかり難しいやつじゃん! 頭を抱え悩む俺に、マックスが目を輝かせながら俺を見て。


「ケンタ! 勿体ぶらなくてもいいぞ! 早いとこ答えてくれ!」

「お..おうよ..! えっとそうだなぁ..確か..」


 やばい! 覚えてない! 習った記憶はあるけど分からん! 到底リサにも分かる訳ないし、ストレガとマックスは論外だしどうすれば?!


「1/2{sin(α+β)+sin(α-β)}だろ?」


 突然リサが呪文のように何かを唱え出した。再びモニターに文字が表示される。


『正解だ..3問正解できたようだな..約束通り横の扉を開く。伝説のお宝はその先にある..』


 そして大きな扉がギギーと音を立てながら開く。俺はリサを見て。


「お前天才だったの?」

「親に嫌ってほど教えられたんだよ..思い出したくもねえけど..」

「なんだよただの不良少女だと思ってたけどそんな事ないじゃん!」

「っるせえ!!」


 リサは照れ隠しするように俺に怒鳴る。なんか少し腑に落ちないがこれで伝説のお宝に出会えるんだよな!


「ケンタとリサには頭が上がらんな! はっはっはっ!!」

「最後の問題は何かの呪いですか?」


 マックスとストレガも俺たちの秀逸さに感動しているところで、いよいよ扉の先にある大広間のような場所にたどり着いた。前には祭壇のような物があり、1番上には如何にもと言わんばかりの宝箱が置かれていた。興奮冷めやらない俺たちはすぐさま宝箱へ駆け寄った。


「これで俺たち億万長者になったりしてな!」

「飲み放題食い放題だぜ!」

「これでギルドマスターにお認めになってもらえるな!!」

「呪具だったらいいんですけどね..!」


 そして俺は震える手を抑えながらゆっくりと蓋を開けた。そして、宝箱の中にあった物とは....


「ちょっとタイム」


 俺は中を見るなり、ゆっくりと蓋を閉めた。そんな俺を見かねてリサが再び蓋を開け中にある物を取り出した。


「おいケンタ! 独り占めってか?w 私にも見せろよぉ!....ん..? これって..」


 マックスとストレガは物珍しそうな顔でそれを見る。


「これは..巫女の狩衣か?」

「精霊使いのローブなんですかね..?」


 ワクワクしながらそう言う2人を見て、俺は無言で大きく首を横に振った。そして小さな声で。


「セーラー服だよ..セーラー服..」

「ああ、セーラー服だな」


 畳みかけるように言うリサの言葉に俺は膝から崩れ落ちた。俺たちはこのどこにでもあるようなセーラー服のためにこんな所まで遥々来たとでも言うのか? いくらなんでもこんな仕打ちはないでしょうに! すると、リサが取り出したセーラー服から紙切れが一枚落ちてきた。


「なんか書いてあるな」


 リサの言った通り、その紙切れには長ったらしく文が書かれている。俺はその紙を拾い、広げた。その紙切れにはこう綴られていた。



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