『本当に飴?』
「おはよー! 今日も朝から暑いですなぁ」
「ユッコ、おはよう。暑くても元気ね」
「梅雨明けてから、頭おかしくなるくらい暑いよねー」
「ホントそうね」
「頭おかしいで思い出した! 昨日また見つかったんだってっ! 朝のニュースでやってたっ!」
「なんの話よ? というか、ユッコ、ニュースみるんだ……」
「なにその疑いの目! ひとみってばあたしのことニュースも見れないくらいバカとでも思ってるわけ?」
「……ノーコメントで」
「もう、いっそバカと言ってよぉぉ!」
「冗談冗談、で、なんだっけ?」
「そうっ! また出たんだって連続殺人犯。ネットで噂になってる『眼球コレクター』ってやつ。昨日遅くに眼球の無い遺体が見付かったて。初めて成人男性が被害にって言ってた」
「……えっ! 私知らない」
「ニュース見なかったんだー? 優等生のひとみらしくないねー?」
「……」
「前の四人はあたしら位の女子高生だけだったのにね。目玉持ち帰って何してるだろ……ホルマリン漬けとか? うぁ、きっもいぃ」
「……食べてる」
「ひぃぃぃ! ひとみの発想こっわ! グッロ! おぇぇ!」
「……こんだけ暑いんだもの、変になる人も出るわよ」
「だよね、まじあつーい、とけるー。あ、この間から毎朝、飴舐めてるよねー? なに味?」
「……塩味」
「まさかの塩飴。熱中症対策に塩飴って、おばあちゃん子かよっ」
「……ユッコも食べる?」
「うーん。塩飴じゃ、いらなーい。好きじゃないし」
「そう? とっても美味しいのに……」