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闇と光ー壱の理ー  作者: ハイロリ
第0エリア
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第20話 アリス1

私はアリス。歳は22歳。小さい頃両親は亡くなり、家族は誰もいません。小さい頃からカジノで働いています。数年前からルーレットのディーラーを任されるまで成長しました。ここまで来るのは正直大変でした。毎日仕事に打ち込み、ひたすら努力をし続けてようやくこの地位を得ました。


お客様からいただくチップのおかげでそれなりの暮らしをしています。仕事が私にとっての唯一の生きがい。仕事が私にとっての存在理由。ただ毎日楽しかったです。まぁひどいお客様も少なからずいましたが、培った技術ですべて撃退してきました。その後・・・そのお客様がどうなったか知りません。オーナーは敗者には厳しい人なので想像はつきますが・・・。それがいつ自分に降りかかってくるかわかりません。ここは賭け金に対しての上限がありませんから。一気に大金が動く時もあるのです。そのため、ひたすら努力を重ねている毎日です。


いつものように仕事をしていると、初めて見る1人の男の人がテーブルにつきました。その人はわたしの好みの顔でした。可愛い顔をしています。じろじろ見られている気がしました。彼なら誘われたらお食事くらいなら行ってもいいかなと思ってる自分がいました。仕事一筋で彼氏なんていないので・・・。


最初に700万円分チップにした時は少し驚きました。そして彼は不思議なベットを繰り返していました。はじめは初心者さんなのかなと思いました。1枚ずつ36ヶ所に1点張り。その後ベットする場所を減らしたり、ベット数を増やしたりしていました。繰り返すうちに、彼のチップは1500万円くらいまで増えていました。普通に凄いと思いました。それに当たると無邪気な笑顔を見せています。可愛らしいですね。楽しんでくれているようでよかった。素直にそう感じました。またきてくれたら嬉しいなとも思っていました。


しかし突然彼はこう言いました。


「オールベット28」


私に衝撃が走りました。


「ノーモアベット」


私が狙った場所は28・・・。これは当たります。周りもざわざわし始めています。これは仕方ありませんね。しかしこれは偶然なのか狙われたのかがわかりません。当然入った場所は28。周りも盛り上がり騒いでいます。精算していると彼は私を笑顔で見てきます。その瞬間、偶然ではないと理解しました。私の思考を読まれてしまったのでしょうか?気を引き締めないといけませんね。


目で彼が語りかけてきます。どうやらまだ立つ気はないようですね。彼は本気で私を潰しにくるぞと言わんばかりの殺気を目から放っています。彼は可愛い笑顔をしていますが、その本性は悪魔だったみたいです。受けて立ちますよ。逆にすべて搾り取らせていただきます。


まだ続けますよ。ディーラーさん。彼にそう言われた気がしました。どうやら読まれていたようですね。ならば私が普段いれない場所。そして彼が1度もかけてない場所にあえていれましょう。


次は0です。勝負です!!


おかしい・・・。なぜ彼はベットしない。観察しているとでも言うのでしょうか?もうこれ以上待てないので私はコールします。


「ノーモアベット」


私は揺さぶられている?彼はどうしてベットしなかった・・・。このままではまた読まれてしまう。負けるということは間違いなく私の首はとぶ・・・。さらに私の命すら危うい・・・。よくても奴隷落ち・・・。ここまできたのに・・・そんなことはあってはならない!私の生きがいは奪わせない。彼の目を見ると、私を見ていない。もはや眼中にないとでもいうことなのか。その瞳の中には恐ろしいものが潜んでいる。そんな気がした。もう私を読み切ったとでもいうのか・・・。どこにいれれば彼の読みを外せる?どうすれば・・・。彼が言葉を放ちました。


「ディーラーのお姉さん。次オールベットするからね」


くる・・・次はくる。周りのギャラリーも一段と増えていた。私の誇りを奪われるわけにはいかない。微笑みながら私に語りかけてくる姿は死神のように思えた。私はまだ死にたくない。ディーラーの私が圧倒的に有利。でも彼が恐ろしい。私のすべてを奪い去らんと心臓に銃口をつきつけられていると錯覚する自分がいる。


いけない・・・彼に呑まれてはだめ。ひたすら努力してきた自分が負けるわけない。精一杯努力してきた私を神様が見捨てるはずがない!!続けて同じ場所に入ることはほぼない。彼も同じことを考えているはず。過去私もそれをしたことはない。そして続けて同じ出目にストレートアップベットした人は見たことがない。だからそうすれば勝てるはず。きっと・・・勝てる!!神様お願い!私に勝利をください!


ボールを持つ手が震える。彼から無言の圧力がかかっている。そろそろ投げないといけない。早く投げろと言われている気がする。いつもは近くにあるルーレット盤も遥か遠くに見える。私は努力してきた。それだけは胸を張って言える。この一投に私のすべてを賭ける。私は生きるんだ!!ルーレット盤が近くに戻ってきたように見えた。行きます!!私が死ぬか。あなたが死ぬか。勝負です!!


私はボールを投げ入れた。狙いは0。さぁあなたに私のすべてをかけた一投を読めますか?お願い!!外して!!そう願った瞬間彼は言った。


「オールベット0」


私にとっては死刑宣告に等しかった。


え・・・読ま・・・れ・・・た・・・。


私は死んでしまうの?すべてを失ってしまうの?


「・・・ノーモアベット」


ギャラリーはさらに増えていた。これは言い逃れできない。私の完敗・・・。私の誇りも地位も尊厳もそして、私の命すらも砕かれた。視界が少しぼやけてくる・・・。お願い外れて・・・。私はルーレットから目を背けてしまっていた。


うおおおおおおお!!!


周囲が騒がしい。おわった・・・。すべて終わってしまった・・・。ふと私の誇りを粉々に打ち砕いた彼に視線を向けた。


「次もオールベットしますよお姉さん」


彼はそう言った。とても可愛い笑顔で私にそう語りかけてきた。


わ、わたしでは・・・彼には勝てない・・・。まだまだ搾り取られてしまう。どうしたらいいの・・・。すべてを奪われた私はどうしたら・・・。


彼に話しかけている人がいた。あれは・・・この街の暗部だ・・・。オーナーの知り合い。以前見たことがある。彼を連れていくのだろうか?私もまた連れていかれてしまうのだろう。


そうして彼はオーナーとともに、奥に消えていった。


その後すぐに私の元にも暗部がきた。この景色を見るのは最後になるんだろうな。ルーレット盤に対して、私はお辞儀をした。


今までありがとうございました。


心の中で私のすべてがあった場所に気持ちを伝えた。


この道は今まで通ったことがない。現れたのは重そうな扉。私はその部屋の中にいれられた。


1人になると、私の涙は止まらなくなっていた。私死にたくないよ・・・。生きたい・・・。神様・・・。生きたいです。私なんでもしますからまだ生きたいです。


そう願っていると、扉が開いた。


「アリス、オーナーがお呼びだ」


私はオーナーの元に連れていかれたのであった。


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