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闇と光ー壱の理ー  作者: ハイロリ
第1エリア
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第121話 王の誇り

新技を持ってきたというのは心が躍る。好敵手よ!我に見せてみるのだ!そうすることで我もさらなる高みへと到達することができる。


ハイロリは静かに剣を抜いた。


いつものように変則二刀流か・・・刃のないあれの自動戦闘・・・さらに放出されるマナによって形状が変わる剣・・・特殊な武器をよくもまぁ使いこなすものだ。


新技があるというならば小手調べだ。我は口から火球を吐き出した。本来であるならば直接発動させたいところだが、我の今の実力では体内からしか蒼い高密度の火球は出せない。威力の足りない攻撃など、こやつの前では無駄な手となるだけだ。ん?避けなくてよいのか?ならば遠慮なく追撃させてもらおう!


リュカウスはハイロリに向かって駆ける。自身の放った火球を殴りつけ加速させた。さらに自身も急加速。背後からそのまま蹴りをハイロリに放った。火球と蹴りの挟撃だ。しかし火球が己に向かってくる。蹴りを当て火球を弾き飛ばす。


なんだとっ!?なぜお前は既に後ろにいるのだ!?だが甘い・・・我が尾の餌食となれっ!


尾がハイロリに突き刺さる。しかしハイロリの姿は闇に変わる。さらにそこから黒い手がリュカウスの体を捕縛しようと迫ってくる。


相変わらず厄介な・・・。ハイロリゲンガー。攻撃を当てるまで本体なのか分身なのかまったくわからない。我もハイロリに学び分身を作れるようになったのだが、やつほどの精度には辿り着けない。いったいどれほどの緻密なイメージを組み立てているのだ・・・それでも我の戦闘の択は増えたのだがな・・・。


ハイロリの場合、分身からさらに追撃が発生してくる。この上なく厄介な相手である。恐らく我の後方にいる。我の直感がそこだと教えている。


リュカウスは2方向に拳による拳撃を放った。しかし放つまでにハイロリの仕掛けた罠によってダメージを受けてしまう。


罠の置き所が絶妙すぎる。攻撃に対処するには罠の場所を肉体が通過しなければ対処できない。しかし罠を嫌ってしまうとどちらかの攻撃が確実に当たってしまう。ハイロリは今までにいないタイプの相手だった。


この罠に怯んではいけない。ダメージを覚悟で返すのが最適解。絶妙に我の闘気を貫いてはくるがそこまで致命傷にはならない。たまに致命傷になる罠が置かれるのもあやつのいやらしいところだ。こやつとの戦闘では次々と変わる状況に対処を迫られる。だからこそ面白い。


ハイロリの姿は読み通り拳撃の先にあった。しかしまたもや闇となり消える。


なに!?今までやつは分身を連続で使えなかったはずだぞ・・・追撃がない?これは分身ではないのか?新しい技というやつなのか?


闇のマナが霧散する。ハイロリソードがその先に浮遊していた。ハイロリソードから黒いマナの弾丸が発射されている。


ぬぅ・・・速い。攻撃の繰り出されるスピードが昨日までとは段違いだ。貴様の中で何があったのだ。


本体は下・・・脚で迎え撃つ。弾丸に対してはこれしかあるまい。


リュカウスの口より咆哮のような衝撃波が放たれる。ハイロリの遠距離攻撃に対応するために編み出した技である。そして蹴りを下方に繰り出す。脚の爪もマナを纏い伸びてくる。


ガキンッ。鈍い衝突音がなる。下方にハイロリの姿は既にない。双鞭刀が回転し巨大な盾となりリュカウスの攻撃を受けていた。


これだ・・・この武器は攻撃だけじゃなく防御もできる。それによって何度タイミングをずらされてきたことか・・・っ!上か!間に合わぬ。


ハイロリの拳がリュカウスの体にヒットする。リュカウスの体は陽炎のように消え去る。


・・・どこにいるハイロリ。なんだとっ!?もう上にいるだと!


ハイロリの手にはハイロリソードが、黒い刀身を放出しながらリュカウスの体に迫っている。周囲には罠も張り巡らされている。


・・・人狼の王を舐めるなよ。


「ヴワォォォォンッ!!」


リュカウスの遠吠えのような咆哮とともに蒼い闘気が周囲に解放される。ハイロリにマナの衝撃波がヒットする。しかしハイロリの体は闇となり消える。黒い拳の連撃が飛んでくる。


後ろっ!尾で迎え撃つ!なに・・・!?


そこにあったのは先ほどまで盾になっていた武器であった。


・・・何故そこにいるぅぅぅ!?


既にハイロリは懐に潜り込んでいる。リュカウスは膝蹴りで対処する。しかしまた闇となり消える。さらにそこから黒いマナの弾丸が漆黒の鎖を引き連れ己に向かってくる。


・・・ぐはっ。奴はどこだ・・・?


リュカウスは勢いよく吹き飛ばされる。しかしすぐに気づく。自身の背中に慌ててマナを集中させる。


ハイロリが輝く闇を纏った拳を突き出している。しかしその拳が当たることはなかった。代わりにハイロリソードの黒い弾丸がリュカウスにヒットする。


どうなっているのだ!?・・・!酷い悪寒がする。まずいっ・・・。


リュカウスの体は上空へと打ち上げられる。ハイロリが懐から闇を纏った拳を突き上げていた。拳撃がクリーンヒットする。さらに上空からハイロリの追撃が突き刺さる。双鞭刀による重い一撃がリュカウスを地面に叩きつける。


・・・体が重い・・・いったいいつ以来だ・・・我がなす術なく一方的にやられるのは・・・主が我が星に攻め込んで来た時もそうであった。主の家族にも手も足も出なかったな・・・そしてハイロリ・・・たった1日でこうまで置いていかれてしまうとな・・・。


だが我は王として退くことはできぬっ!漢に引けぬ闘いがあるように王にも引けぬ闘いがあるのだっ!!民を逃がすまで王は殿を務めなければならぬっ!


我は負けるのであろう・・・しかし王としての誇りを貴様に見せてやろう・・・。


・・・肆の理!!


「我こそは人狼の王である!!そう簡単に超えてゆけると思うなよっ!!王としての誇り受けてみよ!!」

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