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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode3 少年誘拐加害者編

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1日の流れ

創太視点です。

 朝起きると、やっぱりななさんは先に起きていた。


「おはようございます」

「おはよう、創太」

「ななさんは何時に寝て、何時に起きてるんですか?」

「創太より遅く寝て、創太より早く起きてるのよ」

「そうですか。じゃあご飯作りますね」

「よろしくね」


 ななさんに何か質問をしても、真面に取り合ってはもらえないって事はもうわかってる。

 だから僕もそれ以上は聞かない。


 朝食を食べ終えて、昨日と同様に返されたテストの復習をした。

 最初のテストは範囲も無茶苦茶で、点数も全然とれてなかったけど、昨日のテストは授業でやったところばかりが範囲だったので点数も全教科80点越えだった。

 全教科、授業の後に復習はさせてもらえなかったし、1時限目の現代文とかはやってから大分時間も経ってたからキツいかと思ったけど、ちゃんと答えられていたみたいで安心した。

 これがちゃんと頭に入ってるって事なのかな?

 一応、ななさんの作ったテストが簡単だった訳じゃないと信じたい……


 テストの復習や自主勉強をして、少し経つとななさんの携帯がなり、ななさんはスピーカーにして電話にでる。

 婆ちゃんからの電話だ。


「はい」

「おはようございます、ななさん。創太の祖母です」


 僕がつけた"ななさん"って名前を婆ちゃんも使ってる……何か不思議な感じだ。

 というか、この人の本名はなんなんだろう?

 名乗れないって事は余程の有名人か、それともなんかヤバイ組織とかの犯罪者か……

 いやでも、警察と知り合いっぽいし……


「創太、なに考えてるの? 電話、お婆様からよ。出る? やめとく?」

「え……出ます」


 少し考えていたらななさんに携帯を渡された。

 昨日も電話しちゃってるし、もう声も聞こえてただろうし、電話に出ずにななさんにまた勝手な事を言われるのも嫌だから……と、なんか色々な理由をつけて、僕は携帯を受け取った。


「ば、婆ちゃん……その、おはよう」

「おはよう創ちゃん。昨日はよく眠れた?」

「うん」

「そう、良かったわ。ご飯はちゃんと食べてる?」

「うん」


 特に話すこともない……というか、何を話せばいいのか分からない。

 婆ちゃんからの質問に"うん"以外を答えれなかった。

 これは会話をしてると言うんだろうか?


 スピーカーもそのままだし、ななさんもこの会話が聞こえてるはずだから、この会話になっていない会話に入ってくることもできるはずなのに、ななさんは何も言わない。

 何も言わないどころか、僕に携帯を渡したらパソコンの方に行ってしまった。

 僕と婆ちゃんの話に興味もない感じで、いつも通りにカタカタやってる。


「じゃ、じゃあね、婆ちゃん」

「そうね、また明日ね」


 話す事もないのにずっと電話してても気まずいだけだし、ほぼ無理やりに電話をきった。


「あの、ななさん。携帯返します」

「はいはーい」


 例え自分の携帯に僕の婆ちゃんから電話があったとしても、わざわざスピーカーにする必要性はないはずだ。

 最初は僕に婆ちゃんの声を聞かせるためにスピーカーにする必要があったかも知れないけど、2回目からは必要ない。

 なのにわざわざスピーカーにして渡してくるって事は、ななさんは僕と婆ちゃんの会話を聞きたいって事のはず……

 でも会話には参加して来ない……一体何がしたいんだろう?

 聞いたってどうせ答えてくれないから聞かないけど……


 考えたって無駄なことは考えないで、昼までは自主勉強をする。

 その間はお互いに無言で、ななさんのカタカタ音と僕の勉強音が響いてるだけで、とても静かだ。

 その後、お腹が空いたら昼ご飯を2人分作って、ななさんに声をかける。


 昼ご飯の後は昨日と一緒でななさんの授業がはじまった。

 科目は違うけど流れは昨日と同じで、相変わらず授業は分かりやすく、落ち着いて集中できた。

 昨日は特に気付かなかったけど、ななさんは授業中に教科書を欠片も見ない……見ないどころか持ってない。

 見てるのはホワイトボードか僕の手元だけだ。

 だから僕に合わせたペースで授業が出来るんだろう。


 授業の後は夜ご飯を食べてからテスト。

 今日もそこそこに手応えがあったし、そこまで悪い成績にはならないだろう。

 テストの後は雑用を終わらせ漫画を読む。

 読んでて眠くなったら寝る。

 そしてまた朝へ。


 起きて、先に起きてるななさんに挨拶をしたら朝ご飯。

 返してもらったテストも復習して、自主勉強。

 そしてかかってきた電話をななさんがスピーカーにして、婆ちゃんと挨拶をしてから僕に渡してくる。

 それを会話になっていない会話だけして、ななさんに携帯を返す。

 また自主勉強をして、昼ご飯の後の授業……と、1日の流れが決まってきた。


 そんな同じような日常が何日か続いてからのある日、


♪♪♪♪♪


授業中にななさんの携帯が鳴った。

 婆ちゃんとは朝も喋ったから違うだろうけど、誰からだろう?


 ななさんは携帯の画面を見て、誰からか確認すると、


「チッ」


と、舌打ちをしてから電話に出た。

 スピーカーにもしなかったし、婆ちゃんじゃないな。


「ちょっと何? 私忙しいんだけどっ!」


 かなり怒り口調だ。

 父さんに電話してた時とかとも違う、本当に怒ってる感じだ。

 というか、八つ当たりって感じだな。

 電話相手が誰かは知らないけど、可哀想……


「はぁ? 5千万? 急になに? ……紅葉が? ふーん」


 電話に出たときは怒り気味だったけど、段々と声の調子も落ち着いてきてもう怒ってる感じはなくなった。

 でも何の電話をしてるんだろう?

 なんか、5千万とか聞こえたけどお金の話か?


「用意はいいけど、私が持って行くのは無理だから、そっちで取りに行ってよ。……そう。……そうね。なら、用意して送っとくから……はいはい」


 そう言って電話をきった。

 なんか、用事でもできたのか?


「創太ごめん。ちょっと1分中断ね」


 ななさんは僕に向かってそう言うと、パソコンの方へ行き、ダカダカダカダカッ! と、前に僕の簡易テストを作った時並みの早さでパソコンに何かを入力した。


「お待たせ」


 そのまま何事もなかったかのように普通に授業を再開した。

 本当にこの人は何者なんだろう?


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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