救出
空音視点です。
スノーフレークの仕事が入った。
内容は誘拐、監禁されている、女性と子供の救出。
乃々香と2人で指示された場所に向かった。
「おい乃々香、そっちは?」
「大丈夫そうだね」
「よし」
乃々香と小声で会話しながらら、犯人達にバレないように進んで行く。
丁度犯人達の様子が見えるところまで来た。
まわりにも障害物は何もない。
「くー君、ここからならやれるけど。どうする?」
「まだダメだ。アイツ等連絡取り合ってる……」
「声が分からない?」
「ああ、そうだな」
あの2人を救出することは出来るけど、まだ家の方にも人質にされてる人いるらしいし……
ここにいない犯人に、2人を救出したと知られるのはまずい。
どうするか……
「ねぇ、コレ使う? 明奈ちゃんの新開発"ホボネズミ"!」
「なんじゃそりゃ?」
「どこからどう見てもネズミ。動き方もネズミ。一応、殺されてもネズミ。解剖されたら、さすがに機械っていうネズミ」
「ん? まぁいんじゃね?」
乃々香がまた変なものを出してきた。
でも、これでアイツ等の声が分かれば丁度いい。
チュー、チュチュー
ホボネズミ、案外うるさかった。
チューチューいいながら、犯人達の方へ走っていった。
「ん? おい、なんだ?」
「見てくる」
2人いた犯人は1人だけネズミを追っていった。
「いや、変な音がしたから見に行ってるだけだ」
残った方はもう1人の犯人と連絡をとっている。
「おーい! どうだー?」
「おわっ、ネズミだ!」
「ネズミ? ああ、問題ない。ネズミがいたらしい」
ホボネズミは犯人に捕まったようで、音がしなくなった。
人質と一緒にいる犯人は、もう1人と連絡をとっている。
「これだけ分かればいい?」
「あぁ、十分だ」
乃々香が俺に聞いてくる。
もちろん準備は完了してる。
「なら、あっちはもういいね。ネズミの仇」
乃々香はそう言って、静かに引き金を引いた。
俺からは、ネズミを追っていった方の犯人は見えないが、乃々香には見えてるようだ。
さすがだな。
「おーい、どうしたー? ネズミは捕まえたのかー?」
なかなか帰って来ないのが気になったようで、犯人は叫びだした。
だけど返事はない。
当たり前だ、もう1人はあっちで伸びてるんだから。
「こっちも、もういいよね」
残りの犯人にも乃々香が1発撃ちこんだ。
「うっ」
ガチャンッ!
こっちの犯人、連絡用に使ってた携帯落としやがった……
まぁ、そりゃ力抜けたら落ちるか……
俺は急いで犯人の所に行き、携帯を拾った。
「おい、なんの音だ? 何かあったか?」
通話中になっているため、向こうの犯人が今の音を気にしている。
「悪い、手が滑って落とした……こっちは問題ない。そっちは?」
と、俺はさっきの犯人の声で電話に返事をする。
声帯模写は得意だからな、朝飯前だ。
「こっちも問題ねぇけどよ。気を付けろよ」
「ああ」
向こうの犯人を騙せたところで、もってきたスケッチブックを人質になってる2人にみせる。
文字は先に書いておいた。
助けに来ました。
ですが、まだ旦那さんが捕まっていますので、あなた方も捕まっていると犯人に思わせたいです。
声を出さず、音を立てず、静かにあのお姉さんのところに行って下さい。
これをみせて、奥さんの方が頷いた。
手を縛ってあったロープを外してあげると、奥さんは息子さんを抱えて、静かに乃々香の方に行ってくれた。
俺はスノーフレークにメールを送る。
人質2名、救出完了。
読んでいただきありがとうございます(*^^*)




