4 1-4 九条麻里奈
会社員視点です。
翌日、体調が悪いからと会社は半休にしてもらい、○○高校に来た。
授業は終わり、部活動が始まっている頃だろう。
部活をしていない子達がどんどん帰宅して行く。
○○高校の制服は、学年によってリボンやネクタイの色が変わる。
娘のリボンの色は赤だ。
同封されていた九条麻里奈さんの写真は、リボンが青だった。
娘は部活動中のはずだから会わないだろうが、赤いリボンの子達は娘の知り合いの可能性もある。
できるだけ赤いリボンの子の近くには行かないように、青いリボンの子を探す。
校門から少し離れたところで様子を伺っていると、丁度青いリボンの2人組が出てきた。
しかも彼女達の近くに赤いリボンの生徒はいない。
とりあえず、あの子達に話を聞いてみるか……
「すみません、九条麻里奈さんをご存知ですか?」
「は? おじさん誰?」
「あっ! もしかして、麻里奈ちゃんの親御さんのお知り合いの方ですか?」
声をかけてすぐ、1人は警戒心を見せてきたが、もう1人は気さくに笑ってくれた。
しかも勘違いをしてくれているみたいだ。
ここは話を合わせておく。
「そうなんです。麻里奈さんのお父さんの友人で……」
「あ~、やっぱり! 大事な娘を1人で海外に送り出したら、そりゃ心配ですよね。いくら出身の日本だとは言っても、麻里奈ちゃんはほぼイギリス育ちですからね」
この子、さらっと色々話してしまっているんだが……
もう少し人を疑った方がいいと、本当は言いたい。
「それで? おじさんは麻里奈の父親に頼まれて、学校での様子を聞きに来たって事?」
「はい、そんな感じです。可能な限りで構いませんので、教えてもらえますか?」
彼女達から九条麻里奈さんについてを教えてもらう事に成功した。
私はその後も父親の知り合いだと嘘をつき、他の子にも聞いたりして、九条麻里奈さんについてを知ることができた。
そして指示された通りに、赤い羊へ情報を送った。
私が情報を送った麻里奈さんはどうなったのだろうか?
もしニュースであの子が死んだと報じられたら……
私のせいだ……すまない、本当にすまない……
だが私にはああする外なかったんだ……
私は以降、新聞、テレビ等、すべてのニュースを見るのをやめた。
読んでいただきありがとうございます(*^^*)