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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode2 友人の宝誘拐編

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斉場主任

綾瀬久実視点です。

「捜索対象、発見しました。すぐに時間を辿ります」

「5千万円、準備完了しました!」

「金は瀧沢に渡しておけ」

「はいっ!」


 どんどん進んで行きますね。

 さすがです!


ぐぅ~


 あ、お腹なっちゃっいました……

 お恥ずかしい……


「なんだ? 腹へってんのか? コレでも食っとけ」


 そう言って、斉場主任は菓子パンを投げてくれました。

 地味に優しいですね。


「いいなー。主任ー、私にはー?」

「ねぇよ」

「えー、欲しかった」

「んなこと言ってねぇで、さっさとドローン向かわせろ!」

「分かってまーす。でもこのハエ型ドローン、速すぎて操作しにくいんですよ」

「早くなれろ」

「主任っ! 沢田さんのお孫さんと、そのお母さんと思われる2人を無理やり車に乗せている映像、発見しました。車追います」

「おう。おい、そこの受付」

「ん、はっはい」


 菓子パン食べてたら急に呼ばれました。

 ビックリ、ビックリ……喉に詰まるかと思いましたよ。


「お前は空音と乃々香に緊急召集」

「あ、はいっ!」


 まさか私も使われるとは……

 私もすぐに、柴崎さんと栗林(くりばやし)さんに連絡します。

 情報部は目まぐるしく動いています。


「主任っ! 犯人の潜伏場所、特定しました!」

「よし、受付! すぐにここに空音と乃々香を向かわせろ」

「はいっ!」

「ドローン、沢田家に到着です。これより室内に侵入します」

「室内の様子は?」

「1階には、四之宮主任と女性が1名です。おそらく沢田さんですね。現在、2階に向かっています」

「早くしろ」


 斉場主任言い方キツいです。

 私は普段、口調も丁寧でとても優しい紅葉主任と一緒にいるので、この感じには馴れませんね。


「しゅーにーんっ! 沢田さん家2階にて、犯人1名と人質になっていると思われる男性1名を発見しました。犯人は拳銃を所持しています。あと、1階の様子をパソコンで見てるみたいですね。あっ……こっちに気がつかれました」

「おいっ! なにやってんだ!」

「すみません、でもハエだと思ってもらえたようです」

「開発部に感謝しろ! で、反省は?」

「めっちゃしてます! でも、今ので操作のコツはつかみました! 次で挽回しますっ!」

「よし、それでいい」


 それでいいんですね。

 怖いのか優しいのかよく分からない人です。


「室内の様子ですが、他に犯人はいません。ですがこの犯人、ずっと携帯で仲間に連絡をとってるみたいですね」

「主任、他の映像等確認しましたが、犯人は3人グループで間違いありません。誘拐されたのは、お孫さんとそのお母さんのみです」

「そうか、連絡取り合ってるなら、先に孫達助けた方がいいな。空音達はまだか?」

「もうあと10分ほどで到着すると思われます」

「そうか」


 私も一緒にドローンからの映像を見せてもらっています。

 犯人の男は、1階仕掛けたカメラからの映像を、食い入るように確認していますね。

 おそらく紅葉主任の話す内容から、スノーフレークの裏事情とかを知ろうとしてるんでしょうね。


「瀧沢さん達が、沢田さん宅の付近に到着しました。5千万も瀧沢が持ってます。どうしますか?」

「空音達が着いてからだな」

「2人とも、もうそろそろ着きますよ」


 紅葉主任もそうですが、柴崎さんや栗林さんも自分達の居場所が分かるようにGPSを持っています。

 なので情報部には今誰が何処にいるかがまる分かりです。

 もちろん、オンオフできるのでプライバシーも大丈夫ですよ。


「柴崎さん達が現場に到着しました」

「よし、受付っ! 紅葉に連絡だ」

「はいっ!」


 私は紅葉主任に電話をかけました。


「奏海、お金準備してくれた?」

「主任、5千万円の準備完了してます。近くに瀧沢さんが待機して下さってます」

「そう、ありがとう。私が取りに行った方がいい?」


 お金を主任自身が取りに来た方がいいか……

 つまり、沢田さん方を家に残して離れても大丈夫か? という質問ですね。

 私には判断しかねるので、主任に判断してもらいましょう。


「現在の状況ですが、室内2階に犯人1名が、沢田さんの息子さんと思われる男性を人質にしています。また、お嫁さんとお孫さんは誘拐され監禁されていますが、そちらは現在、柴崎さんと栗林さんが丁度現場に到着したところです」

「んー、なら私が取りに行くよ」

「了解です」

「じゃあ、そういう事でよろしくね」


 主任が家から抜けてきても、おそらく怪しまれないでしょう。

 むしろずっと家の中に居座ってる方が、おかしいですし。


「おい、受付。お前はもう、通常業務に戻っていいぞ」

「はい。失礼します」

「あ、待て。お前名は?」

「綾瀬久実です」


 なんででしょう?

 急に名前聞かれました。


「あー、お前が紅葉のお気に入りの……なるほどな」

「え?」


 斉場主任、今なんて言った?

 よく聞こえなかったです。


「よかったですね、綾瀬さん。主任が名前を覚えるっていうのは、実力が評価されたからですよ!」

「まぁ、覚えてくれても呼ぶときは結局、おいとかお前とかですけどね……」

「そうそう、主任は基本的に人の名前覚えれませんもんねー」

「ああ、そうだな。んで、さっき偵察失敗したお前……名前はなんだったか?」

「ひどいっ! 忘れられたっ!」


 なんかよく分からないですが、情報部って皆仲いいんですね。


「では、失礼します」

「おう」


 さてと、時計を見ると15時57分……

 休憩は潰れてしまいましたね……

 月に1度のスペシャル定食……

 ま、しょうがない、しょうがない。

 仕事に戻るとしますか。


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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