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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode2 友人の宝誘拐編

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電話相手

綾瀬久実(あやせくみ)視点です。

 私、綾瀬久実は今日も職場であるスノーフレーク本社、受付に出勤してきました。


「おはようございます」

「おはようございます、久実さん」


 相変わらず紅葉主任は素敵な笑顔ですね!

 受付の鏡ですよ!


「そういえば主任、今日は沢田さんの所行かないんでしたっけ?」

「そうですね、今日はお孫さんが遊びに来る日ですから。ということで、今日は私も1日中いるのでお昼休憩は順番に回します。私は最後の15時からでいいので、後は皆さんで好きに決めて下さいね」

「はーい」


 やっぱり紅葉主任がいるのといないのとじゃ、皆のやる気も違いますね!

 私の休憩は14時からになりました。

 少し遅いですが、今日は食堂で月に1度のスペシャル定食の日ですからね、楽しみです。

 遅くなった分だけ美味しさも増すはずです!


 今日もいろんな依頼が来ます。

 基本的にはお客様からの依頼を聞いて、その依頼の要点をまとめて情報部に送るのが私達、受付の仕事です。

 情報送るだけの簡単な仕事……とかって思われがちですが、時折変な依頼も来ますので、お客様と直接話をする受付は結構重要なお仕事です。


 ふぅー、やっとお客様が減ってきましたね。

 時計を見ると13時半くらいですね。

 後、30分程度でスペシャル定食です!

 少し休憩していると……


♪♪♪♪♪


紅葉主任の携帯がなりました。


「はい、四之宮です。……えっ? はい、構いませんよ。……すぐに行きますね」


 電話を終えた主任……

 えっ? 今、すぐに行きますって言った?


「久実さん、ごめんなさい。ちょっと沢田さんの所行ってきます。休憩、15時に変更してもらってもいいですか?」

「はい、大丈夫ですけど……」


 スペシャル定食……

 いえ……も、問題ありません!

 空腹は最高のスパイスですからねっ!


「あ、ごめんなさい……」

「いえっ! 大丈夫ですよ。沢田さん、何かあったんですか?」

「分かりませんが……とりあえず行ってくるので、後はよろしくお願いします」

「はい、お気をつけて」


 紅葉主任出掛けていきました。

 沢田さんは主任の大切なお友達です。

 大丈夫でしょうか? 心配ですね……


 15時……やっと休憩になりました。

 少し遅くはなったけど、今日のスペシャル昼御飯!

 食堂に向かおうとした時、


♪♪♪♪♪


私の携帯がなりました。

 ん? 紅葉主任からですね。


「はい、綾瀬です」

「ああ、神園さん。四之宮です。奏海に繋いでもらえますか?」


 私はもちろん神園さんではありません。

 だからと言って、これが間違い電話であるはずもありません。

 そもそも、紅葉主任は神園さんに繋いでもらわなくても、直接奏海さんに電話が出来ますからね。

 つまり今、紅葉主任の電話を聞いている人間には、奏海さんに電話していると思わせているということです。


 では、何故そんな事をする必要があるのか?

 そんなのは、簡単ですね!


「至急、情報部に向かいます。次の会話の始まりを主任も身動きがとれない状態なら"頼み事"、主任は無事で沢田さん本人か、もしくはご家族に何かしらの事態が発生しているなら"お願い"、それ以外なら"要望"でお願いします」


と、電話口で言いつつ、情報部に向かい階段を掛け上がります。


「奏海? ごめん、ちょっと()()()があって」


 お願い……つまり、沢田さん家族がピンチということですね。

 主任は無事のようです。


「ちょっと、5千万円ほど貸してほしいんだよね」


 5千万円……お金の要求ですか……

 そういえばお孫さんが遊びに来るって言ってましたね。

 一番の可能性としては、身代金目的の誘拐辺りでしょうか?


「お金は、お孫さんが誘拐された身代金ということでしょうか?」

「それは、私もそうだとは思うけど……」

「まだ確定はできませんか?」

「うん、ごめん……」


と、情報部に到着しました。


「緊急です! 紅葉主任の現在地にて、身代金目的の誘拐と思われる事件が発生中です! 直ぐに調査をお願いします」

「了解。おい、直ぐに紅葉のGPSを」

「はい」

「金の金額は?」

「5千万円です」

「会計に金を依頼しておけ」

「はい!」

「お前は開発部に小型ドローンの依頼だ」

「はーい」

「瀧沢にも連絡しておけよ」

「了解っす」


 情報部の斉場(さいば)主任の指揮のもと、どんどんと皆さん動いて行きますね!

 今の間、紅葉主任は適当な相づちを打ってくれていました。


「主任、小型ドローンで沢田さん家の室内を探ります。窓かどこかに室内に侵入できる隙間を作ってください。それと、沢田さん家族の写真を送ってください」

「りょーかーい。待ってるね、また連絡して」


 とりあえず、主任との電話を切りました。


「小型ドローン、借りて来ました! "ハエタイプ"です」

「よし、すぐに現場に迎え」

「はーい」


 すごいですね、情報部の皆さん。

 物凄い早さでデータが交錯していきますね。

 今借りてきたばかりの、本当にハエに見える小型ドローンも操ってます。


ピロン


と、メールですね。


 紅葉主任から沢田さん家族の写真と、お孫さんと思われる男の子の写真、それと庭側のガラス戸を少し開けておくとの連絡でした。

 てか、送ってくるの早すぎませんか?

 これはおそらく、最初から用意してましたね。

 さすが、紅葉主任です!


「捜索対象の写真です。それと、庭側からの侵入をお願いします」

「了解」

「すぐに顔認証システムで探せ、ドローンは?」

「今向かってます」


 斉場主任は紅葉主任と違って、口調も厳しいし、なんか全然優しくなさそうですけど、やっぱり情報部の人達から凄く信頼されてるのは分かりますね。

 まだ若いのに……

 っていうか、まだ高校生ですよね? 紅葉主任と同い年のはずですからね。

 本当にこの人達は恐ろしいです……


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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