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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode2 友人の宝誘拐編

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携帯越しの音

犯人視点です。

 スーツ学生はまだどうでもいい話をしてやがる。

 最初は姉の彼氏の話とかだったが、だんだん両親の話や、地元の話に変わってきている。

 もっと俺等に役立つ情報を話せばいいのに……

 そんな事を考えていたら、


♪♪♪♪♪


スーツ学生の携帯がなった。


「あ、すみません。ちょっと失礼しますね」


 奏海からか?

 金が用意できたのか?


「奏海、お金準備してくれた? ……そう、ありがとう。私が取りに行った方がいい?」


 どうやら用意できたみたいだな。

 にしても、どうやって持ってくるつもりだ?

 まさか奏海本人が持って来たりしないよな?

 流石にそれはないよな?


「んー、なら私が取りに行くよ」


 スーツ学生が取りに行くらしい。

 あとは俺等がどうやって手に入れるかだな。

 そのまま金だけ置いて、スーツ学生が帰ればいいんだが……

 どうするか……


「じゃあ、そういう事でよろしくね。……すみません美代子さん。お金の準備できたみたいなんですけど、あっちも忙しいみたいなので、私が取りに行ってきますね」

「ごめんなさいね……」

「大丈夫ですよ。もう少しお待ちください。30分くらいで戻ってきますので」

「ありがとう」


 スーツ学生は電話を切り、婆さんと話し始めた。

 とりあえずあいつ等に知らせておくか……


「お前等、金が準備出来たみたいだぜ」

「おお! そうか」

「ん? おい、なんだ?」

「見てくる」


 どうした?

 電話の向こうの、あいつ等の様子がおかしい。


「何かあったのか?」

「いや、変な音がしたから見に行ってるだけだ」


 変な音って何だ?

 あそこに誰も来ない事は確認済みのはずだし……


「大丈夫か?」

「おーい! どうだー?」


 うるさいな、携帯持ったまま叫ぶなよ。

 俺の耳にダイレクトに叫び声が来るんだよ。


「で、どうなんだよ? 何かあったのか?」

「ネズミ? ああ、問題ない。ネズミがいたらしい」

「そうか」


 なんだよ、ネズミか。

 ネズミぐらいでギャーギャー言うなよ。

 鼓膜が破れるかと思ったぜ。


 さてと、スーツ学生の様子を確認する。

 どうやら金を取りに行くために家から出てったようだ。

 あとは俺達がどうやって5千万を持って帰るかと、人質をどうやって帰すかだな。

 人質帰してすぐに警察に連絡でもされたらヤバイからな……

 何より、俺はこいつらにバッチリ顔を見られてる訳だからな。


 それにスーツ学生も金を置いてすぐ帰るとも限らない。

 原因の息子に会わせて欲しいとか言われたら困るし……


「おーい、どうしたー? ネズミは捕まえたのかー?」


 うるさっ! また耳もとで声。

 あいつ等、まだネズミの事気にしてんのか?


ガチャンッ!


 うわっ、何だ?

 何か耳に凄い音が響いた。


「おい、なんの音だ? 何かあったか?」

「悪い、手が滑って落とした……こっちは問題ない。そっちは?」

「こっちも問題ねぇけどよ。気を付けろよ」

「ああ」


ったく、さっきから何なんだよ。

 あいつ等は人質見てるだけだろうが、俺はスーツ学生や婆さんも見てないといけねぇんだぞ。

 おまけに今、どうやったらスーツ学生がすぐ帰るかとか、どうやって人質帰してから警察に知らされねぇようにするかとか、あいつ等と違って色々考えてるっていうのに……


 ん? カメラから婆さんが消えたな。

 どこ行った?


「あ、あの……」


 なんだ、こっちに来ただけか。

 色々考えたいし、婆さんにスーツ学生を早く帰らせてもらわねぇとだしな。


「婆さんが上がってきたから一旦電話切るぞ」

「おー」


 とりあえず警察に言わねぇように、婆さんに言っておくとするか。


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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