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3人
「あなたは何をしているのかしら?」
「ただの散歩ですよ」
「散歩にしてはおかしいわね?」
「そんな鋭い眼で睨まないで下さいよ……」
「一度署で話を聞きましょうか」
「これは困りましたねぇ」
「全く困っているように見えないその澄まし顔、非常に腹立たしいわ」
「それは失礼」
もっと抵抗するかと思いきや、意外にも素直についてきた。
「それで、何故あなたはあそこで散歩なんてしていたのかしら?」
「散歩なんて、どこでしようと自由ではありません?」
「それはそうだけどね。それなら質問を変えましょう。どうして素直に署までついてきたのかしら?」
「お姉さんが同行するようにと睨んできたからじゃないですか」
「いいえ、違うわ。あなたには目的があったはず。気付かれていないとでも思った?」
「ははは、これは手厳しい……」




