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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode10 少年誘拐被害者編

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静かな公園

夕方、買い物を済ませた帰り道。

子供達も家に帰って行った後の、静かな公園。

その中学生くらいの少女は、揺らす事もなくブランコに座っていた。


1日目は声をかけなかった。

誰かを待っているだけだろうと思ったから。

2日目は少し様子を見ていたけど、結局声をかけなかった。

急に声をかけられては、少女も怖いだろうと思ったから。

そして3日目の今日……


「あなた、いつもここに座っていますよね?」


遂に声をかけてみた。

虚ろな目で私の方を見てきた少女は、ただお辞儀だけをして私の横を通って行った。


もしかしたらもういないかもしれないと思った4日目、少女はまたブランコに座っていた。


「あの、余計なお節介かもしれないですけれど、何か悩みがあるのなら聞きますよ? 赤の他人だからこそ、話せる事というのもありますから」

「赤の、他人……」

「はい」

「言い得て妙ですね……」


少女が少し笑った気がした。

何が面白かったのか、私には分からない。


「お姉さんは、この辺の人ですか?」

「そうです。最近引っ越してきました」

「……でしょうね」


それは自分に話しかける人なんていないからという事だろうか?

私はまだ越してきて日が浅いから知らなかったけど、いつもここにいて当たり前の少女として、近所では有名だった?


「いつもここで何をしているんですか?」

「……時間潰しです」

「家に帰らないんですか?」

「……」

「帰れないんですか?」

「……」

「時間潰しなら、ここでなくともいいのでは?」

「……」

「私の家に来ます?」

「……お姉さんの、家に?」

「はい。同棲している彼氏がいるのですが、帰りはいつも遅いので……」

「……帰ります」

「そうですか……じゃあ、送りますね」


全然何も話してくれない少女に、自分がお節介な事をしているという自覚はあったけど、家までついていく事にした。



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