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一人前
「さて、お次は……あらあら、これはまた小さな挑戦者さんですね」
「だれでもちょうせんしていいって、さっきいってた……ましたから!」
「もちろんです。だからあなたにも当然、挑戦権はありますよ」
「お、おいおい。俺が採用なら、俺の息子だってこの桜野家の敷地内で暮らす事を認められるはずだろ? 神園さんの時は家族もって言ってたんだから」
「私としては構いませんが、それで納得しないのはこちらの挑戦者さんでしょう?」
父さんは僕が挑むことに反対だったけど、お嬢様はあっさりと許可してくれた。
しかも、全くバカになんてしていなかったんだ。
明らかに子供なのにな。




