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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode2 友人の宝誘拐編

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仕切り直し

犯人視点です。

 15時まではまだ時間がある。

 多少暇だな……

 スーツ学生と婆さんはケーキ食いながら、喋ってやがる。


「これは陸君がまだ3歳の時の写真だから……今は5歳だけど、本当に可愛いのよ」

「最近の写真はありますか?」

「ええ、私の携帯に送られてきた奴があるわ。ちょっと待ってね」


 孫の話でもしてるようだ。

 年寄りの孫自慢は長いっていうしな。

 まぁ、その大事な孫の命がかかってんだ。

 しっかり騙せよ。


 様子を見ていたら婆さんが携帯を取りにいくとかで、カメラを仕掛けたテーブルから離れた。

 婆さんは映らなくなって見えないし、なかなか帰って来ない。

 スーツ学生もおかしく思ったのか、テーブルから離れて行った。


 何やってんだ?

 携帯取りに行っただけだろ?

 ん? ……携帯!?

 あのババア! まさか連絡する気か!

 携帯なら喋らずに文字を見せて、この状況を伝えることが出来るからな……


「どうしました? 美代子さん?」

「あ、あのね……紅葉ちゃん……その……」


 声しかきこえねぇが、様子がおかしい。

 やっぱり伝えようとしてるな!

 仕方ねぇな、ちょっとバレる可能性は高いが……


「お、おい! 何して……」

「うるせーな、喋るな!」


 俺が適当な箱を手に取ると、旦那が少しうるさかったが、


ドンッ


と、俺はその地味に重い箱を床に叩きつけて音を出した。

 これで1度、婆さんは見に来ざるを得ないだろう。

 だが、スーツ学生も来るかもしんねぇな……

 どうするか……


「なんか、2階から大きな音しましたけど……?」

「そ、そうね……見てくるわ……」

「私も行きますよ」

「いえいえ、危ないかもしれないし……」

「それなら余計に一緒に行きますよ」

「大丈夫よ……その、2階は散らかっててね。だから見られるの恥ずかしいのよ……何かあったら大きい声で呼ぶから、紅葉ちゃんはここで待っててくれる?」

「そういうことでしたら、お待ちしてますね」


 上手いこと言うじゃねぇか。

 スーツ学生を下においてくることに、成功したみたいだな。


「こ、浩一……無事?」


 婆さんが上がってきた。


「おい、ババア! てめーアイツに携帯で伝えようとしてたろ」

「い、いえ……」


 デカイ声だすと下のスーツ学生に聞こえちまうからな。

 一応、気をつけながら婆さんの胸ぐらを掴んで言った。


「次おかしな事しやがったら、最初に陸君とやらに消えてもらうからな」

「わ、わかりましたから……絶対にもうしませんから……皆を無事に返して下さい」

「よし、ならもう行け! あまり時間かけると怪しまれるだろ」

「はっ、はい……」


 婆さんは怯えた感じに返事をして、階段を降りていった。


「美代子さん、さっきの音は大丈夫でした?」

「ええ、ごめんなさいね……ちょっとバランス悪く積んでた荷物が倒れただけだったわ……」

「でも美代子さん、顔色悪いですよ? 大事な物でした?」

「いいえ、大丈夫……大丈夫だから……あの、ほら階段上って疲れただけよ」

「そうですか?」

「ええ、戻ってケーキの続き食べましょう。そしたら私も復活するから」

「はい」


 下の会話を聞いていたが、なんとか誤魔化せたようだ。

 危うく作戦失敗になるところだったぜ。

 婆さんとスーツ学生はカメラを仕掛けたテーブルに戻ってきた。

 よし、仕切り直しだ。


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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