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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode10 少年誘拐被害者編

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268/425

強硬

詩苑君視点です。

「今日は本当にありがとう、ご馳走さまでした!」

「おう!」

「今度は邪魔しないように頑張るから、安心してね!」

「き、気にしなくていいって……」

「日下部さんも、ありがとうございました~!」


 レストランの視察が終わって、家の近い順に将大、高坂、早瀬と家に送り終わった。

 まぁ送ってくれたのは僕というよりは、運転手の日下部さんだけど。


「今日は奏海様もお帰りが早いそうだから、帰ったらすぐに報告出来るよ」

「そうですね」

「いいレストランだったんだよね?」

「総合的にはそう思いますよ。あくまでも、僕の意見ですけど」

「詩苑君がそう思ったのなら間違いないさ」


 日下部さんとそんな楽しい話をしながら過ごしていると、車通りの少ない道に入ってすぐに、


 ドンッ! ガガッ!


 と、大きい音がして、車がガクッとなった。


「まさかここまで強硬してくるとはね……」

「なんとかなりそうですか?」

「……なんとかするさ」


 おそらく撃たれたか何かで、車のタイヤがパンクさせられたんだろう。

 このまま走っているのも危ないので、車を止めて降りた。

 日下部さんも一緒だし、大丈夫だとは思うけど、やっぱりこういうのはちょっと怖いな……


「意外と素直に降りてきたな」

「あなた達ですか、こういう事をされたのは」


 車を降りてすぐ、ざっと見ても30人くらいの人達に囲まれた。

 日下部さんは僕を庇うように立って、この怖い人達と対峙してくれている。


「そのボクちゃんを渡してもらおうか?」

「お断りさせていただきます」

「お前にお断りする権利なんてないぞ? アラン」

「なっ!」


 アラン……それは日下部さんの本名だ。

 日下部っていうのは、仕事用としてお嬢様がつけた名前であって、本当はアランさんだから……

 でもそれを知っている人なんて、お嬢様に信用されている極僅かな人だけなはずなのに……?


「詩苑君、これは想定外だ……」

「そうみたいですね……」

「申し訳ないけど、ちょっと乱暴させてもらっても?」

「僕は構いませんけど、いいんですか?」

「後で奏海様に怒られる事にするよ」

「はい」


 僕の返事を聞いてすぐ、日下部さんは僕を肩に担ぐようにして、走り出した。

 片手で襲って来た人達を倒しながら、走り抜けていく。

 僕は重い方じゃないし、身長もそこまでないから、担ぎやすいだろうけど……

 こういう時は本当に、なんとも情けないな……

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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