レストラン
高坂さん視点です。
「あれ? 将大君は?」
「あ、あぁ……呼んでくる……」
「ほらやっぱり……」
「え? 何が?」
「里香がわりとバカだなって思ってね」
「えー? 今のどこにそんな事を思われる要素が?」
「はぁ……」
放課後、愛依ちゃんと一緒に詩苑君の方へと行くと、詩苑君は将大君を呼びにいき、何故か私は愛依ちゃんにバカにされた。
しかも、
「お、レストランだってー? 楽しみだなー!」
と、ウキウキでやって来た将大君に対しても、
「なんで空気を読むってことが出来ないの?」
「あ?」
「本当にバカなんだから……」
と、愛依ちゃんは呆れたようにバカにしていた。
詩苑君も苦笑いだし、ちょっとよくわからないや。
まぁ、楽しそうだからいいんだけどね!
「日下部さん、今日はここにお願いします」
「話は聞いてるよ。楽しんでおいでね」
「ありがとうございます」
日下部さんに送ってもらって、私達はついにホテルに到着した。
ランドセルは邪魔になるし、レストランの景観を損ねてしまうので、日下部さんの車に置かせてもらってる。
それでも特にドレスコードもしていない小学生4人、かなり浮いてる感じがするなぁ……
「お願いします」
「いらっしゃいませ、4名様ですね。少々お待ち下さいませ」
受付のボーイさんが丁寧に挨拶をしてくれて、中に席の確認へと行ってくれた。
小学生に対してもしっかりしてるんだなぁと感心した矢先、
「あらあら君達、迷子かな?」
と、ウェイトレスさんらしき人に声をかけられた。
「迷子ではありません。今日ここに食べにきたものです」
「……えっと、お父さんとお母さんはどこにいるの? 先に入っちゃった?」
「いえ、今日は両親は一緒ではないので」
「それなら、最後にお父さん達と会った場所は覚えてるかな?」
「あの、僕達は本当に迷子ではありませんので……」
「ちょっと君! 何をしているんだ!」
「え、あの……迷子を……」
「こちらのお客様は迷子ではない! 大変失礼致しました。ご案内致します」
「……はい」
最初のボーイさんが来てくれて、なんとか解決した。
といっても、こういう事が起きるのは最初から予想していた。
だから詩苑君にも、スタッフとの対応は全部自分がするから、何も言わなくていいって言われてたし。
でも、こういう所でも堂々と出来る詩苑君は、やっぱりちょっと遠い存在のように感じてしまうな……
読んでいただきありがとうございます(*^^*)




