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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode8 情報遮断見落とし編

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235/425

部活中

episode8になります。

渚視点です。

「じゃあ、また明日ね」

「今日も帰っちゃうの?」

「今日も明日も明後日も」

「ちょっとは休まないとダメだよ?」

「休んでるから問題ないわ。渚も部活、頑張ってね。試合の日は応援に行くから」

「本当だろうね? 言質とったからね」

「えぇ、約束するわ」


 放課後、今日も葵は忙しそうに帰っていった。

 スノーフレークのお偉いさんだから忙しいって事は分かってるけど、あのバーベキューの日以来全く遊べていない。

 でも、試合に来てくれるつもりがあるようで、嬉しく思う。


「俺等も帰ろーぜー」

「おう」

「カラオケでも行くか」

「いいな」


 少し離れた席で、男子共が楽しそうに盛り上がっているのが聞こえた。

 ちょっとイラッとする……


「葵はあんなに忙しそうなのに、暇そうで何よりだね」

「なんだよ東城、前にも言ったろ? 俺はフリーなんだよ」

「はいはい、分かってますよ」


 葵と同じスノーフレークのお偉いさんである柴崎君は、割といつも暇そうに見える。

 それは彼がフリーという立ち位置で、急な仕事に対応するための要員だからだそうだ。

 つまり、どんな仕事だとしても相応に対応出来てしまう凄い人、という事になる。


 それは一応分かってるんだけど、私達は葵と全然遊べないのに、柴崎君達はいつも楽しそうなのはズルいと思ってしまう……


「お前等も一緒に来るか? 空音の生体模写カラオケ、面白いぞ」

「いや私、部活あるから」

「私もパス。じゃあ渚、図書室で待ってるね」

「うん!」


 教室で真衣と別れて、着替えるために部室へと向かう。

 真衣は部活に入っていないから、私の部活中はだいたい図書室で勉強をしながら待っていてくれる。

 体育会系の私と、文化系の真衣は好み等も正反対ではあるんだけど、なんか意気投合するし、本当に最高の親友だ。

 文武両道の葵も合わせた私達3人は、自他共に認める仲良しトリオなんだけどなー。

 ホント、葵ともう少し一緒にいられたら……


「渚ー!」

「はーい! からのシュートッ!」

「おぉ~、流石」

「ナイスー!」


 今日も気持ちよくゴールが決められた。

 あまり他事ばかり考えてたら、バスケにも集中出来ないし、葵も試合を見に来てくれるって言ってたんだ!

 気合いを入れ直さないと!


「皆ー! 私の友達の葵、知ってるよね?」

「もちろん!」

「この学校で知らない人はいませんよ」

「あの何でも屋、スノーフレークの社長秘書様なんだから」

「うんうん! それでね、その社長秘書様が、今度の試合の応援に来てくれるって」

「えー!」

「マジですか!?」

「気合い入れ直して行くよー!」

「「「「「おー!」」」」」


 皆の気合いも入れ直したところで練習再開っと……ん? なんか浮かない顔をしてる子がいる?

 あれは確か、1年生の明日香(あすか)ちゃん。

 何か悩みでもあるんだろうか?


「明日香ちゃん? どうかした?」

「あ、いえ……」

「何か悩み事があるのなら、相談にのるよ?」

「その……」

「あっ! もしかしてさっきの、プレッシャーになっちゃったかな? あのね、葵がくるって言ってもそんなに緊張しなくていいからね!」

「そうではなくて……」


 余程言いにくい事なのかな?

 無理に聞くのも悪いか、と思っていると、


「その、渚先輩から葵さんに連絡をとっていただきたいっていうのは、烏滸がましいですよね?」


と、明日香ちゃんは少し震えながら聞いてきた。


「スノーフレークに何か依頼したい事があるの?」

「は、はい……す、すみませんっ!」

「謝る事ないよ。明日聞いてみるね」

「ありがとうございます!」


 これだけ必死なんだ。

 余程の悩みなんだろう。


 明日、葵に少しでも時間があるといいけどな……

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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