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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode2 友人の宝誘拐編

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22/425

大仕事

episode2になります。

犯人視点です。

 俺たちは水回りのトラブルを格安で解決している。

 トイレ、キッチン、風呂、洗面所……

 個人営業で人手は3人。

 仕事ももちろん手は抜いていない。


 なら、何故格安でやれるのか?

 それは、俺達にとってこの水回りのトラブル解決が、本業じゃないからだ。

 俺達の本業は空き巣だ。


 格安で水回りのトラブルを解決するかわりに、その家に盗聴器を仕掛けてくる。

 その盗聴器からの情報を頼りに空き巣に入る。

 そして金品と共に仕掛けた盗聴器も回収。

 証拠なんて何も残らない。

 それが俺達の完璧な仕事だ。


 だが、1つだけデメリットがある。

 格安で水回りトラブルを解決してほしいっていう家だ。

 どの家もそんなに蓄えがない。

 だからそこまでデカイ金額の金は手に入らないって事だ。

 たまには超蓄えのある家からの依頼とか、来てもいいのにな……


「ただいま」

「おかえりなさい」


 おぉ、この間盗聴器を仕掛けた家の声だな。

 確かこの家は5歳位のガキのいる3人家族だったな。

 この家の旦那は19時頃の帰宅と。

 あとは妻とガキが何時に家にいないかが重要だ。

 もしくはどっか旅行に行けば……


「ねぇ? この間の話、どうなった?」

「あぁ、やっぱり断られたよ」

「そう……」

「今度の日曜日、行くだろ? もう1回ちゃんと話してみるよ」

「うん」


 お? なんだ? 日曜日どっか行くみてぇだな。


「やっぱりお義母さん1人は心配だものね」

「あぁ……」

「私の事、気にしてるのかしら?」

「うーん? 分かんない……けど、1人で寂しいだろ? って聞いたら話相手がいるから大丈夫って言われたよ」

「話相手? 誰?」

「なんか、スノーフレークの社員の女の子らしい」

「スノーフレークってあの?」

「うん」

「それってお義母さん、スノーフレークにお金払って話し相手になってもらってるってこと?」

「俺もそう思って聞いたんだけど、大丈夫だからしか言わないんだよ……だからそれも含めて日曜日にちゃんと話し合うよ」

「そうね、それがいいわね」


 そんな会話が聞こえてきた。

 どうやらお義母さんの話し相手とやらに、スノーフレークがいるらしい。

 金さえ払えば何でもやる何でも屋、スノーフレーク。

 つまり、話し相手になってやるかわりに金をもらってるって事か?

 いい商売だな。


 そりゃ、心配だな。

 んで日曜日に出かける訳か。

 なら、この家は日曜日に狙うか……


 いや、待てよ……

 スノーフレークってあの大金持ちの奴の会社だよな?

 そっち狙った方がよくないか?

 ちょっと皆で相談だな。


「おーい、お前等ちょっと」

「お? どうした?」

「スノーフレークの金、狙おうと思うんだけどよ」

「はぁ? どうやって?」

「この間の家の家族の親、スノーフレークの奴が定期的に話し相手に来てるらしいんだよ」

「それで?」

「だから、日曜日にコイツ等についてって、その親の家調べて、んで確かガキがいたはずだからよ、ガキ誘拐して身代金を要求する」

「スノーフレークは?」

「その親に身代金用意できりゃそのままもらえばいいし、できなきゃスノーフレークに依頼させればいい」

「身代金をか?」

「息子が起業に失敗して借金が……とかって嘘つかせれば、スノーフレークに誘拐はバレねぇよ」

「なるほどな」

「でもスノーフレークがそんな婆さんのために金用意するか?」

「そうなんだよな」


 そもそもスノーフレークの事とかよく知らねぇし。

 でも話し相手とかいって、いい奴のふりして金とってんだしな、金持ちの癖に。


「スノーフレークとしては、依頼人の婆さんには優しくしたいだろ? 多分……」

「確かにな」

「それに、スノーフレークったらあの大金持ちの桜野グループだろ? 多少金が減るより客の信用とるだろ」

「なるほど?」

「で、身代金はいくら位にする気なんだ?」

「1億位いけんじゃねぇの?」

「バカか! んなのさすがに無理だろ。あんまり欲出さねぇ方がいいだろ、嘘がバレる。この間、あの赤い羊とか捕まえた会社だぞ」

「だよな、なら……1千万位か?」

「うーん、間をとって5千万にしようぜ」


 スノーフレークならそんぐらいいけんだろ。


「でも本当に大丈夫か? あの赤い羊捕まえた奴等だし」

「そうだよ、なんか殺し屋相手に社員1人を囮に使って捕まえた、とかって噂だろ? 結構ヤバイ会社だ」

「だからこそだよ。今、そういう微妙な噂でイメージダウン中だからよ、客は大事にするって」

「なるほど……ある意味今が1番狙い時か」

「ああ」

「それに金を要求するのは婆さんだし、スノーフレークは誘拐にも気が付かず金だけ用意するだろ」

「あぁ、そうだな」

「よし、細かい作戦決めようぜ」


 細かい事はこれから決めればいい。

 こんな大きい仕事ははじめてだからな。

 気合い入れていくとしよう。


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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