情報源
凛緒視点です。
今日もスノーフレークの仕事を頑張ろうと意気込んでいると、
「凛緒、全部解決したぞ」
と、フクが部屋に入ってきた。
解決した?
「解決したって、蔵は開いたの?」
「これから開けに行く」
「それって、私も行かないとダメ?」
「あぁ、もうお前を狙う奴はいない。だから問題ないだろ?」
「いないって……」
私に危害を加えようとしていた人の問題を解決してくれたって事なんでしょうけど、それならそれで、終わりにしてくれればいい。
そもそも私は蔵に興味もないんだから……
「お前、ニュースをみていないのか?」
「え? えぇ、だって携帯はフクが持って行ったじゃない? 何かあったの?」
「テレビだってあるだろう」
「テレビは元々見ないのよ。奏海さんもそうでしょ?」
「確かにそうだが、あいつの場合は自分以外の誰かが情報を得てくれるから見ないんだ。情報源はちゃんと確保している」
フクはそういいながら、部屋に備え付けで置いてあったテレビをつけた。
「続いてのニュースです。財前グループの会長、財前裕次郎氏が誘拐の容疑で逮捕されました」
「は?」
何? 今のニュースは?
「え、フク?」
「まぁ、そういう事だ。これはもう返すぞ」
渡されたのは私の携帯……
"そういう事"でもう使わなくなったというのなら、叔父様が警察に捕まった事に、フクが関係しているという事だ。
しかも、誘拐だなんて……?
「フク、どういう事なの? ちゃんと説明して」
「簡単に言えば、お前を狙っていた一番の悪者はお前が信じていた叔父様で、その叔父様は俺達の仕掛けた罠にまんまとハマって、警察に捕まったって事だ」
「そんなんじゃ分からないわよっ!」
「まぁ、なんでもいい。行くぞ」
「ちょっと」
「人と待ち合わせをしてるんだ。待たせるのは失礼だろう?」
「だからって……」
フクは私の手を無理やりに引くようにして、歩きだした……
私はまだ、何も受け入れられていないというのに、一体誰と会わせるつもりなんだろうか?
読んでいただきありがとうございます(*^^*)




