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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode7 開かずの蔵と記憶編

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食べ歩き

凛緒視点です。

 休憩にご飯も食べたので、探し物再開だ。


「とりあえず私は子の間から探してみるわ」

「かぶらない方がいいよね? 私はどこから探そうか?」

「戌の間からお願いするわ」

「ん? いいけど、どうして戌なの? 反対から探して行くなら、亥の間じゃない?」

「亥の間はさっきの話になかったでしょ? 奥様が行かれた部屋から探した方がいいわ」

「あぁ~そうだね……それって、私は戌の次はどこ?」

「奥様の行動を逆に辿るのなら、辰の間と巳の間かしら? でも、部屋の近さで言えば、体操をされていたという未の間の方が近いわね」


 朝食を食べただけの子の間よりは、体操をしたという未の間や、掃除をしたという辰と巳の間の方が、指輪を無くす確率は高いと思う。

 となると、私が子の間を早々に探し終えて、辰と巳の間を探すというのが効率的だ。

 エリンさんには、戌の間を探してもらったあと、未の間に言ってもらって、探し終えてから辰と巳の間の方にきた時に、入れ替わりで私が未の間に行けば……と、考えていると、


「凛緒ちゃん……記憶力かなりいいよね!」


と、エリンさんに言われてしまった……


「本当にすごいです! さっき私が言ったことを、全て覚えてらっしゃるんですね!」

「ごめんなさい、私は覚えていなくて……」

「いえいえ。言った私ですら、覚えておりませんから」

「た、たまたまよ。なんとなく覚えていただけで、もしかしたら間違って覚えたかもしれないわ」

「あってますよ! あと、多分さっきはいい忘れたと思いますが、洗濯物を庭に干しているので、庭にも行っています」

「庭、庭かぁ……かなり広いですね……」

「はい……でも、洗濯物はあの辺りにしか干しませんから」

「そうなんですね」


 洗濯物を干したとなると、引っ掛かって指輪が取れてしまった可能性もある……

 かなり落ちている可能性は高いな……

 庭か……外だし、かなり広いし……


「やっぱり先に2人で庭を探しましょうか! 庭となると、暗くなってからでは探しにくくなってしまうでしょうし、明るい今のうちに探しておいた方がいいわ」

「そうだね!」

「よろしくお願いします。私も仕事が少し片付いたので、ご一緒させてもらいますね」


 3人で庭に移動して、縁側を歩いてあると、


「痛っ!」


と、急にエリンさんがよろけてしまった……


「エリ、大丈夫? どうしたの?」

「なんか踏んじゃったみたい……」

「もしかして、指輪?」

「あ、ううん……なにコレ?」


 エリンさんが足の下から出したのは、小さな茶色い塊だった。

 ゴツゴツしているし、少しテカっているけど……


「あぁ……それは多分、お義父様が食べておられるあられのカスですね……大変申し訳ございません。食べ歩くのは止めるようにと、何度もお願いしているのですが、なかなか聞いていただけなくて……」

「そうなんですね……」

「大丈夫です、地味に痛いですけど……」


 結構固めのあられだったようで、エリンさんは痛そうにしている……

 少し注意深く縁側を見渡して見ると、他にもあられのカスは落ちていた……

 結構だらしない方なのかしら?


「昨日ここで何か作っておられましたし、その時に食べていたんだと思います」

「なるほど……気を付けますね」

「申し訳ございません……」


 もしかしたら他の部屋にも落ちているかもしれないという事だな。

 絶対に踏みたくないし、私も気を付けよう……

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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