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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode1 赤い羊捕獲編

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18/292

18 1-18 作戦開始

赤い羊視点です。

 作戦決行の1日前。

 学校で話す聖女ちゃんとモテ男君の声が、盗聴器から聞こえてきた。


「いよいよ明日ね、ペンギンパークのオープン」

「あぁ、俺達は遊べないけどな」

「パーク内の施設の場所は暗記したから、何処でも案内できるようになれたと思うの。一応今日も復習するけど」

「流石だな。俺はまだちゃんと覚えられて無いから、少し不安だよ」

「空音なら大丈夫だよ。一緒に頑張ろうね!」

「おう! お客さん達に忘れられない最高の1日をプレゼント出来るといいな!」

「うんっ!」

「ふふふっ」

「ん? 葵ちゃん?」

「きっと最高の日になるわ。本当に楽しみね……」

「葵……お前もこの仕事やるのかよ?」

「いいえ、ただ知っているだけよ。明日が最高の日になるって事をね……」

「お、おぅ……そうだな。なるといいな……?」


 モテ男君達に絡みに行く依頼人の声がした。

 完全にモテ男君に怪しまれてるな……

 これだと明日はモテ男君の警戒が強まるだろうな。

 まぁモテ男君がどれだけ警戒しようが、俺には何の支障もないが。


 だが、あれだけ冷静な依頼人がこんな行動を取るとは少し意外だった。

 しかも笑っているようだし、明日が楽しみでしょうがないといった様子だ。


 本当にモテ男君が絡むと、依頼人の思考能力は低下するんだな。

 自分とモテ男君の、幸せな未来を夢見ているんだろう。

 そんな未来、来る訳がないのに……


 そして翌日、作戦決行の日。

 俺は少し早く依頼人との待ち合わせの場所、ターゲットを狙う絶好のスポットでもある廃ビルの屋上へ行き、辺りを確認した。

 特に異常は無い。


 ペンギンパークを一望にできる上に、周りにも人は殆ど来ないという、最高の立地だ。

 そして、そんな人が来ないはずの場所に、1人の女が歩いてきた。

 依頼人の刀川葵だ。


「おはよう……ございます? あなたが赤い羊さん?」

「はい、そうですよ。はじめまして」


 俺が挨拶をすると、軽く頭を下げてきた。

 もちろん辺りに他人の気配はないし、1人で来ている事は間違いない。

 荷物は、少し大きめの鞄を1つだけか……


「鞄の中身の確認でもする?」


 そう言って、鞄の中が見えるように開けて見せてきた。

 中には俺に返す予定の物と、分厚い封筒、そして双眼鏡が入っている。


「もう、結構ですよ」

「そう」


 依頼人はその鞄から双眼鏡を出した。


「あの女、もう見つけた?」

「見つけましたよ。現在、空音君がターゲットの近くにいるので、少々狙いづらい状況ですが……まぁ、問題ありません」


 スノーフレークのバイトで雇われた人達は皆、目立つ色の上着を着ており、聖女ちゃん達はすぐに見つかった。

 そして昨日の依頼人の発言で今日何かあると思ったようで、モテ男君は無駄に辺りを警戒している。

 聖女ちゃんの周りをチョロチョロと動くモテ男君は、正直かなり邪魔だ。


 だが、それはもう問題ない。

 先に人混みで財布を盗んでいた奴を手下にしておいた。

 警察に言わないかわりに、俺が連絡したら聖女ちゃんに絡みに行くように指示してある。

 それをモテ男君が助ける事で、助けられた安心感からモテ男君の警戒は薄まるはずだ。

 その隙を狙い、撃つ……完璧だ。


「あ、見つけた……いいわよ、いつでも撃って」

「分かりました。では、そろそろ始めるとしましょうか」


 スコープから見える聖女ちゃんは、道案内をしているようだった。

 そこから少し離れた場所に、さっきの盗っ人君が待機している。


 俺は盗人君に連絡した。

 作戦開始だ。

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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