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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode6 対人関係における偏見編
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交遊関係

陽日視点です。

 乃々香ちゃんの交遊関係を知りたくて、縁日のスーパーボールを誰に渡したのかを聞いていると、どんどん新しい名前が出て来てしまった……

 しかも、お兄ちゃんのライバルになりそうな人が多い……


「その、ふーじーと日下部君は、どういう人達なの?」

「ふーじーは奏海ちゃんの家の偉い人で、日下部君は奏海ちゃんの運転手だよ」


 大体皆、奏海ちゃんって人が関係してるみたいだ。

 乃々香ちゃんも大親友って言ってたし、その人がお金持ちなんだろうな……

 いや、そんな事より……


「何で幼馴染みのいっ君には渡さなかったのに、ふーじーと日下部君には渡したの?」

「え? うーん、ふーじーにはいつもお世話になってるし、日下部君にはお土産買ってくるって言っちゃったからね!」

「……そうなんだ」


 そんなに深い理由はないみたいでよかったけど……


「陽日ちゃん、そんなに私のまわりの人が気になるの?」

「えっ! あ、ごめんね! 詮索してるみたいになっちゃって……」

「ううん、大丈夫だよ」

「ただ、あのまー君さんが、スーパーボールを大切にしてたみたいだったから、気になっただけなの。乃々香ちゃんとどんな関係なのかなって……」

「幼馴染みだよ!」

「うん、それは分かった」


 お兄ちゃんの気持ちを知ってる以上は、ライバルを把握しておきたかったけど、これは乃々香ちゃんに失礼だった。

 乃々香ちゃんに詮索されて嫌だったという様子はないけど、無理に聞くのは良くないよね……

 でも気になるんだよな……


「私のまわりの人は、奏海ちゃんの知り合いばかりだよ。そもそも私、奏海ちゃんがいなかったら、誰とも関わってないし……」

「そうなの?」

「そうだよ! だから、奏海ちゃんは私の世界を広げてくれた恩人なんだ!」


 一瞬乃々香ちゃんからいつもな明るい感じが消えた気がしたけど、すぐに戻った。

 気のせい……だったのかな?


「でもね、奏海ちゃんの世界を広げてあげたのは私だから! それが私の誇りだからね!」

「なんかよく分かんないけど、本当に大親友なんだね! その奏海ちゃんと」

「そうだよ! 大親友なの! あははっ」


 本当に楽しそうだ。

 この乃々香ちゃんがここまで言うくらいだし、金持ちだから私は好きになれそうにない人だと思ったけど、そうでもないかもしれないな……


「でも凄いね、その奏海さんって人。運転手までいるんだね!」

「前に日下部君が困ってた時に、助けた事があるだよ。それで日下部君は凄い感謝してくれちゃってね、これでもかってくらいに私達に尽くしてくれるの」

「いい人だね!」

「でも日下部君のお姉さんの私からすると、ちょっと心配かな」

「ん? お姉さんなの? あ、乃々香ちゃんて、名字日下部だった?」

「ううん、くりばやしー」

「くりばやし?」

「うん。栗林乃々香だよ」

「じゃあ日下部君は……あ、弟的存在って事だね!」

「うん!」


 そういえば乃々香ちゃんって最初、私にお姉さんになってほしいとかいう、訳分かんないこと言ってたな。

 日下部君との関係も、そういうことなんだろう。

 幼馴染みさんには恋人がいたり、お兄さん的存在だったりしてるし、ふーじーや日下部君も特に恋愛対象ではないみたいだ。

 もうこれ以上聞くのはやめて……あ、いや、もう1人聞いておかないと……


「そういえば乃々香ちゃん?」

「ん?」

「陸君を助けた事があるんだよね?」

「陸君? あぁ、沢田さん家の……」

「一緒に助けたっていう、マジックお兄ちゃんっていうのは……?」

「あぁ、くー君の事だね」


 くー君……

 確か奏海さんを好きだっていう人だ。


「そっか、よかった!」

「よかった?」

「うん! いっぱい聞いてごめんね! ゆっくりしていってね」

「うん。ありがとう!」


 交遊関係はよく分からないけど、とりあえずお兄ちゃんのライバルは、いなさそうだ!

 だったらあとはお兄ちゃんの努力次第。

 私は乃々香ちゃんのお姉さんになりたいんじゃなくて、乃々香ちゃんにお姉さんになってもらいたい。

 その為にも、お兄ちゃんには頑張ってもらわないといけないな。

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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