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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode6 対人関係における偏見編
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お兄ちゃん

陽日視点です。

 乃々香ちゃんが会いに来てくれた日から、1ヶ月くらいが経った。


 お兄ちゃんは変わらずバイトだけど、今は家事を晃人がかなり手伝ってくれるようになったし、私も来年からはちゃんとバイトができそうだ。

 そうなれば家計も結構安定してくるはずだし、お母さんにももう少し休んでもらえると思う。

 光はお友達の家の猫ちゃんと遊べて楽しそうだし、照は陸君と仲良くなったみたいで、毎日幼稚園での陸君の話をしてくれる。


 乃々香ちゃんがなかなか来てくれないのは寂しいけど、皆楽しく毎日を過ごせてた。

 本当に乃々香ちゃんと会ってから色々変わったし、色んな事があったなーと、しみじみ思った。


 乃々香ちゃんは今頃海外か……

 本当に変わった人だけど、一体どんな仕事をしている人なんだろう?

 いつも明るいし、初対面なのに私達にたくさんの元気をくれた。

 また来るって約束してくれたし、元気よく遊びに来てくれるといいな。


「おっじゃまっしまーす!」


 そうそう、あんな感じに……え?


「乃々香ちゃん?」

「はーい、乃々香ちゃんだよー!」


 来てくれた……

 本当に、本物の、乃々香ちゃんだ!

 仕事、長かったら3ヶ月かかるとかって言ってたのに、頑張って早く終わらせてくれたんだ!


「仕事は終わったの?」

「うんっ! だからね、今日はお休みをもらってきたんだけど、皆はお出掛けかな?」

「お兄ちゃんはバイトで、晃人は買い物に行ってくれてるんだ。光と照はお友達の家の子猫が遊んでいいよって話になったから、遊びに行ったの」

「そうだったんだねー!」

「乃々香ちゃんは、また夜くらいまで居てくれる?」

「うん、お休みだからね! 大丈夫だよ!」


 よかった。

 皆もちゃんと乃々香ちゃんと会えそうだ。

 お兄ちゃんは帰りがちょっと遅いけど……


 皆も早く会いたいだろうし、帰って来ないかな?

 晃人はそろそろ帰ってくるかな。

 そういえば、晃人が言ってたな……


「ね、ねぇ、乃々香ちゃん? この間来てくれた時に一緒にいた男の人って、誰?」

「一緒にいた人?」

「ほら、家の前まで乃々香ちゃんを迎えに来た人」

「あー、まー君だよ」


 そうそう、まー君って親しそうに呼んでたあの人……

 なんか乃々香ちゃんが渡したお土産を大切にしてたって晃人が言ってたし、乃々香ちゃんの彼氏だったとかじゃないよね?

 もしそうなら、お兄ちゃんが……


「あ、あのさ、あの人は乃々香ちゃんのお友達? あ、仕事仲間とか、そんな感じの人?」

「そうだね、仕事仲間だよ。というか、まー君と私は幼馴染みだけどね」

「えっ、幼馴染みの人と一緒に仕事してるの?」

「そうだよ」


 凄いなか良さそうだったのは、幼馴染みだったからなんだ……

 これ……お兄ちゃんに勝ち目あるかな……?


「乃々香ちゃんは、その幼馴染みさんの事をどう思ってるの?」

「どう思う? んー、まー君はお兄ちゃんって感じかな?」


 お兄ちゃんか……

 確かに乃々香ちゃんって妹っぽいけど……

 でもとりあえず、乃々香ちゃんがあのまー君さんに対して恋愛感情を抱いている訳ではなさそうだし、一安心かな。


「くー君とかは、ちょっと弟っぽさもあるんだけど、やっぱりまー君は皆より大人びてるし、奏海ちゃんよりな感じもあるから……うん! やっぱりお兄ちゃんかな?」

「えっ? ちょっと待って、大分待って……」


 今の乃々香ちゃんの独り言、なんかくー君とかいうのがいたんだけど……

 あと奏海ちゃん?

 その人も幼馴染みなのかな?


「乃々香ちゃんはまー君さん以外の幼馴染みさんとも一緒に仕事をしてるの?」

「そうだよ。奏海ちゃんに、葵ちゃんに、明菜ちゃんに……」

「乃々香ちゃん。女の人はいいや。男の人はどれだけいるの?」

「うーん? くー君、まー君、いっ君、ゆっ君、れん君、りゅう君かな」

「結構いるね」

「そうだね」


 お兄ちゃん……

 ライバルは6人だよ……多分。

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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