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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode1 赤い羊捕獲編
14/423

14 1-14 尾行失敗

チンピラ手下視点です。

 俺の前にいきなり現れたフードを目深に被った男は、自分は巷で騒がれている赤い羊という殺し屋だと名乗った。

 本当に殺し屋かどうかはどうでもよかった。

 俺はただ小娘から100万を受け取り、携帯を渡すだけでその100万が俺の取り分になるという話だったから乗っただけだ。


 実際に取引相手として現れたのは偉そうな態度のガキで、聞いていた話とも違い、その場で金は手に入らなかった。

 だが翌日には家に金が届いていた。

 もちろんしっかりと100万が入ってた。

 とはいえ100万だけでなく、手紙も入っていたがな……


 その手紙には、ガキを尾行し、何をしているのかを報告するようにと書いてあった。

 逆らえば殺すというような文言や、その行動による追加報酬等は書かれていなかったが、俺の家も知られている以上は従っておいた方が身のためだろう。

 予定も何もないし、逆らう必要性もないからな。


 学校の前の道であのガキを待ち伏せる。

 生徒達の殆どが帰って行ったように思うが、アイツはまだ出てこない。

 まったく、何時間俺を待たせる気なんだ……


 外もかなり暗くなってきた。

 時間は、19時半か……ん? あのガキだ。

 やっと出てきたか。

 こんな時間まで部活でもしていたんだろうか?

 だが1人だし、部活仲間と思える奴も周りにはいない。


 まぁそんな事はどうでもいいか……

 とりあえず、尾行開始だ。


 学校から出てすぐに家へと向かうのかと思えば、駅前や歓楽街、薄暗い路地裏といった場所を、何処に入るでもなくただただ無駄に歩くガキ。

 もう1時間以上は歩いている。

 これが帰路な訳はないし、アイツは家に帰りたくないのか?


「さっきからなんのつもり?」


 周りに人がいなくなったところで、ガキは急に立ち止まってそう言った。


「あなたに言っているのよ。それで私を尾行しているつもりなの? バレバレにも程があるわ。本当にバカ……」


 こっちに歩いて来ながら、俺に言った。


「何言ってんだ? 俺はたまたま……」

「どうせ赤い羊に言われて私を調べていたんでしょうけど、尾行するのならもっと上手くやりなさい」

「何?」

「もし仮に私が警察と繋がっていたなら、こんなバレバレの尾行の中で警察と連絡なんてしない。だからあなたの尾行には意味がない。あなたは本当に、私達の計画の邪魔でしかない」


 くそっ!

 言い返してぇが、俺が今バレてるって事はコイツの言う通りだからな……


「で、私の何を知りたくて尾行させていたの? 夜に町を歩いてる理由とかなら、単に家に帰りたくないだけよ。特に目的の場所がある訳じゃないわ」


 急に自分の携帯に向かって喋りだした。

 頭イカれてんのか?

 いや、アレは俺があの男から渡されて、コイツに渡した携帯だ。

 確か盗聴器付きだとか言っていた……コイツ、この俺を無視して、赤い羊に向かって話してやがる!

 バカにしやがって!


♪♪♪♪♪


 俺がガキに掴みかかろうとすると、ガキの携帯が鳴った。

 あの男が連絡をしてきたみたいだ。

  

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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