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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode1 赤い羊捕獲編
11/423

11 1-11 登校

葵視点です。

 今日から私の学校へ持っていく荷物には、携帯が1台増えた。

 元々の自分の携帯。

 スノーフレークから支給されている個人端末。

 そして、赤い羊との連絡用端末……


 発信器と盗聴器がついているとか言っていたし、赤い羊にはまだ完全に信用されたわけでは無い。

 一度受けると言った以上、今からキャンセルなんて事はされないだろうけれど、やっぱり少し不安だ。


 とりあえず学校へ行こう。

 これからの事も考えておかないといけないし……


「あら、葵ちゃん。おはよう」


 隣の家のおばさんからの朝の挨拶。

 この人は昔からいつも声をかけてくれる。

 けれど、私にはこの人と楽しく談笑している余裕なんてない。

 申し訳ないとは思いつつも、私は軽く頭を下げ、学校へ向かった。


 学校の校門近くで、向こうから空音が来るのが見えた。

 そして隣には、九条麻里奈。

 私に気づいたようで、声を掛けてきた。


「おー葵、おはよ」

「おはよう、葵ちゃん」

「空音、おはよう……」


 空音からの挨拶、これはいつも通り。

 問題なのは九条麻里奈。

 私の事を"葵ちゃん"とか……

 もう何度か聞いているけど、本当に気持ち悪い……


「あのね、葵ちゃん。今、空音とも話してたんだけど、今度スノーフレークの仕事で、図書館の本の整理っていうのがあるんだ。もし良かったら、葵ちゃんも一緒にやらない?」

「やらないわ」

「あ、予定とかあるよね。急に誘ってごめんね。また誘うね」


 赤い羊は何時から盗聴しているのだろう?

 今の会話も聞いていたのだろうか?

 これが九条麻里奈だと分かっただろうか?


 私にこの携帯を持たせた理由は、私の事が信用出来ないからというだけではなく、標的の情報を探る為でもあるはずだ。

 となれば私から九条麻里奈に話しかけ、赤い羊に情報収集をしてもらうべきなんだろうけど、普段私から話しかけるなんて事をしないんだから、それは不自然に思われるだろう。

 また連絡が来た時にでも、赤い羊がどうしてほしいのかを聞いておかないといけないな。


 盗聴器越しで伝わるかは分からないけど、九条麻里奈の周りには常に誰かがいる。

 誰に対してもいつでもニコニコと……

 そんなバカみたいに笑顔を振り撒いて、疲れないのか。


 本当に、早く終わればいいのに……と、そんな事を考えて過ごしている間に授業も終わり、気がつけば放課後。

 クラスの生徒達が下校や部活等で居なくなり、静まりかえった教室に私だけ。

 その時、赤い羊との連絡用端末が鳴った。

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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