1 1-1 殺意
1話が短いので暇潰し程度に読んで頂けると幸いです。
名乗ってませんが刀川葵視点です。
柴崎空音が名前だけ登場してます。
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あぁ憎い……
あの女が憎い……
空音の隣にいるべき存在は私。
あそこは誰にも譲らない私だけの場所なのに、どうしてあの女がいる?
空音と笑い合うのは私のはずなのに……
あの女が消えない限り、私と空音の幸せな未来は来ない。
だからあの女の存在をこの世から消さなければいけない。
私があの女を消すのは簡単だ。
だけどそれじゃあ私は空音と共に居られない未来になってしまう……
早く誰かに、消してもらわなければ。
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"赤い羊"
とあるサイトのアドレスに、自分と消したい存在の情報を送ると、前金100万、依頼達成でさらに200万で始末してくれるという殺し屋。
遠方からのヘッドショットを得意とするスナイパーで、3年程前からこの日本を拠点として活動している。
赤い羊の活動が始まった当初は、学生達が面白がって話す都市伝説程度のものだった。
サイトも誰でも簡単に閲覧可能なもので、作りも甘い。
誰かが悪ふざけで作ったものだとしか思えなかった。
けれど、頭を撃ち抜かれた死体が発見される事件が相次いだ事で、今現在赤い羊の存在は明白となっている。
赤い羊は、仕事をする前に依頼人やターゲットの情報を徹底的に調べる上げている。
しかもその調査を行うのは、赤い羊に弱みを握られ、送られてきた手紙の内容に従わざるを得なくなった者達で、誰も赤い羊の正体は知らない。
かなり慎重なようで、警察も囮捜査に失敗したり等、全く赤い羊には近づけていないみたいだ。
私はこれからその赤い羊に依頼をする。
赤い羊も警察を相当警戒しているだろうし、そう簡単には信用してもらえないだろう。
でも私は失敗するつもりなんて毛頭ない。
まずは私の事を調べ上げてもらい、裏に警察なんていない事、私が真の依頼者である事を赤い羊に分かってもらう。
そして、赤い羊との信頼関係をしっかり築いた上で、作戦を実行するんだ。
私は決意を新たに、赤い羊へとメールを送った。
読んでいただきありがとうございます(*^^*)
5日、10日、15日、20日、25日、30日更新の予定です。
1話あたり800〜1500文字くらいで投稿します。