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週1の短編シリーズ  作者: 紫苑瑠璃
2/3

―その2―

 僕にはおおよそやりたいと思うことがない。今現在やりたいことがないのではなく、生まれてこの方やりたいと思った物事がない。周りは「人生を損してる」だの「時間の無駄」だの「金食い虫」だの好き勝手言う。僕の気を考えないで好きなだけ罵る。そして疲れたら僕から離れ、他の仲間とまた僕を罵りながら別の話題に行く。僕は罵られても悔しい、煩わしい、五月蠅うるさいなどという普通の人、世間一般の人が湧くであろう感情が一切湧かない。僕はMではない。だから罵られて嬉しい訳ではない。なぜ抵抗しないか、それは僕は興味がないから。もしも、誰かが僕を思いっきり殴ったところで誰にも言わないだろう。誰に聞かれても沈黙を決め込むだろう。それにすら興味がないから。

 そんな僕にも最近友達ができた。その人は今までと違い僕を罵ったりせず真摯に僕の話を聞いてくれる。僕もその人相手だと何でも話すことができた。何の障害もなく、何の躊躇ためらいもなく話すことができる。ある日僕はその人に「僕は君の友達?」と尋ねた。するとなんだか悲しそうな顔をして大きく頷いた。このとき僕はなぜそんな顔をするのだろうと思った。そのことがとても不思議だった。そのとき僕は人生で初めて何かに興味を持つということを知った。

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