女じゃねぇよ!
こんにちは入矢です。今回初投稿になるのでよろしくお願いしますm(_ _)m
「あーもーちくしょう くそっ!なんで俺がーもう不運だァ」
我ながら、可憐な姿で街を駆け抜く女らしい乙女瑠理は凄まじい逃げ足を止めようとしない。深夜の路地を走りながら背後を振り返る。アイドル勧誘3人、不良8人、そして野次が数えきれない程いる。
もうかれこれ、1㌔近く走っているが、野次は増え続け、最初から追ってきている奴らはまだ変わらず。乙女瑠理は別に顔と体つき意外はただの高校生である。だが、その顔に見惚れ、追い掛けてくるのだ。乙女瑠理にはこの野次達を1人で追っ払うことなど不可能だ。汚いゴミ箱を蹴り飛ばし、カラスを振り払うように瑠理は走る。
3月15日
明日で春休みだー!などと歓声を挙げながらルンルン気分で歩いていると、書店で買う必要もない魔法少女もののライトノベル買ってしまい、レストランでは魔法少女アイドルにでもならないかと勧誘を受け、逃げて途中で不良にナンパされて逃げて、ルンルン気分にさせた3月15日が悪いと思ってしまうほどだ。
まさか裏路地から仲間が出てくるとは思わなかった。まぁ不良だもんな。
「結局、ステーキ食えねぇし、しかも食い逃げと勘違いされるし、何で俺はこんなに運が悪りぃんだよォ」
と頭をかきむしりながら表に出ると月明かりに照らされた横浜はカップルだらけで、余計に瑠理が目立つだけだった。
やはり3月15日は俺を嫌っていると心の中で叫んでいた。あちこちで花火が打ち上がり、ギラギラとピンクやら黄色やらと光っている。瑠理はカップルを引き裂くように走り抜ける。チラリと魔法少女もののライトノベルを見た。
「こうゆう時だけでいいから力が欲しいんだよ。」
瑠理は追ってきている奴らを振り切ると、不良がスマホで増援を呼んだり、車で追ってきてしまうかもしれない。
瑠理は喧嘩などしようと思えば5、6人くらいならできるのだ。まぁ人を傷つけないのがやり方だ。
月が綺麗な丘まで来るともう、追ってきてる奴らは居なかった。
だが、そこには他の勧誘野郎がいた。
「僕はイヌだポン。君を魔法少女にさせにきたポン。」
「俺は男だぁぁぁぁぁぁ」
「君、女だったはずだポン。アイドル勧誘されてたし、不良にナンパされてたし、んまぁともかく君は善良な心と超能力の才能があるポン。不良やスカウトマンから助けて挙げたんだからなって貰うポン。」
謎のイヌという動物がニヤけながら、こう言った。
「可愛いは正義ポポポポーン」
瑠理の服は女ものに変わり、プリキュアの服装みたいになってしまった。
「何だよコレぇぇぇぇ」
「契約完了ポン!これから天使と悪魔をぶっ潰すポン」
イヌは何か問題発言を言ったような気がしたが瑠理はそれ以上に問題的な衣装に気を取られていた。
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