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第7話

 目を閉じてメニュー画面を念じると、最初はぼんやりと頭の中に文字が浮かんできた。

 女神様もとい、天照様のメモに書いてあった通りだ。


 確かに道具や装備の項目がある。そしてガイドの項目が開くように念じてみる。


 ━━ようこそ纏様。


 おお! なんか文字が出た! 声が出ないのが残念だけど、贅沢は言ってられない。ではこの村の者達の呪いを解くことが可能なんですか?


 ━━はい、可能です。


 良かった、可能だ。じゃあ方法はどうすれば良いかだな。ゲームイベントだと、根本的な原因を取り除けば成功だったけどまずは・・・。


 解呪の法術は村の人達に効きますか? あと法術の使い方を知りたいです。


 ━━可能です。法術は杖を持ち、発動したい法術を念じれば出来ます。


 杖って、私持ってないですよ。


 ━━杖は貴方が手の中に出てくるように念じれば出てきます。


 念じれば手の中へ・・・か。

 私は目を開くと、手を前に出すポーズ決めながら杖が出てくるように念じた。

 すると、念じた瞬間に手の中に野球ボール台程の光の玉が出現し、それは杖の形に変化すると光の中からヒヒイロカネ製の太陽と陽光を象った杖が出てきたのだ。因みに念じてからここまで二秒も掛かっていない。

 天照の杖は天照シリーズの武器にあたる。私はゲームでは天照シリーズの武器と防具をコンプリートして装備していたが、どうやらこれも反映されているようだ。

 私は杖を寝込んでいる三人に向けると、目を閉じて呪いの解呪を念じる。私の足元に五芒星を中心とした魔方陣が広がり、淡い光を放つ。


「・・・解呪」


 念じるだけで出来るみたいだけど、味気ないので呪文で発動させるみたいに声を出してみる。

 魔方陣から発せられた光が三人に吸い込まれると、三人の顔色や荒い息遣いが落ち着いて来たのを確認し、私はホッと胸を撫で下ろした。


「うっ・・・あれ、体の調子が・・・」


「兄ちゃん! 父ちゃん! 母ちゃん!」


「タケル、これはいったい・・・」


「こちらの法術士様が治してくれたんです」


 どうやら寝込んでいた一人はお兄さんだったらしい。タケル君は回復したお兄さんに駆け寄ると、笑顔で私を紹介してくれた。

 タケル君の声が聞こえたからか、お父さんとお母さんと思われる二人も体を起こし始めた。


「・・・法術士様」


 三人の具合が良くなり、起き上がるのを見ていたお爺さんが私に話しかけてくると、正座の姿勢から両手を床に付け、深々と頭を下げてきた。


「その様な法術を使われるあなた様は、さぞ高名な法術士様なのでしょう。無知からくる無礼な行い、何とぞお許し願いたい」


 最初はいきなり頭を下げられてビックリしちゃったけど、どうやらお爺さんは私を偉い法術士とかと勘違いしてるのかな?

 確かに怪しんだりされたし、タケル君も馴れ馴れしい態度だったとか思っちゃったのかな?


「お顔をお上げ下さいお爺様。私はそんな名も知れた者ではございません。あなた方の村の社で休ませてもらった恩もありますので、それをお返ししただけのこと。苦しむ人を助けることが私の役目です。何も怒ることはございません」


 私の言葉にお爺さんは顔を上げると、再び深々と頭を下げられた。またタケル君もお爺さんの隣に並ぶと、深々と頭を下げていた。



 さて私はと言うと、解呪の法術でこの村に蔓延する呪いを解くことが出来ると分かったので、お爺さんを連れて家々を回っていた。

 どうやら法術を発動する範囲も、念じれば広げられる事が分かったので、外から家の前で法術を発動させ時間短縮を行っておく。

 村の全部の家を回ったところで、お爺さん改め村長さんからどうしてもお礼がしたいと言われたが、私には一つの懸念があり、村長には少し待ってほしいと伝えておいた。


 ひとまず村長の家に戻ってくると、私は暫く考え事をしたいといって家の裏で一人にさせてもらった。


 さて・・・、ガイドさんに質問です。この呪いは根本的な部分は解決していないですよね?


 ━━・・・はい。このままではすぐに同じ症状が起こります。



読んで頂きありがとうございました。


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