第4話
私はただ水面に写った自分を見て茫然としていた。
幼さが残る大和撫子の様なその容姿は、忘れはしないセカンドキャラの女キャラだ。見た感じ15か16歳って感じだ。
あの時はセカンドキャラでも手を抜かないとキャラメイクに拘って、理想の大和撫子美女を作り上げたっけ。
しかもこの装備は限定ガチャの大当たり、レジェンドレアの天照大御神装備だ。巫女服に似た衣装をベースにヒヒイロカネ製の色鮮やかな装飾があり、肩辺りには天女の羽衣が付いている。頭部には太陽の形を模した冠。男キャラじゃ万単位まで払ってやっとレジェンドレアを手に入れたのに、このキャラに変えたら10連ガチャ初っぱなで出たんだから驚きだ。
しかしまさか女キャラになってしまうとなんて・・・。ああ、すまない我が息子よ。とうとうお前を使ってあげる事が出来なかった・・・。
悲しみに暮れながら私は息子のあった場所に手を添えると、また別の違和感を感じた。
手の中で感じるモニュッとした感触。恐る恐る袴と下着を引っ張り自分の股間を確認してみると、そこには象さんがコンニチワしたいた。
「は・・・はぁ━━━━━━━━━━━!?」
色々と衝撃的過ぎて許容範囲を越えてしまった。
セカンドキャラは女の子。私の容姿も女の子。大事な部分は男の子。ちょっと待ってくれ、なんだこれ!? 説明を求む!
「あ、あの・・・」
「え、あっ!」
そうだった、この少年がいたんだった。だいぶオロオロとした様子だった。急に大声を上げちゃったから驚いたみたい。
「ごめんなさい驚かせて。あの、ここが何処だか教えてほしいのだけど、いいかな?」
「え、あ、はい、ここは戸賀汐藩の都より東にある村の神様を祀っている社です」
戸賀汐藩? 知らない地名だ。やはり異世界みたいだな。
「あの、あなたは神様なんですか?」
「え?」
「これこれ待ちなさいタケルよ。変なことを聞かれて困っているようだ。儂が話をしよう」
そう言うとお爺さんは少年の肩に手を置きながら前に出てきた。
「まず、お前さんは何者だ。なぜ社の中におった」
おっと、やはり怪しまれているか。ここはなんとか誤魔化すしかない。
「私は法術士です。えっと・・・名前は溝口纏です。主に癒しの術を使います。ここには道に迷ってしまった時に・・・・休ませてもらいました」
こんな言い訳で信じてくれるだろうか・・・。
お爺さんは考える仕草をしつつも、いぶかしむ様子は変わらない。どうやら女神から送り込まれた場所は彼らにとって大切な場所だったみたいだ。あ~気が重い。
「あの、癒しの術は病人にも効きますか?」
作り笑顔で冷や汗をかいていると、先ほどの少年が話しかけてきた。
「え? うーん、症状によってはかな・・・」
オンラインゲームでは体力や状態異常からの回復は出来たが、果たして病気がそれに入るかは分からないけど。
「お願いします。村の皆を助けて下さい!」
【ヒヒイロカネ】
古史古伝における太古日本で様々な用途で使われていたとされる、伝説の金属または合金。緋緋色金、日緋色金とも表記し、火廣金、ヒヒイロガネ、ヒヒイロノカネとも呼称し、青生生魂はヒヒイロカネを指すといわれる。現代の様々なフィクションにも登場する。
三種の神器もヒヒイロカネで作られているとされる。
その比重は金よりも軽量であるが、合金としてのヒヒイロカネは金剛石よりも硬く、永久不変で絶対に錆びない性質をもつという。
(参照:Wikipedia)




