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第14話

 取り憑かれた侍と対峙した時、私は無理に行動せず反射(カウンター)に徹すれば良いのではないかと心の何処かにあった。

 だが、私は今それに頼ってしまっては心の中にある恐怖心には勝てず、この天照装備無しでは過ごせない程依存してしまうかもしれない。

 だから恐怖心に打ち勝つために戦うと心に決めた。



 それに、ここで逃げたら男が廃る!



 上段から振り下ろされた刀を、私は両手で横に持った杖で受け止めていた。

 侍は腕に力を込めながら体重を掛けて刀を押し込んでくる。それを受け止め続けているのだから両腕の疲労は相当だ。


「だが距離を詰めることは出来た! ゼロ距離、とったぞ!」


 私は杖の先に光を集める。侍を気絶させるために弱めの威力の光球弾を作り、その顔面へと叩き込んだ。


「───ぬぅ!?」

「───うゎっ!」


 弱めの威力とはいえ、近距離での爆発の衝撃波で体が吹き飛ばされ地面に倒れ込んだ。



 攻撃反射(カウンター)とダメージ軽減には欠点がある。それは、近距離だろうと遠距離だろうと相手から受ける攻撃のみしか発動しないことだ。

 例えば罠によるダメージや、相手の攻撃が岩や壁など別の場所に当たり、それによる落石、爆発などに巻き込まれたりなどだ。

 そしてどうやら、今の自分で起こした爆発でもダメージ軽減は発動しないみたいだった。


 ──ぷっ


 吹き飛ばされた時に口の中を切ったみたいだ。体を起こして溜まった血を吐き出した。

 すぐに回復で口の傷が治ったのを確認すると、同じく吹き飛ばされた侍を確認する。



 侍は地面に伏したまま動く様子は見られない。刀も吹き飛ばされた衝撃で手放したのか、離れた場所で地面に突き刺さっていた。


 動く気配は見られない。そう思った私はお祓いし浄化しようと侍の元へ向かおうとした。



 だが━━━


 気絶している侍の体から、勢いよく瘴気ご噴き出したのだ。私は咄嗟の事に身構えながら様子を確認していた。

 瘴気は渦を巻き一つの塊を作り出していた。塊は瘴気が凝縮されたように色が濃くなり、それどころか回りに漂う瘴気さえも巻き込み形を大きくしていく。

 3m程だろうか、塊は次第に人の形へと変化し、凶悪な姿へとなったいく。


『ガア゛ア゛ア゛ア゛ァ━━━━━━!!』


 そこに立っていたのは鬼だった。

 額から伸びる二本の角、巨大な体、太い腕、全てを支える太い脚、手には瘴気で作り出した鉈のような巨大で分厚い刃物を持っていた。


「なんじゃありゃ・・・。まさかこんな奴とは想像もしてなかった・・・」


 これは生半可な神力では無理そうだな、・・・そう思った時だった。



 ───ガサリ・・・と後ろの茂みから音が聞こえた。

 その音に一瞬気にもなったが、鬼か目を反らすわけにいかなかった為に後ろを見ようとはしなかった。


「法術士様!」


 しかし聞き覚えのある声に、私は耳を疑うと共に心臓が止まるような感覚になった。

 バッ! と音がしそうな勢いで振り返ると、そこにはタケル君が茂みから姿を現していた。


 彼の姿を見たとき、私は考える間もおかず彼の元へと駆け出していた。

 その選択は正解だったと気付いたのは、行動に思考が追い付いてからだ。

 自分の後ろから鬼の唸り声と足音が響き、僅かな距離なのに物凄く長く感じた。

 タケル君の元にたどり着いた私は、ゲームでも自身がよく使っていた法術を発動させる。


「守護結界ッ!!」


 自分を中心として、直径5mの光の円柱状の壁を出現させる。

 この光の壁の中では、制限時間5分間は敵の侵入や攻撃を防ぐことができ、設置型の法術なので術の維持に集中する必要もない。因みに自分と味方の出入りは自由だ。

 出現させると同時に鬼が結界を切りつけたので、正に危機一髪に感じた。


 結界の中で私は息を整える間もおかず、タケル君を問いただした。


「タケル君! 何故ここに来たの!」


「ひっ! ご・・・ごめんなさい」


 タケル君はビクビクと震えている。そんな姿を見て、感情的になっていた自分に落ち着きを取り戻せた。


「いったいどうして・・・」


「お侍様も大丈夫だと言って戻られなくて、もしかして法術士様も同じになるんじゃないかと思って不安になってしまって・・・」


「・・・・そう。心配をかけてしまったみたいですね」


「法術士様が吹き飛ばされた時にいてもたってもいられなくなって出てしまいました。ごめんなさい・・・」


「私を心配してくれたことは嬉しいです。しかし、やっていい事とやってはいけない事があるのです」


「・・・はい」


「でもここまで無事でよかった・・・。後はこの状況をどうにかしないと」


 私は鬼の方へと振り向いた。

 鬼は何度も結界を切りつけたのだろうと思うほど、現在も執拗に刃物で切りつけていた。


 しかし弱った。私一人なら仕方なしに反射を使ってでもこの場を切り抜けられるが、今タケル君もいる状況ではこの方法は使えない。

 別の防御用の法術はあるものの、発動しながら他の法術を念じれるほど私はまだこの体には慣れていない。

 寧ろ念じる間は無防備になりやすい。私はともかくタケル君が真っ先に鬼に狙われそうだ。

 天照装備一式の覚醒も出来ない。条件を満たしてないしなにより凄く面倒くさい。

 せめてこの局面を乗りきれる方法が欲しい! せめてヒントだけでもガイドさんが教えてくれないものか!




 ━━ありますよ。


 え!?


 ━━その方法は、彼をあなたの守護従者にすることです。

私事ですみませんが、次回も4日後に投稿させて頂きます。

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