表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/22

第1話

「よっしゃー! イベントボス撃破ぁー!!」


 私は溝口 纏(みぞぐち まとい)。今、夜勤明けのハイテンションな状態でオンラインのネットゲームに勤しんでいた。

 正直眠いを通り越して最高にハイな状態だ。夜勤明けの日が休日だったからか、日中にパーティーメンバーからお誘いを受けてしまった。せめて仮眠をとる選択もあったのだが、まさかの大型アップデートによる特別イベントが同じ日に開始なのだ。

 因みに私は男だが、仕事が介護職だけに丁寧語を心掛けていたら、自然と一人称が“私”になってしまっていた。恋人や妻も居ない一人暮らしだ。居たらオンラインゲームに打ち込んだりしないだろう。


 遊んでいるオンラインゲームは、西洋風のファンタジーゲームではなく、和の雰囲気が醸し出される和風ファンタジーである。

 私の使っているキャラクターはセカンドキャラの支援特化型の女キャラだ。格好は巫女服をベースに女法術士っぽくしている。ファーストキャラの男で正に侍な攻撃特化のもいるんだけど、上限いっぱいまで育てたので気分を換えて今は女キャラだ。

 男キャラの時は敵に突っ込んで切り伏せるだけだったが、今は仲間の動きを見ながら身体強化や回復法術、相手の弱体化や防御法術を使うので、なかなかやりがいがある。因みに法術は魔法みたいなもんで、MPは神力と表記されている。


 夜勤明けからパーティーに参加して、終わってみたらもう夕日が沈み始めていた。私はパーティーに挨拶をしてゲームを抜けると、シャワーを浴びてから軽く腹に入れ、ベッドに横になるとすぐに睡魔が襲ってきた。







「・・・・ん? あれ?」


 目が覚めると、そこは真っ暗だった。

 はじめは真夜中だから暗いのかなと思ったが、ベッドに寝ていなかったので部屋でないと理解できた。

 辺りを見回してみると、どこを見ても先が見えない程の暗闇の空間が続いている、しかし自分の姿は明かりに照らされているかの様にはっきりと見えていた。

 何が何だか分からずに混乱していると・・・




「おやおや、目が覚めたようだな」


 急に後ろから声が聞こえた。


 私が振り替えると、先ほどまで誰もいなかった場所に白いローブの様な服を着た老人の男性が立っていた。


「まぁ手短に説明しよう。お主は死んでしまったのだよ。死因はアパートへの放火による火災だ。深い眠りについていて火事が起きても気づかずに焼死。死んだお主から魂だけをここに呼び寄せたのだ」


 正直この爺さんは頭がおかしいのか何を言っているんだと思ったが、しかしそれではこの空間の説明がつかない。まさか夢を見てるんじゃないのだろうか。


「夢ではないぞ。頭もおかしくない。まあ信じられんのも無理はないがの」


 え? 私が考えてる事を読まれた?


「もしかしてここは、天国ですか?」


 こんな黒の何もない空間は勘弁してほしい。


「いや違う。まあ簡単に説明すると、お主は本当はまだ死なないはずだった。お主の運命にそう記されていたはずだったんだが、手違いで死なせてしまったんだよ」


「え・・・・・?」


 何を言っているのか分からなかったが、私の頭の中はますます訳が分からなくなっていた・・・。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ