汝、我が物なりや?
さあ、恋をしよう!
...って言われてもすぐにはできない
当たり前だ、恋をするということは誰かを好きになるという事だ。
まず、目の前にいる全ての人類のうちの誰かを君は選ばなくちゃいけない。
この人と一緒に居たい!っていう他人を見つけなくちゃいけない。
では、仮にその相手が君に興味が無かったら?
君は3つの主な選択をしなければならないだろう。
1︰相手に好きになってもらえるようアピールする。
2︰潔く諦める。
3︰どんな手段を使ってでも相手を手に入れる。
この場合殆どの人が1、2を選ぶだろう。
でも聞くよ?
君は僅かでも、ほんのちょっぴりでも
、、、、、、、、、、、、、、、、
3の選択肢が脳裏に浮かんだはずだ。
...嘘は良くない。
ほんの僅かでも君の頭の中には3の選択肢があるはずだ。
人って我が儘だからね。
そう!恋愛っていうのはね?
個人の我が儘に過ぎないんだよ!
相手を我が物にしたい!独り占めしたい!
っていう自己中心的な考えの結果だ。
でも誰もそれに気づきやしない。
、、、、、、、、、、、
いや、気付こうとしない。
自分に嘘をついて知らんぷりしているんだ。
結局、ヒトというのは汚い生命体なんだよ。
折角、意思という神様からの素晴らしい贈り物を持っている癖にドロドロとした私欲に駆られて行動する。
そんな糞野郎どもに生きる価値など――
ない。
神様の贈り物を有効活用できないような屑は僕が奪ってるんだ
あぁ、そろそろ彼が来る頃だね。
今夜は楽しい夜になりそうだよ
ねぇ?君もそう思わない?
だって、
僕の模造品が私を殺しに来るんだよ?
澄は透を完全に押さえ込んだ。
これで暫く奴は出てこれない。
今のオレは自由だ。
何をしても大丈夫
だってこの体は透のであって澄ではないのだから。
透はただの高校生だが、澄は特殊能力者だ。
元より超人の模造品だから当たり前だろう。
例えば――
「新妻透の場所ぐらい、目をつぶっててもわかる」
脳裏に浮かんだのは廃工場
、、、、、、、、、、、、、
奴はそこでオレを待っている
「来たね...模造品。いや、模造品と言った方がいいかい?」
女が居た。
コンバットスーツにコンバットハーネス。
サバイバルナイフは見た感じ3本。実際はもっと隠し持っているだろう。
腰にさしてあるのはマカロフPB。
背中にはAK-102サプレッサー装備が付いているのが見える。見た感じ折りたたみ式ストックタイプのもののようだ。
「ロシアの装備...?お前、スペツナズか?」
「“元”、ね」
女はくるくるとマカロフPBを回している。
マカロフPB――ロシアの中口径拳銃マカロフに消音機をつけたモデル。諜報員などが好んで使うとされている。(透はガンマニアの為、知識はかなりあるほうだとは自負している)
そして、彼女のメインアームである...
AK-102――旧ソ連の銃職人、カラシニコフ氏が開発したAK-47の近代化モデル。AKシリーズでは珍しくプラスチックをメインに作られている銃である。本体にピカティニーレールがついているため、カスタマイズが非常にしやすい。
―サプレッサー付きとは厄介だな...。
それに奴は元スペツナズ、仕込み拳銃を持っていてもおかしくなかった。
因みにこっちの武装はHK-416Cのみである。
...DEとFive Sevenは弾切れの為捨ててきてしまった。
HK-416Cは信頼性の高いライフルだが相手が元特殊部隊だと話が違う。
確かに取り回しはHK-416Cの方が良い。
なら、それを最大限利用するしか勝ち目はない。
暫しの静寂―
刹那、
お互いに銃口を向け合い、殺人鬼 対 元特殊部隊の戦いが始まった。